映画「敵こそ、我が友」:生涯学習ノート

生涯学習ノート
映画「敵こそ、我が友」
元ナチス親衛隊クラウス・バルビーの“3つの人生”を映像で追跡したドキュ
メント映画です

彼は1935年に22歳でナチス・ドイツ親衛隊に所属してから、1987年にフランス
での裁判で“終身刑”を宣告されるまでの50数年の間に残虐で欺瞞に満ちた
“3つの人生を”を生きたといわれております

第1の人生は、ドイツ占領下のフランスで、レジスタンス活動家やユダヤ人を
迫害し、<リヨンの虐殺者>の異名を持つゲシュタポとして
第2の人生は、戦後のヨーロッパでアメリカ陸軍情報部のためにスパイ活動を
していたエージェントとして
第3の人生は、南米ボリビアにおいて、軍事政権を支援、チェ・ゲバラの暗殺
計画をも立派に立案したクラウス・アルトマン(偽名)として

「敵こそ、我が友」と言う題は第2の人生の事を指します
第2次世界大戦後のアメリカにとって、ヒットラー率いるナチスよりもソ連が一番の
問題であった
そのためにフランスのリヨンで虐殺者として名をはせていたクラウス・バルビ
ーを自陣営に引き入れて共産党対策のためにCIAが雇って活用するのです

昨日の敵は今日の友。敵の敵は味方というわけです
これが政治、これが国家、これが外交という歪んだ現実を数々の証言で暴き出します

その後アメリカはフランスから身柄引渡しの要求がでたために、4年間使うだ
け使ったあと南米に逃がしてしまいます
南米ボリビアで暗躍する姿が映し出されています。これが第3の人生です

ユダヤ人の拷問にも直接手を下し、34人の罪のない子供を強制移送した人間が
生き延びて暗躍する様は観ていても腹立たしさを覚えますが、これが人間なの
だという思いも抱かされます
人間と言うのはどうしようもない生き物、恐ろしい生き物なのかもしれません
70年近くも生きてきますと自分のうちにも同じような矛盾や二面性を抱えてい
るような気がするのです

実の娘が画面に登場してこういいます
「私の父はとても優しい人だった」と

1時間半のドキュメント映画でしたが、生々しい衝撃的な場面や歴史的な場面が沢山
出てきてあっという間の1時間半でした
見ごたえのあるドキュメント映画でした

2008.12.23:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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