▼死ぬまで生きる力
先日NHKで「がん 生と死の謎に挑む」と題して夜10時すぎから放映された
立花 隆氏が自らのがんを基にしながらがんの最先端情報を世界に求める姿を追い続けるドキュメントである
欧米の先端を歩んでいる学者を訪問してインタビューし、国際学会など現場状況の紹介をする映像で構成されていく
それらの映像から1971年にニクソン大統領ががん戦争宣言し大量の金とマンパワーを注ぎ込んだにもかかわらずたいした進展は見られなかったということ
そしてがんは、ここ数十年は解決のめどが立っていないということを知らせる
最後に鳥取市で「野の花診療所」という小さな診療所を開きなが末期がんの患者の在宅医療に取り組んでいる徳永 進先生の活動が紹介される
徳永先生は数千人以上の末期がん患者を看取り、そのなかから独自のがん患者との係わり方を修得された
一人ひとりの患者を看取ってこられた徳永先生は「それぞれ違う死の形がある」と言う
一人のがん患者が死ぬ間際まで家族と共に笑いながら生きている姿が映し出される
人は死の直前まで笑っていけると先生は言う
立花氏は自ら膀胱がんを患い闘病中である
最後に下記のようにまとめられた
確信していること、感じていることが二つ
一つは自分が生きている間には医学的にがんが克服されるということは無いだろう
そうであるなら、二つ目はそう遠くない時期に確実に死ぬとわかったから、じたばたしないですむんじゃないか
そして次のように続ける
『がんはしぶとすぎるくらいしぶとい病気
それは言ってみれば生命そのものがはらんでいる一つの避けられない運命という側面を持っているということ
そうであれば、全てのがん患者がどこかでがんという病気と人生の残り少ない時間の過ごし方について折り合いをつけなければいけない
自分の残り少ない時間の過ごし方は、いたずらに頑張って人生のQOLを下げることではないだろう
徳永先生のところで学んだことは、人間は皆死ぬ力を持っているということ
死ぬ力というと言い過ぎかもしれない
死ぬまで生きる力と言った方がいいかもしれない
非常に単純な事実ですが、皆死ぬまでちゃんと生きられるのです
じたばたしなくても死ぬまでちゃんと生きられる
その単純な事実を発見して死ぬまで生きることががんを克服するということではないか』
立花氏ががん治療学会にゲストスピカーとして招かれてとき、自分はQOLを大事にするので抗がん剤投与は拒否すると明言した
立花氏は私と同じ69歳である
立花氏の「人生の残り少ない時間」はこの私にもぴったりとあてはまる
末期がんとなり余命を宣告されても自分なりの「死ぬまで生きる力を」を信じ、毎日の生活のなかでその力を発揮しながら死んでいきたいものである
2009.12.04:choro
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