建設プロと行政との”図書館”像の雲泥の差…その背後には一体、何が〜静岡県立図書館は計画の見直しへ!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
建設プロと行政との”図書館”像の雲泥の差…その背後には一体、何が〜静岡県立図書館は計画の見直しへ!!??


 

 「花巻駅の既存駅舎、計画されている東西自由通路の図面があれば提供していただきたい」、「JR東日本花巻駅と屋根や空中デッキなどで接続することを計画してもよろしいでしょうか」―。新花巻図書館の「整備基本・実施設計」業務にかかる「公募プロポーザル」について、これまでに約40社から応募するに際しての質問が寄せられ、その数は252項目に上るなど関心の高さがうかがわれる。とくに、注目されるのは現在計画が進められている「JR花巻駅橋上化(東西自由通路)」との関係性(”紐づけ”)に対する問い合わせである。

 

 駅橋上化事業は西口駅前の整備費を含めて、総事業費は44億円余と試算され、合併特例債を充当することによって、市側の実質負担額は約7・7億円と見積もられている。令和10年度後半の供用開始を目指し、令和8年2月頃から工事に着手するとしている。この駅橋上化事業と背中合わせの位置に建設が予定されているのが新花巻図書館である。近接するこの二つの巨大プロジェクトの関係性に建築プロが注目しないわけはない。プロにとっての“建築美学”とは双方が相まって、相乗効果を発揮できかどうかである。上記質問のねらいもそこにあるのだが、市側の回答は―

 

 「現在、進めているJR花巻駅東西自由通路(駅橋上化)整備事業とは別の計画として提案してください」とけんもほろろの回答である。思い出すではないか。いまから8年前の2017(平成29)年7月10日、文書開示請求によって「最大スペックのラフデザイン」と名づけられた花巻市作成のイメージ図がJR盛岡支社に提供されたことが明らかになった(1月16日付当ブログ参照)。現在、新図書館の建設が予定されている駅前のスポーツ用品店敷地跡に描かれた当時の図書館像が図面上、二階部分で橋上駅と通路で繋がっているのが見て取れる。この二大プロジェクトが当初は「ワンセット」構想だったという動かぬ証拠である。

 

 今回の公募プロポーザルに際しても実際に「花巻駅と図書館の二階レベルを接続するような計画はありますか」という質問が寄せられている。これに対し、市側は「接続する計画はありません」とにべもないが、なぜ一度は「ワンセット」構想を思い描きながら、一転してこの構想に背を向けるようになったのか。建築プロの“常識”になぜ、これほどまでに抵抗しなければならないのか。

 

 駅前に出現する予定のこの2大プロジェクトが「別物でなければならない」―という何か別の事情でもあるのだろうか。表向き、「JR」主導型の行政と受け取られかねないことを懸念する「別物」論の背後にはこのナゾ解きに役立ちそうな市長発言がある。上田東一市長は一貫して、この発言の真意について口を閉ざし続けてきたが、今となっては逆に“藪から棒”の体(てい)をなしつつある。つまり、”本音”が耳元に聞こえてくるような気配を感じるのである。みなさんもこのナゾ解きに挑戦してみてはいかがですか。

 

 

●「JRは花巻駅の橋上化をやりたいと思っており、橋上化の話が進めば、土地の売買について真剣に話をしてくれる可能性はある。橋上化がなくなった際には、駅前に図書館を建設することについてもどうなるか分からない」(令和4年6月開催の市政懇談会での発言)●

 

 

 ちなみに、橋上化事業に伴う新駅舎と東西自由通路の本体部分に要する費用は合併特例債による補てんがあるとはいえ、全額が市の負担。JR負担分は既存こ線橋の撤去費用だけで、「これでは市がJR側に新駅を作ってやるようなものではないか」という批判が以前からくすぶっていた。

 

 

 

 

(写真は公募プロポーザルについての議員説明会。その不透明性に質問が相次いだ=8月1日午後、花巻市議会委員会室で)

 

 

 

《追記》〜静岡県立図書館も計画見直しに

 

 図書館建設の反対を争点にした市長選で勝利した静岡県伊東市の田久保真紀市長が学歴詐称問題で揺れる中、今度は静岡県立図書館が補助金の減額によって、計画の大幅な見直しを迫られる事態になった。公共施設に対する国の補助制度は財源難の中で厳しさを増しており、当市の新図書館問題も”対岸の火事”と安穏できない情勢になってきた。詳しくは以下から。

 

静岡 新しい県立図書館 財源不足で計画見直しへ - NHKオンライン

 

財源不足で新県立図書館整備計画見直し 静岡県教育長が陳謝 ...

 

新県立中央図書館の財源不足問題で教育長に再発防止策の策定 ...

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ〜カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


2025.09.03:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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