▼「人生の後半をひとりで生きる言葉」曽根綾子
前回投稿の「年だから・・・?」で紹介した本である
数ヶ月前に何気なしに買って、時々思い出したようにして読んでいる
読んだときにはぴんとこなかった言葉が、ある問題に遭遇したりある考えにこだわったりしたときにふっと思い出されてくる
そんな言葉がまとめられている本である
著者がすでに他の本や書き物に書き表している言葉を9つのテーマにまとめている
言葉ごとに出典を書いており、最後に出典著作一覧表を載せている
9つのテーマは次のとおり
@ ひとりで生きる
A 人生の後半を生きる
B 別離を生きる
C 減らして生きる
D 定年後を生きる
E 病気と生きる
F 老いながら生きる
G 晩年を生きる
H 運命を生きる
「別離を生きる」に次のような言葉がある
『そう考えると、一見とるに足らないときどきの思い出というのは過去形ではありますが、一種の未来なんですね。あれはどういうものだったのかなあ、なんで感動したのかなあと。なんで女房はあの時に立ち止まったのかなあ、なんで夫はあれを見た時に非常に楽しそうだったのかな、と思うようなことは、その意味がまだわからいという点において共通の未来なんです』 (『人はみな「愛」を語る』)
キャリア形成のワークとしてある時期からの思い出を記載していくという「振り返り」という作業を行う
過去の事実を見直し、解釈し、意味づけを行って自己認知をする。キャリアの見直しともいうが、その作業のなかから新しい自分像を見出して、未来に向けて表現していくというワークである
何のために「振り返り」を行うのかという問いかけに「一見とるにたらないときどきの思い出というのは過去形ではありますが、一種の未来なんですね」という言葉がヒントを与えてくれそうである
人生の後半を生きている人にとって身近に感じられて勇気をもらえそうな言葉がまとめて述べられている本である


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2009.06.09:choro

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