映画「アキレスと亀」:生涯学習ノート

生涯学習ノート
映画「アキレスと亀」
北野武の作品で、ベネチア国際映画祭に出品し、賞は逃したものの好評を博し
たといわれる作品である
北野作品は好きで毎回見続けている
一作ごとに違う顔を見せるので今回も期待して見たが期待ほどではなかった

ストーリは次のようになる
裕福な家庭に生まれ育った真知寿(マチス)という名前の少年は絵を描くのが
大好きで将来画家になる夢を持っていた。しかし父親が破産し自殺し、その後
母親も自殺してしまう。少年は母親の兄に預けられるが絵の具は離さない。青
年に成長した真知寿はバイトで貯めたお金で美術学校に通いだす。

同じ工場で働く真知寿の芸術の理解者、幸子と結婚した真知寿は彼女の手を借
りながらますます芸術にのめりこんでいく。中年になった真知寿は来る日も来
る日も創作に励んでいたが、絵は全く売れなかった。芸術の麻薬に浸るように
して家庭を崩壊させ、警察の厄介にもなり、やがては独りになってしまう真知
寿が妻の愛情を取り戻してハッピーエンド。

ということで「夢を追いかける夫婦の物語」と銘打って「ふたりだからできる
ことがある、成功をつかめなかった男が手にしたかけがいのない幸福感、人生
にとって本当の大切なものを見つけた夫婦愛」とパンフには述べられている
が、どうもピントこない

全半の真知寿の少年時代の画像と後半の夫婦で薬物中毒夫婦のように絵にのめ
り込んでいく画像とがしっくりつながらない

仲良し夫婦が芸術の麻薬中毒のようになって狂気の世界にめり込んでいくとこ
ろは引き込まれるところもあるが、やりすぎてお笑いの領域になってしまって
いる部分もある

監督の遊び心が出すぎた感がある
言わんとしているところが散らばってしまったようにも感じられる

それでも随所に北野監督らしいところが見られ楽しませてくれる
映画で使用している絵画は北野監督自ら描いた作品だそうだ

「外国では評価が高いのに、日本ではお客の入りが悪い」とは監督自らの弁
であるが、今回はさらに入りが悪いのでは

次回の作品を期待したい




2008.10.08:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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