ウクライナ危機と東日本大震災―そして、82歳の老残と…、一方では「弾に もマケズ」の愚劣パロディも〜懸念される言語中枢の崩壊!?:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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ウクライナ危機と東日本大震災―そして、82歳の老残と…、一方では「弾に もマケズ」の愚劣パロディも〜懸念される言語中枢の崩壊!?
2022.03.11:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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ジェノサイド(大虐殺)の予感さえ漂うウクライナ危機の中で、日本は東日本大震災(3・11)の大災厄から11年目を迎えた。82年前のこの日、私はあの大戦へと向かう暗い時代のただ中で「生」を受けた。まるで、呪(のろ)われたような”出自”に時折、ハッとすることも。その面影さえ記憶にない父は結局、戦地(ロシア領シベリアの捕虜収容所)から戻ることはなかった。そして今、私はテレビが伝える海の向こうの戦禍の惨状を目で追いながら、瓦礫(がれき)の荒野と化した沿岸被災地の写真を繰っている。すっぽりと重なり合うその光景に改めて、おののいてしまう。
世紀末のような今の時代をこれから、どうやって生きていったらよいのか…。逡巡(しゅんじゅん)する気持ちが行ったり来たりする。「な〜に、これまで生かされてきたんだから、今さら死に急ぐ必要はないさ」―。老友のささやきを背中に聞いたような気がした。
「戦争に傾斜するグロテスクな時代を招くに至ったのは、われわれ老人が、平和の恩恵のなかに安閑(あんかん)と暮らしてきたからだ。その罪を思えば、すこしくらい身体にむりをさせても、若者不在の空白を埋めなければならない。広場や街頭に若者たちがまた姿をあらわすまで、それまでが叛逆老人の役割なのだ。いのちの未来のために、老人たちは今日も行く」―。老友にして畏友のルポライター、鎌田慧(83)は『叛逆老人は死なず』の中にこう書いている。
大国による軍事侵攻(戦争)や感染症パンデミック、地球温暖化と猛威を振るい続ける自然災害……。「もう少し、生き抜いてみようじゃないか」。82年前と何が変わったというのか。何も変っていないではないか。いや、むしろ醜悪に、だから……
(写真は11年前の東日本大震災の被災現場。ウクライナの今と見まごう光景である=2011年3月、岩手県大槌町で)
《追記ー1》〜「3・11」に合わせ、花巻市議会がウクライナへ支援金
発議第1号として、今月4日に「ロシアのウクライナへの軍事侵攻に断固反対する」―決議を可決した花巻市議会は予算特別委員会最終日の11日、ウクライナ大使館を通じて、支援金を送ることを代表者会議で決めた。議員のひとりは「複雑な心境で迎えた震災11年目」として、その気持ちをフェイスブックに投稿した。
「東日本大震災の際には世界各国から支援金・義援金をたくさん、いただいた。毎日のウクライナ侵攻の報道にはただただ、怒りと涙が止まらない。だけど、怒りの矛先は”ロシア人”であってはならない。ロシア人の中にも、ウクライナのために活動している人もいる。ロシア軍の中にも、侵攻しながらウクライナ人を助けようとして、仲間のロシア軍人に射殺された人もいる。過去と現在進行形の、色々な形で失われた命…」
《追記―2》〜「弾にもマケズ」…なにが「良いですね」―だって!!??
当地花巻が生んだ詩人で童話作家の宮沢賢治の有名な詩「雨ニモマケズ」はパロディに改作されるなど今でも引っ張りだこ。たとえば、数年前に話題になった、受験地獄をもじった「雨にもアテズ」には思わず、クスッとしてしまうウイットがある。
「立派な自分の部屋にとじこもっていて/東に病人あれば、医者が悪いといい/西に疲れた母あれば、養老院に行けといい/南に死にそうな人あれば、寿命だといい/北にけんかや訴訟あれば、ながめて関わらず/日照りの時は冷房を付け/みんなに勉強勉強といわれ/叱られもせず、怖いもの知らず/こんな現代っ子に誰がした」(詠み人知らず)
ウクライナ危機が予断を許さない今月8日付で市HPに「人道危機救援金」の募金告示が掲載された。さっそく、「素晴らしいイニシアテイブ!宮沢賢治にならって、『弾にもマケズ』救援基金と名付けたらいかが?」というコメントが寄せられた。上田東一市長は自らのフェイスブックで「それも良いですね」と応答した。日々、人命が失われていく戦禍の中、この無神経きわまりない語呂合わせに体が震えた。賢治の理想郷「イ−ハト−ブ」の首長の、これが素顔である。「北ニケンクヮヤソショウガアレバ/ツマラナイカラヤメロトイヒ」…。賢治は詩の中でこう叫んでいる。
《追記―3》〜“コロナ”会食の副市長が退任、後任は「職員皆」発言??
岩手県緊急事態宣言下の昨年8月、親族らと外食したとして減給処分を受けた藤原忠雅・副市長が任期を1年残し、3月31日付で退任することが花巻市議会3月定例会最終日(16日)で了承された。藤原副市長は「一身上の都合」としただけで、例の一件には触れなかった。後任の副市長には松田英基・総合政策部長が昇格する。「上田(東一)市長を支え、職員皆と協力し…」という松田部長のあいさつにびっくり(もう、トップにならって”上から目線”?)。後期高齢者の私などにとっては「国民皆」とは“皇室言葉”として刷り込まれているからである。「弾にもマケズ」発言に無邪気に「いいね」を押す上田市長を筆頭に、上層部の言語中枢はメルトダウン(崩壊)しつつあるのではないか。
《追記―4》〜「聞く耳を持たない」と副市長が退任
滋賀県野洲市は17日、川口逸司副市長(72)が任期途中の31日付で退任すると発表した。川口氏は17日の市議会会派代表者会議で「体力的な衰えを感じた」と理由にふれたが、市民病院整備計画を中断している栢木進市長との不和が背景にあるとみられる。