▼映画「60歳のラブレター」
「セカンドライフ」セミナーで「家庭内別居でなく家庭内再婚を!」などと自分もできそうもないことを話したりしてしまっている
そんな話をするときに参考になりはしないかと思って女房と2人で足を運んでみた
3組の夫婦が取り上げられている
1組の夫婦は社長の一人娘と結婚したある建設会社の役員とその妻。夫が定年を迎えるが離婚が待っている(中村雅俊、原田美枝)
2組目は病が待ち受けている魚屋を営む夫婦(イッセー尾形、綾戸智恵)
3組目は5年目に妻を亡くした医師と翻訳家(井上順、戸田恵子)に医師の子供の女子中学生がからむ
それぞれのパートナーが1通の手紙(ラブレター)で新しい1歩を踏み出すというハッピーエンドで終わる再生の物語である。明るく終わる
ラブレターが良くできあがっている。感動もので泣かせてくれる
「60歳のラブレター」の優秀作品のオムニバス形式の映画と思って観たが、3組の夫婦の物語が絡み合い、時間と場所を共有しながら展開される
脚本は「オールウエィズ3丁目の夕日」を書いた人らしいが、小粋な雰囲気を持ったしゃれた映画にしている
きれいごとに感じられるところもあるが、観ている間にいつしか引きずり込まれている
生活感のあるどきりとさせられる台詞が沢山飛び出してくる
中村、原田が再生を誓い合う富良野のラベンダー畑は美しい
イッセー尾形が女房の病床で必死に歌う「ミッシェル」も感動もの
平日の10時からの上映であったが、60歳前後の夫婦で半分くらい埋まっていた
60歳という歳を重ね、迷いや焦り、喜びや幸せ、培ってきた絆の大切さ、など具体的に映像として語りかけてくる
家族を含めた3組の夫婦と男女関係はそれぞれ社会的な立場が異なるし、家族関係も違うが、観客はそれぞれの夫婦の姿に自分自身や自分の家族との共通点を見出し、そこに自分を重ね合わせて観てしまう
3組の物語はそれぞれうまくまとまっていて観応えがあったが、建築会社の役員夫婦の話が1番印象的であり、身近に感じられた
定年後は反省の連続であるが、この映画を観てまた反省である
60歳のラブレターはまだ書いていない
書けるだろうか
70歳になったら書いたほうがいいのだろうか
死ぬ前に書いては遅いだろうか
と思っているうちに死んでしまいそう
熟年者、熟年夫婦だけでなく若い人たちのも観てもらいたい映画である
2009.05.29:choro
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