沖縄慰霊の日…平和の詩「本当の幸せ」:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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沖縄慰霊の日…平和の詩「本当の幸せ」
2019.06.23:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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沖縄は23日、県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦から74年目の「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった平和祈念公園(糸満市摩文仁)では沖縄全戦没者の追悼式が行われ、恒例の平和の詩の朗読が会場に響いた。ちょうど10日前の今月13日、花巻市議会6月定例会に提出していた「辺野古・普天間」問題に関する陳情(同日付当ブログ参照)が議員全員の反対で否決されたばかり。この日の朗読詩は糸満市立兼城小6年、山内玲奈さんの「本当の幸せ」―。昭和から平成、令和と流れる時代の中で、「戦争の悲惨さだけでなく、身近な幸せの尊さ」を力いっぱい、訴えた。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論綱要』)―。「本当の幸せ」を希求し続けたのは他でもない、当地・花巻が生んだ詩人の宮沢賢治である。賢治はこうも言う。「人間は他人のことを思いやって行動し、よい結果を得たときに、心からの喜びを感じるものである。その喜びこそ、人間愛に基づく本当の『幸せ』なのである」(『銀河鉄道の夜』)―。賢治の理想郷(イ−ハ−ト−ブ)の実現をスロ−ガンに掲げる議員諸賢は山内さんの詩をどう受け止めたのだろうか。米軍普天間基地の移設先とされる「辺野古新基地」(名護市辺野古)の建設現場では連日、埋め立て用の土砂投入が続けられている。以下に「本当の幸せ」の全文を転載する。
※
青くきれいな海
この海は
どんな景色を見たのだろうか
爆弾が何発も打ち込まれ
ほのおで包まれた町
そんな沖縄を見たのではないだろうか
緑あふれる大地
この大地は
どんな声を聞いたのだろうか
けたたましい爆音
泣き叫ぶ幼子
兵士の声や銃声が入り乱れた戦場
そんな沖縄を聞いたのだろうか
青く澄みわたる空
この空は
どんなことを思ったのだろうか
緑が消え町が消え希望の光を失った島
体が震え心も震えた
いくつもの尊い命が奪われたことを知り
そんな沖縄に涙したのだろうか
平成時代
私はこの世に生まれた
青くきれいな海
緑あふれる大地
青く澄みわたる空しか知らない私
海や大地や空が七十四年前
何を見て
何を聞き
何を思ったのか
知らない世代が増えている
体験したことはなくとも
戦争の悲さんさを
決して繰り返してはいけないことを
伝え継いでいくことは
今に生きる私たちの使命だ
二度と悲しい涙を流さないために
この島がこの国がこの世界が
幸せであるように
お金持ちになることや
有名になることが
幸せではない
家族と友達と笑い合える毎日こそが
本当の幸せだ
未来に夢を持つことこそが
最高の幸せだ
「命どぅ宝」
生きているから笑い合える
生きているから未来がある
令和時代
明日への希望を願う新しい時代が始まった
この幸せをいつまでも
(写真は「本当の幸せ」を朗読する山内さん=6月23日午後、糸満市の平和祈念公園で。NHKテレビから)