<「まるごと賢治」コ―ナ―の設置〜まばゆいばかりの”人脈図”> 〜IHATOV・LIBRARY(「まるごと賢治」図書館)の実現を目指して(その1):はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
<「まるごと賢治」コ―ナ―の設置〜まばゆいばかりの”人脈図”> 〜IHATOV・LIBRARY(「まるごと賢治」図書館)の実現を目指して(その1)


 

 2年前、花巻城址と背中合わせだった旧花巻病院の病棟群が解体され、目の前に広々とした空間が現れた瞬間、まるで宮沢賢治がこの地に降臨したのではないかという錯覚を覚えた。賢治がこよなく愛した霊峰・早池峰がキラキラと輝きながら、雲間に浮かんでいた。その足元の病院跡地にはかつて、賢治が教鞭を取った稗貫農学校(花巻農学校の前身)が建っていた。「日ハ君臨シ/カガヤキハ/白金ノアメ/ソソギタリ…」―。市民の歌として親しまれている「精神歌」(賢治作詞)は、”桑っこ大学”の愛称で呼ばれたこの校舎でうぶ声をあげた。

 

 IHATOV・LIBRARY(「まるごと賢治」図書館)構想はこんな情景の中から、まるでそうあるべきだという風な自然な形で姿を現した。「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治は自らを“現象”と位置づけているから、言ってみれば永遠に不滅の存在である。そんな賢治を“実験”してみたいと思う。以下にこの構想を素描する。

 

 

 

 賢治を「師」と仰いだ人材は世界各国にキラ星のように存在する。例えば、原子物理学者の故高木仁三郎さんが反原発運動の拠点である「原子力資料情報室」を立ち上げたのは賢治の「羅須地人協会」の精神に学んだのがきっかけだった。また、アフガンでテロに倒れた医師の中村哲さんの愛読書は『セロ弾きのゴーシュ』で、絶筆となった自著のタイトルはずばり『わたしは「セロ弾きのゴ−シュ」』ーだった。さらには、シンガーソングライターの宇多田ヒカルのヒット曲「テイク5」は『銀河鉄道の夜』をイメ−ジした曲として知られる。

 

 一方、戦後最大の思想家と言われた故吉本隆明さんに至っては「雨ニモマケズ」を天井に張り付けて暗唱していたというから、「賢治」という存在がまさに、“エイリアン”(宇宙人)のように思えてくるではないか。こうしたほとばしるような「人脈図」がひと目で分かるようなコーナーを設置し、賢治という巨木がどのように枝分かれしていったのかーその思想の全体像を「見える化」したい。

 

 「夢のような一幕物語から始めたい」―。宇宙物理学者で賢治研究家でもある故斎藤文一さんの著『愛と小さないのちのトライアングル』(2007年)の書き出しはこう続く。「イ−ハト−ブという名の地に三つのいのちが集まったという話である。三つのいのちが一つになり、楽器になった。やがてその調べは小さな物語となり、波となり、まわりに共鳴の輪を描き、風をはらんで広がった。どこまでも」―。サブタイトルには「宮澤賢治・中村哲・高木仁三郎」の名前が記されている。3人が奏でる“イーハトーブ交響曲“が文中から聴こえてくるような気がする。以下のような美しい歌声とともに…

 

 「イ−ハトヴとは一つの地名である。強て、その地点を求むるならば、大小クラウスたちの耕していた、野原や少女アリスが辿った鏡の国と同じ世界の中、テパ−ンタ−ル砂漠の遥かな北東、イヴン王国の遠い東と考えられる。実にこれは著者の心象中に、この様な状景をもって実在したドリ−ムランドとしての日本岩手県である」(『注文の多い料理店』広告チラシ)―。賢治は自らの理想郷(イ−ハト−ブ)を称して、ずばり“夢の国”(ドリ−ムランド)と呼んでいる。私はこの地に「賢治ワ−ルド」をいっぱい詰め込んだ“夢の図書館”の実現を夢見ている。

 

 

 

 

《註》〜今こそ、真の図書館論争を!!??

 

 「駅前か病院跡地か」―。新花巻図書館の立地場所の選定が最終段階に入り、12月中旬までにはどちらかに決まる見通しになった。しかし、「どこに」という“立地論争”が先行する余り、肝心の「どんな」という図書館像をめぐる論議が置き去りになった感がぬぐえない。駅前立地を主張する市側は「賢治コーナー」を新たに設置するとしているが、これまでなかった方が不思議というもんである「IHATOV・LIBRARY」ではベートーベンを気取ったあの賢治とあちこちで遭遇すること請け合いである。銀河宇宙からひょいと舞い降りた、おらが賢治さんと…

 

 

 

 

(写真は稗貫農学校で教鞭を取っていた当時の賢治=インターネット上に公開の写真から)

 

 

 

 

《追記―1》〜パワハラとカスハラの”両刀使い”はどうするの…市民に対する逆「カスハラ」!!??

 

 

 賢治が建国した「イーハトーブ」の当代盟主、上田東一市長はパワハラの常習犯として知られるが、6月定例市議会ではその返す刀で「あるブロブは全部ウソだ」と発言。当ブログを名指しするかのようにまさに「カスタマーハラスメント(カスハラ)」(職員への暴言、不当要求などの迷惑行為)まがいの”嘘つき”暴言を浴びせた。

 

 ところで、21日付「岩手日報」は一面トップで「カスハラ 県内19市町村が対策」とデカデカと報じた。当市も名札の表記変更などの対策を取っていることを知った。思わず、「ケッ」と笑った。ハラスメントなどの公益通報制度を定めた当市の「不正防止に係る内部通報に関する規程」は通報者の名前が市長に筒抜けになるザル法同然だったこと明らかになった(16日付当ブログ参照)。そういえば、「うそ八百」発言の兵庫県知事自身のウソも日々、暴露されている。彼方からも此方からも目を離せない。

 

 

 

 


2024.07.20:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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