▼「末期がん 最後まであきらめないで!」
−白川式複合遺伝子治療法のすべてー
白川 太郎 PHP研究所
著者は元京都大学大学院医学研究科教授、元オックスフォード大学医学部講師、元南京医科大学客員教授(奥さんは中国人の医師)などのキャリアを持っている
西洋医学一辺倒の研究者、医学者であったが、「ユニバーサルクリニック」(長崎県諫早市)を作って代替療法も取り入れた末期がんの治療を行っている
この本はがん治療の状況と自らの治療方法について述べた本である
「白川式複合遺伝子治療法」というのは、病院から「もはや打つ手なし」と見離された患者たちに対し、標準医療に加えて、患者ごとに厳選した先端治療(遺伝子治療・免疫治療)と代替療法(温熱療法・栄養療法)その他の組み合わせた末期がん治療法である
目次に従って紹介する
第1章 白川式複合遺伝子治療の成果
各種の成果のあったがん治療の結果20症例を画像入りで紹介
本の帯には「末期がん治療有効率 61.29%」と紹介されている
第2章 がんとは何か
がんとはどういう病気なのか、発がんのメカニズム、がん細胞が腫瘍になるまで、な
どについて、例え話を出して非常に分かりやすく説明している
特に、浸潤と転移のメカニズム、原発がんと転移のがんについては自分がその立場にいるだけに参考になった
白川式治療の紹介
○「遺伝子治療」
体内に外部から治療に有効な遺伝子を組み込んだ何らかの細胞を入れ、有効な遺伝子をがん細胞の中に運び込み、遺伝子変異の修復を行う治療
がん細胞の増殖を止める治療、または増殖のスピードを遅くする治療である
中国では保険の適用になっているが日本ではまだである
○「免疫療法」
人の免疫細胞を培養して増やし、それを治療に使う療法
第1世代 〜 Tリンパ球を取り出して体外で培養増殖し、体内に戻すという治療方法は、期待されたわりには大きな成果をあげられなかった
第2世代 〜 自然免疫系のNK細胞を培養増殖する。第1世代のTリンパ球よりは効果的である
第3世代 〜 攻撃の司令官である樹状細胞を培養する方法
白川式は第2世代を選択して行っている
○「温熱療法」
温灸や温泉、スティーマー、赤外線ランプ、サウナなども含まれる
麦飯石という薬石を積み上げたドーム式サウナ(韓国式サウナ)が利用されている
○「栄養療法」
2つの方法があり優劣つけがたい
@点滴や注射によって直接血液内に栄養を送り込む治療
「高濃度ビタミンC点滴療法」「にんにく注射」「キレーション療法」「マイヤーズカクテル」
Aサプリメントや健康食品として分類される
「イオンミネラル溶液の経口・直接投与」「玄米菜食による食事旅法」
第3章 がんの検査と治療方法の実際
下記のような記述が印象に残る
◕ がんという病気は一刻を争うほど緊急性の高い病気ではない。がんという病気やその治療法や対策についてしっかりと調べてから最善の治療を選択する
◕ 大病院は基本的にマニュアル治療優先なので、ガイドラインの域を出ないケースが多い。つまり赤ひげ先生的な名医は少ない
◕ 抗がん剤使用は経験とセンスが求まられる
◕ 病院に抗がん剤がどれくらい用意されているか必ず医師に確認すべきである
第4章 あなたが「がん」と診断されたら
◕ セカンドオピニオンなどで治療法に対する突っ込んだ相談や検討を行うこと
◕ 最も気をつけなければいけないのは抗がん剤療法
抗がん剤治療は担当医の知識と経験の差、いわば能力が如実に現れる治療法。実力がある担当医なら副作用が少なく治療効果のあがる抗がん剤の組み合わせや投与法をどんどん試してくれる
第5章 あなたが「末期がん」と診断されたら
白川先生の「ユニバーサルクリニック」での治療の実際を紹介されているが、連携病院との連携のあり方や、入院施設を持たず患者は検査中はホテル住まいとか、保険適用外の治療も多いので直接的には参考にならない
「ユニバーサルクリニック」には、中核病院や大学病院やがんセンターなどのがん専門医がいる病院からの紹介されてくる例はほとんど無い
患者が自分で探してくるか、治療した患者からの紹介がほとんどである
もし白川式治療を選択していくとすれば、患者は直接電話してみることからスタートすると書かれている
○末期がんの患者に対する治療方法を知ることに意義はあるが、クリニックが九州と離れていることと、保険適用外の先端治療法が主な治療となっているので参考になるだけ
○大学などの大きな病院はマニュアル的治療しかできないということがわかったことの方が意義が大きい
大学が示す治療は別の抗がん剤の使用か組み合わせの使用の提案になる
○白川式でも薦めている「温熱療法」と「栄養療法」を含めて、自然治癒力を期待しての代替療法を徹底的に行っていくだけである
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2010.08.28:choro
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