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●「わんこそば」への思い
先日朝日新聞に「百年企業@岩手」として当店が掲載されたのですが、その記事をご覧になって、「昭和の欠食児童」(2010年 発行所 株式会社 本の泉社)の著者、山下文男さんが、直筆の手紙を添えて本を送って下さいました。
手紙には、「新聞記事を拝見してほっとしました。『お店でゆっくり味わって欲しい』『伸びたそばを食べてもらいたくない』、本来それがわんこそばだと、この本に現状を批判的に書いたばかりでした。店の得意ということもあるでしょうか。がんばってください。」とありました。
戦争前後の過酷な食糧難を生き抜いてきた著者が、近年の食糧自給率の低さから、国を取り巻く食糧事情が深刻な事態に立ち至っている現状に鑑みて、それについての論考を含んだ著書。
付箋が挟まっていたページには「飽食時代を叱る」というタイトル。
次の付箋のページには、「食べ物を大切にし、無駄を「勿体ない」とする生活感覚が鈍化している事例の一つ」として「わんこそば」をあげられていた。
「記憶では『わんこそば』が全国的に有名になったのは、それを何杯食べられるかを競う「わんこそば」食い競争がテレビで取り上げられ、紹介されるようになってからである。
過日もJR東日本の宣伝紙に『麺がのびないように等の気遣いから、ひと口ごとにお椀に麺が継ぎ足される』ものとして紹介されていた『わんこそば』。著者が戦前、ある店で食べた『わんこそば』は、まさにその『おもてなしの心』で馳走し、頂戴するものであった。
ところが、戦後客寄せのためのアイディアとして花巻辺りのある観光業者が「わんこそば食い競争」というのを考え出し、それを新聞・ラジオ・テレビなどが面白がって報道したことから、『わんこそば』とは競争して食べるものだという、本来の趣旨とは正反対の似て非なるイメージの食べ物になってしまった。要するに典型的な食の商業主義化の産物にされてしまった。」
と、要約させていただくとこのような内容が書かれてありました。
まさにその通り。
ネット上で飛び交うわんこそばの情報の多くは、「大食い・早食い・まずい・苦しい」といった、本来のわんこそばの「美味しいそばを、満足するまでゆっくりと楽しんでいただきたい」という「おもてなしの心」からは程遠いものばかり。
私はこの現状の理由を、著者の山下さんの言うことのほかに、「わんこそば」を提供するお店自身が、「わんこそばの心」である「おもてなしの心」をはき違え、「客が喜ぶから」と「大食い・早食い・パフォーマンス」路線に走り、利益・効率を求めた結果、「本来のわんこそば」とは全くかけ離れてしまったからであると思います。
うちは断じて違う!と、声を大にして叫びたい気持ちは正直ありますが、「わんこそば」を大会として全国的に有名にしたのは、他でもない、当店かじやです。かじやには「本来のわんこそばの心」を肝に銘じて、これからの「いわて名物としてのわんこそば」を創り上げていかなければいけないという責任があります。
今一度、かじやスタッフ一同、「わんこそばの原点」を見つめ考え直し、これまで以上の「おもてなしの心」で「わんこそばの本場花巻、嘉司屋のわんこそば」を続けてまいりたいと思います。
2010.12.16:Copyright (C)
いわて花巻のわんこそば屋さん 『かじや☆ブログ』
さすが嘉司屋さん
わんこそばの最中でも、「今ゆでていますので、少々お待ち下さい。」これが老舗かじやさんのおもてなしの心ですよね。
2010.12.18:シバの女王 [
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シバの女王さま☆
コメントありがとうございます☆
お客様にとっては本当はお待たせしないのが一番良いのですけどね(汗)
「湯がきたて」の美味しいおそばを召し上がっていただくために…と、おそばを湯がくタイミングを見計らいながらやっていますので、お客様の食べるペースが思ったよりも早かったり、あとどのくらい食べられそうかわかりにくいお客様(どのくらい食べられそうか予想しながら湯がくので)の時には、どうしても少しお待たせしてしまう場合があります。
わんこそばは「大食い・早食い」の料理ではなく、本来はゆっくりと楽しんでいただく料理なので、かじやではやはり「湯がきたて」にこだわっているのです☆
2010.12.19:かじやのメガネ君 [
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手紙には、「新聞記事を拝見してほっとしました。『お店でゆっくり味わって欲しい』『伸びたそばを食べてもらいたくない』、本来それがわんこそばだと、この本に現状を批判的に書いたばかりでした。店の得意ということもあるでしょうか。がんばってください。」とありました。
戦争前後の過酷な食糧難を生き抜いてきた著者が、近年の食糧自給率の低さから、国を取り巻く食糧事情が深刻な事態に立ち至っている現状に鑑みて、それについての論考を含んだ著書。
付箋が挟まっていたページには「飽食時代を叱る」というタイトル。
次の付箋のページには、「食べ物を大切にし、無駄を「勿体ない」とする生活感覚が鈍化している事例の一つ」として「わんこそば」をあげられていた。
「記憶では『わんこそば』が全国的に有名になったのは、それを何杯食べられるかを競う「わんこそば」食い競争がテレビで取り上げられ、紹介されるようになってからである。
過日もJR東日本の宣伝紙に『麺がのびないように等の気遣いから、ひと口ごとにお椀に麺が継ぎ足される』ものとして紹介されていた『わんこそば』。著者が戦前、ある店で食べた『わんこそば』は、まさにその『おもてなしの心』で馳走し、頂戴するものであった。
ところが、戦後客寄せのためのアイディアとして花巻辺りのある観光業者が「わんこそば食い競争」というのを考え出し、それを新聞・ラジオ・テレビなどが面白がって報道したことから、『わんこそば』とは競争して食べるものだという、本来の趣旨とは正反対の似て非なるイメージの食べ物になってしまった。要するに典型的な食の商業主義化の産物にされてしまった。」
と、要約させていただくとこのような内容が書かれてありました。
まさにその通り。
ネット上で飛び交うわんこそばの情報の多くは、「大食い・早食い・まずい・苦しい」といった、本来のわんこそばの「美味しいそばを、満足するまでゆっくりと楽しんでいただきたい」という「おもてなしの心」からは程遠いものばかり。
私はこの現状の理由を、著者の山下さんの言うことのほかに、「わんこそば」を提供するお店自身が、「わんこそばの心」である「おもてなしの心」をはき違え、「客が喜ぶから」と「大食い・早食い・パフォーマンス」路線に走り、利益・効率を求めた結果、「本来のわんこそば」とは全くかけ離れてしまったからであると思います。
うちは断じて違う!と、声を大にして叫びたい気持ちは正直ありますが、「わんこそば」を大会として全国的に有名にしたのは、他でもない、当店かじやです。かじやには「本来のわんこそばの心」を肝に銘じて、これからの「いわて名物としてのわんこそば」を創り上げていかなければいけないという責任があります。
今一度、かじやスタッフ一同、「わんこそばの原点」を見つめ考え直し、これまで以上の「おもてなしの心」で「わんこそばの本場花巻、嘉司屋のわんこそば」を続けてまいりたいと思います。