第3回「図書館と私」オンライン講演会…「まるごと市民会議」主催:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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第3回「図書館と私」オンライン講演会…「まるごと市民会議」主催
2021.02.28:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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「図書館のあり方をみんなで考えよう」―。「新花巻図書館―まるごと市民会議」主催の第3回オンライン講演会が28日(日)に開かれた。講師は当会議の発起人の一人である映像作家の澄川嘉彦さん(東和町在住)。市内外から19人が参加した。「図書館問題は図書館だけの問題ではない」と題するタイトルをシンボリックに表すエピソ−ドとして、澄川さんは「風倒木」という言葉を披露した。代表作のひとつにドキュメンタリ−映画「タイマグラばあちゃん」がある。滋賀県のある図書館で開かれた上映会の際、会場入り口にこの3文字が大書された横断幕が掲げられていた。「木は腐ることによって、次の世代を育てる。岩手の風土にぴったりのメッセージに感動した」と澄川さん。
「図書館も風倒木であらねばならない」と講演の口火を切った澄川さんは自身が制作を手がけた「証言記録・東日本大震災『住民主導の集団移転―宮城県東松島市』」(2月14日NHK総合テレビで放映)を下敷きにしながら、話を進めた。「奇跡」とも言われた東松島市の集団移転は最初、行政側が仕掛ける形で始まり、最後は住民側が行政側の尻をたたくという理想的な「住民参加型」の震災復興として、注目されている。「そこには『住むのは私たち』という揺るぎない連帯感があった。ややもすれば、“ガス抜き”と受け取られかねない行政側の説明会を逆手に取り、住民側が自治を勝ち取った稀有な成功例。この裏には当時の市長が年間424回も地域に足を運び、住民の声に耳を傾けたという熱意もあった」―。澄川さんはこう語り、「若干、誤解を招きかねないが…」と続けた。
「自分がバカだと思える行政マンほど優秀だと思う。住民意識の根底にはいろんな知恵が潜んでいることに気づかされるからだ。だから、行政側には逆にその意識を掘り起こす力量というか本気度が試される。図書館の問題も結局は同じこと。この講演会が行政と住民を結びつけるきっかけになってくれれば。あと、既成観念にとらわれないという点で言えば、宮沢賢治の関係図書は2次資料や映像記録、マンガ、翻訳本、研究書など100%の"賢治" 図書館を目指すとか…」
第4回目の「図書館と私」シリ−ズのオンライン講演会は当市出身の童話作家で、最新作『岬のマヨイガ』の映画化や劇化などで注目されている柏葉幸子さんをお招きし、4月中の開催を予定している。なお、澄川さんの講演録画は「まるごと市民会議」のファイスブックで公開する。
(写真は資料に埋まった自室から講演する澄川さん=28日午後、パソコン画面から)