「寄り添う」という風景―地元2紙の社説から…注目される花巻市議会の対応:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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「寄り添う」という風景―地元2紙の社説から…注目される花巻市議会の対応
2019.02.26:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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花巻市議会3月定例会に向けて提出した「『日米地位協定』の抜本見直しを求める」陳情(2月18日付当ブログ参照)が正式に受理され、3月8日午後1時半からに開催される総務常任委員会(鎌田幸也委員長ら9人)で審査される。私は参考人として、意見陳述する。沖縄県では1996年、「日米地位協定の見直しと米軍基地の整理・縮小」の賛否を問う県民投票が行われ、「賛成」が89・0%に上った。今回の「辺野古」新基地の埋め立てをめぐる賛否でも「反対」が72・15%を占めた。同市議会は3年前、同じ趣旨の請願を反対多数で否決した経緯がある。沖縄の過去2回の「民意」をどう受け止めるか―審査の行方が注目される。社説は以下の通り。
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●果たして、この国は民主主義国家なのだろうか。「民主主義の皮をかぶった独裁国家」を疑いたくなる。辺野古新基地埋め立ての賛否を問う県民投票で、投票者の7割が「反対」の明確な意思を示した。しかし、政府は民意無視の姿勢を一向に変えようとはしていない。民主主義国家としてあり得ない対応だ。政府は埋め立て工事を即座に中止し、本当に米軍普天間飛行場の危険性除去につながる方策を提示し、米側と交渉すべきだ。日本の民主主義が問われている。
一夜明けて、安倍晋三首相は「結果を真摯(しんし)に受け止める」と語ったものの「移設をこれ以上、先送りできない」と強行方針を変えなかった。これだけ反対が根強いのに、地元の意向を無視して一方的に建設を強行するのは、民主主義を押しつぶす行為だ。ロシアのプ−チン大統領が昨年末、「地元知事が反対しいるのに整備が進んでいる」と指摘したように、今後、国際的な批判も浴びよう。
県民は辺野古新基地について、2度の県知事選や国政選挙などで繰り返しノ−を示してきた。今回は、新基地建設という一つの問題だけに絞った駄目押しの反対表明だ。県民投票の投票率は、昨年の県知事選の63・24%よりも低い52・48%だったにもかかわらず、反対票は玉城デニ−知事の得票数39万票余を大きく上回る43万票余に上った。共同通信社の出口調査では、辺野古移設を推進する自民党の支持層でも、反対の48%が賛成の40%を上回った。保守層の中にも辺野古移設に反対が根強いことが分かる。
ところが、県民投票の結果を矮小化(わいしょうか)する動きが政治家や一部報道に出てきている。「有権者の半分しか投票していない」「有権者全体では反対は37%止まりだ」などの批判だ。投票率の低下は全国的な課題だ。衆院選で見ると、2017年53・68%、14年52・66%と戦後2番目と最低を記録した。50%未満の府県はそれぞれ4県、8県だった。これらの選挙で選ばれた政治家の資格も否定するのだろうか。それよりも、人物を選ぶ選挙でもないのに、有権者の52%が投票所に足を運んだという事実は重い。政治に参加する意思のある県民だ。その7割が突き付けた反対の民意を過小評価すべきではない。
県民投票を2度も実施した都道府県がどこにあろう。民意を踏みにじり、間接民主制の政治が機能不全に陥っているからこそ、直接民主主義に頼らざるを得なかったのだ。安倍政権は問題の本質をそらし、辺野古移設か普天間固定化かの二者択一論にすり替えることに躍起だ。県民の民意がはっきりした以上、工事を中止し、新基地建設とは切り離して、最優先で普天間飛行場の運用停止に向けて対米交渉へ行動を起こすべきだ。今度こそは民意に向き合い、本気で危険性除去に取り組むことを強く求める(2月26日付「琉球新報」
●名護市の辺野古新基地建設に「ノ−」を明確に突き付けた県民投票から一夜明けた25日早朝。米軍キャンプ・シュワブゲ−ト前では警察が新基地に反対する市民を排除する中、ダンプカ−が次々とゲ−ト内に入り、土砂の搬入を繰り返した。海上でも辺野古側の土砂投入と大浦湾側の護岸造成工事が続いた。沖縄の民意を無視し、力ずくで押しつぶそうという安倍政権の強行一辺倒の姿勢である。とうてい納得できない。民主国家であるならば民意が示された以上、ひとまず工事を中止すべきだ。
玉城デニ−知事は同日の県議会一般質問で安倍晋三首相に対し「埋め立てを認めない断固たる民意を受け止めてもらいたい。辺野古が唯一の方針を直ちに見直し、工事を中止してもらいたい」と求めた。県民投票の結果を踏まえた当然の要求である。玉城知事は今週にも予定している安倍首相との会談で、普天間飛行場の早期返還に向け対話に応じるよう強く求める考えだ。
安倍首相は衆院予算委員会で「結果を真(しん)摯(し)に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたい」と答弁した。言葉とは裏腹に、辺野古の現場では強権を振るっており、県民を愚(ぐ)弄(ろう)するものだ。安倍首相は「もはや普天間返還の先送りは許されない」と、新基地建設を続行する考えも示した。辺野古にこだわり続けている結果、普天間の返還が遅れに遅れて先の見通しが立っていないのが現実ではないか。
信じられないのは沖縄基地負担軽減担当相を兼務する菅義偉官房長官である。「普天間飛行場の危険性除去、返還をどのようにするのか、知事から語られておらず、ぜひ考えを伺ってみたい」と述べた。そもそも普天間の危険性除去や返還で知事に代替案を出せというのがおかしい。政府の無為無策ぶりをさらけ出しているようなものだ。政府は「辺野古が唯一」の一点張り。それを見直す気がないのに、県に代替案を迫るのは暴論であり、どう喝である。
仲井真弘多元知事と約束した普天間の5年以内運用停止も米側と交渉の形跡がないまま期限を迎え、県に責任転嫁している。仲井真氏は一時期「辺野古に固執するのではなく、もっと早く現実的に移設できる県外の場所を探すべきだ」と言っていた。なぜ県外では駄目なのか。説明責任をまったく果たしていない。
普天間返還は当初、既存の米軍基地内にヘリポ−トを新設することが条件だった。紆余(うよ)曲折を経て似ても似つかぬ新基地に変貌した。負担軽減に逆行するのは明らかだ。返還合意当時の橋本龍太郎首相は地元の頭越しには進めないことを大原則にしていた。米軍基地は人権や自治権を大きく制約し住民にさまざまな負担を強いる。自治体や県の同意なしにはできない。新基地建設問題は県民投票によって新しいステ−ジに入った。政府は「辺野古唯一」の見直しを表明した上で、県との対話に臨むべきである(2月26日付「沖縄タイムス」)
(写真は県民投票から一夜明けた25日、米軍キャンプ・シュワブのゲ−ト前で抗議の男性を強制排除する機動隊員=25日午前、名護市辺野古で。琉球新報より)