▼「おくりびと」・インド旅行―その3
13年前のインド旅行は会社が55歳の社員に与える2週間の「特別研修休暇」を利用しての旅行
当時私は部下70人いる大所帯の管理者であったが、会社お墨付きの休暇ということで、これ幸いとばかり勇んでインドを目指して出かけた
インドは期待にたがわず目先の数字に追われ、成果ばかりを考えていた会社人間、仕事人間の頑固頭に一撃を食らわしてくれたのである
インド旅行を契機にして少しずつ自分の残された人生について考えるようになった気がする
またインド旅行は東南アジアの旅への誘いとなってくれた
それまでは会社の行事でウランス、イタリア、ドイツ、ハワイなどへ旅したことはあったが、アジア旅行は無かった
インド旅行のあと中国(北京上海)、タイ、シンガポール・ペナン、中国(雲南省)、韓国、台湾、カンボジア、ベトナム、と1人で出かけてみた。最後は4年前のケニア行きである(仙台から8名で)
東南アジアにはまったのは、自分が見失ってしまったもの、失くしてしまったものを旅先での生活の中に見出すことができたから、そこからこれからの生き方にヒントをもらえたからである
女房は東南アジア行きを生理的理由(匂い、暑さ、衛生など)で嫌ったため1人で出かけるしかなかった。女房とはハワイとドイツへ行っただけ
その女房は私が1人で東南アジアへ行くことを快く許可してくれたばかりでなく、一緒に楽しんでくれた。ビデオを映しながらの土産話を愉しみにしてくれた。行ってらっしゃいと気持ちよく送ってくれた女房に感謝している
旅の魅力、目的については言い古されている。一人ひとり違うはずである
大事なことは「旅先で何を感じるか」、ではないかと思う
下記の文は会社に提出した特別研修休暇の報告書である。
55歳の会社人間が旅で感じたことの事例となるかどうか
『インドへ行ってきました。遠藤周作の小説「深い河」と熊井 啓の映画「深い河」に感動し、主要舞台となる聖地「ベナレス」へ行ってみたいと思ったからです。
暑さに弱い妻は山形の実家へ帰り、1人で行きました。目的の「ベナレス」での沐浴風景やサルナート仏跡、タージマハール、アンベール城など素晴らしい景色や貴重な遺跡に接し、大きな感動を覚えましたが、それ以上にそれぞれの土地に住む人々が発する独特のエネルギー=熱気に圧倒されてしまいました。経済鎖国を解き、外資を導入し、目覚しい経済成長を続けているインドですが、国全体としては依然としてまだまだ貧しくその貧富の差もさらに拡大し、9億の人口の80%はまだ月収9千円以下とか。
カースト制度も厳然として存在し、宗教上の争いも絶えず。政治的にも不安のあるインド。今回はありきたりの観光でなく、あえて3人(現地で合流した同じパックのOL2人と)で市場等の人の集まる雑踏の中に飛び込んでみました。何もかも混沌として共存しているような「混沌世界」の中に自分を置いてみましたら、自然と自分自身を見つめ直し、今までにない自分を発見したような感じがします。今回は1人で出かけて同行者2人という 旅でしたので人間的な触れ合いもありさらに印象の深い旅となりました。リフレッシュの機会を与えてくれました特別研修休暇に感謝いたします』
※大概奥さんと2人の旅行になります。ということで女房の行動まで書いてお
ります
※8日間2人のOLとずっと行動を共にしました。帰ってきてからの部下達への報
告会でスライドで説明した際、2人を娘達といって話しました。大半の人は
信じていました
車中いろいろ悩みごとなど相談に応じたりしました。会社人間の頑固頭も少
し柔らかくなったような気がします。彼女達とは今でも交流が続いておりま
す
2009.02.27:choro
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