補助金の「減額」ショックが現実に…新図書館の「駅前立地」に暗雲〜上田失政に小原現市長の“不決断”が追い打ち〜騙(だま)された西口住民!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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補助金の「減額」ショックが現実に…新図書館の「駅前立地」に暗雲〜上田失政に小原現市長の“不決断”が追い打ち〜騙(だま)された西口住民!!??


 

「4億3818万5千円−1億6168万2千円」=▽2億7650万3千円

 

 電卓がはじき出したこの数字を見て、“図書館迷走劇”のツケが一気に噴き出したと思った。この数字の算式は駅橋上化事業や新花巻図書館など駅前開発にかかる国庫補助金(第1次)の要望額と実際の内示額との単純な引き算であるが、目の前に現れたこの大幅減額が現場を直撃しつつある。現に西口広場の整備費など橋上化関連の予算約1億5千万円の計上が見送られた。そもそも、この事業は「駅西口にも改札口を…」という西口住民の切なる願いから始まったはずだった。「一般財源を充当してでも急がなければならないのが、広場の整備ではないのか」―。こんな怒りの声がもれ聞こえてくる。

 

 その一方で、新図書館の建設問題が浮上したのはもう10年以上も前にさかのぼる。過去三代にわたる市政運営が健全に執行されていたなら、もうとっくに「賢治の里」にふさわしい図書館が産声を挙げていたはずである。「補助金」行政にどっぷりつかってきたイーハトーブはなまきは今、まさに崖っぷちに立たされている。

 

 「今回の内示額が要望額より2億7,650万3千円も少なかったということになります。今後、補助金の増額が見込めるという保証はあるでしょうか。仮に充分な国の支援が受けられなかった場合はどう対処しようと考えていますか。単純に言えばその分、市の負担つまり私たち住民の税負担が増えるということになります。これからも国におんぶに抱っこの合併特例債に頼っていくということでしょうか」―。この日(6月16日)に開催された市議会3月定例会の一般質問で、羽山るみ子議員(はなまき市民クラブ)はいきなり、こう切り込んだ。

 

 これに対し、小原勝市長は「イラン戦争など世界情勢の成り行きを注視しつつ、コスト削減できる部分については見直しをしたい。一方、一日も早いオープンを望む市民も多いので、国への要望活動を粘り強く続けたい」と答えるに止まった。他方、現場を預かる蛭田健次・建設部長は「現下の目まぐるしい情勢下、今後の補助金確保については明言を避けたい」と慎重に言葉を選び、前途が多難であることをほのめかした。現場責任者の発言は限りなく重い。

 

 「旧厚生病院跡地」(大石満雄市政)→「旧総合花巻病院跡地」(上田東一市政)→「JR花巻駅前」(同市政)―。二転三転を辿った迷走劇の中で際立ったのは市民参画手続きを一切無視して、2020(令和2)年1月19日に突然公表された「住宅付き図書館」の駅前立地構想だった。当時の上田市長はその際、「現時点では複合施設部分を除く、図書館本体部分の建設費は20億円強を見込んでいる」(2020年3月定例市議会「市長演述」から)と述べている。

 

 その後、「事業費比較」調査(令和6年10月)で試算された建設費と比較すると、同じ本体部分だけで25億6500万円。わずか5年足らずの間に5億円以上の増額となっている。さらに、これに追い打ちをかけているのが今次のイラン戦争をきっかけとした“オイルショック”。15億円の国庫補助を見込んでいた図書館建設がしょっぱなから、予想以上の大幅減額になった以上、今後の増額もほとんど望み薄になったと言える。「駅前か病院跡地か」という立地論争の以前に“駅前図書館”の立地そのものがまさに、資金面から窮地に立たされつつあるというのが現実である。公共事業の受難劇は全国各地でも続いている。

 

 静岡県は東静岡駅南口県有地に全館移転整備を計画している新県立中央図書館について、令和10年度の完成に向けて、令和4年3月に設計委託契約を締結。令和7年3月末まで基本・実施・修正設計を進めてきたが、国土交通省から「要望に全額応えることが困難である」との連絡があったため、財源不足を理由に整備計画の見直しに追い込まれた(令和8年5月19日付の同県HPより)。当市もすでに公募プロポーザルによって基本・実施設計の業者が選定され、業務が進められているが、肝心の資金不足から静岡県と同じ轍(てつ)を踏まないとは限らない。

 

 県内にも資金難の動きが伝播しつつある。一関市は先月、JR一ノ関駅東口の「NECプラットフォームズ一関事業所」(8・3ヘクタール)の跡地を活用した再開発事業について、事業者の公募を中止したと明らかにした。事業所跡地では民間企業などによる開発を目指し、昨年10月から事業者を公募していた。市によると、公募に応じると表明した事業者の計画が市の要件に合わず、中止を決めたという。物価高騰などの影響を理由に挙げている。これにより、来年に予定していた再開発事業の工事の着手が遅れる可能性が高まっている。

 

 「タラレバ」は許されないが、2年前の2024(令和6)年3月、「病院跡地」が約3億2千万円で正式に市有地に編入された時点で、当初計画通りに当該地に図書館を立地してさえいれば、いまのような逆風にさらされないで済んだのは言うまでもない。「駅前に新しい土地を取得するのは税金の無駄使いではないのか」ー。こんな草の根の声を無視して、市側は駅前立地を強行しようとしている。「国の支援の先細りが懸念されている今度こそ、市有地の病院跡地へ…」。小原市政の”聞く耳”の正体が試されている。「なぜ、これほどまでに『駅前』にこだわり続けなければならないのか」

 

 

 

〈注〉〜この日の羽山議員の質疑の中で、住民の民意を集約するための「住民投票」について、それを実施するための細目条例が制定されていないという驚くべき事実が明らかになった。“民意”をなおざりにした駅前立地に批判が高まる中、「住民不在」の行政運営に市民の怒りは頂点に達しつつある。この件については別途、詳しく報告したい。

 

 

 

(写真は鉄道線路と軒を接する形で建設が計画されている新図書館用地の元スポーツ用品店跡地=花巻市大通りで

 

 

 

 

〈追記〉〜駅橋上化「今昔物語」…アストロターフィングという詐術

 

 目の前の「補助金」騒動を見ているうちに、ちょうど5年前に繰り広げられたテンヤワンヤの暗躍劇の光景が去来した。興味のある方は2021年6月9日付の当ブログをご覧ください。橋上化と新図書館という二大プロジェクトの舞台裏に巣食う魑魅魍魎(ちみもうりょう)たちの姿ががくっきりと浮かび上がってくること請け合いです。

 


2026.06.16:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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