▼君子らん
君子らんが見事に花開いた
向かいのおばあちゃんから1昨年に株分けしてもらっていたのだが、昨年は咲かなかった
植え替えした女房は、今年もだめかな〜とつぶやいていたのだ
その君子らんが、今年は咲いてくれたのだ。それも艶やかに
始めは縁側においていたが、あまりにきれいなので12畳の居間に移して朝な夕な眺めることにした
橙色と緑が鮮やかで、妖艶ともいえる姿を見るたびにどきりとさせられる
女房と2人だけでみるだけではもったいないと思い写メールで子供達に送ってみる
それぞれから「きれいだね」という返事がきたので、うれしくなって女房に報告すると「通信代がもったいないでしょ」と言う
「花より通信費か!」といいかけたがその言葉は飲み込んだ
夜、次男夫婦が来た
嫁さんが言ってくれる
「まーきれいだこと、この部屋の大きさだから栄えるのよね、自分達の小さな部屋には置いても栄えないもの」と
7年前にリフォームするとき8畳の部屋を12畳に広げたのだが、時々無駄なことをしたかなと後悔していたのだ
嫁さんのさりげない言葉でうれしくなる
君子らんをみているとアフリカへ行ったときのことが思い出された
アフリカの色を思い出したといったほうがいい
アフリカの青い空の色、赤い土の色、そして森の緑の色、色、色
アフリカの印象は原色の印象
君子らんの色はアフリカの色なのだろう
テレビの上に、アフリカで買ってきたキリンや動物人形を並べている
君子らんと、それらの像を重ねてみると、アフリカへの想いが強く浮かび上がって来た
がんになってから花を見たときの感じ方が急激に変わった
花を見るたびに、美しさに心が揺さぶられ、愛おしさに胸がしめつけられる
花がこんなに美しいものであったのか
その想いが生きていることへの思いとつながっていく
数日間、君子らんの妖艶ともいえる美しさに圧倒されながら暮らすことができた
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2010.05.12:choro
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