コロナウイルス…共感を呼ぶ「メルケル」演説ーそして、足元では”マスク”騒動のお粗末劇:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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ドイツのメルケル首相は3月18日、異例のテレビ演説で、民主主義の下での国民の結束を訴えた。今回のような「パンデミック」危機に際しては、指導者の「言葉の力」こそが将来へ希望をつなぐメッセ−ジになり得る。場当たり的なわが宰相の発言やマスク越しのくぐもった言葉からはそんな「覚悟」や「品格」のひとかけらも伝わってこない。いまほど、リ−ダ−シップの“言魂”(ことだま)が問われている時期はない。以下に「メルケル」演説の要旨を掲載する。
※
私は今日このような通常とは違った方法で皆様に話しかけています。それは、この状況で連邦首相としての私を、そして連邦政府の同僚たちを何が導いているのかを皆様にお伝えしたいからです。開かれた民主主義に必要なことは、私たちが政治的決断を透明にし、説明すること、私たちの行動の根拠をできる限り示して、それを伝達することで、理解を得られるようにすることです。
もし、市民の皆さんがこの課題を自分の課題として理解すれば、私たちはこれを乗り越えられると固く信じています。このため次のことを言わせてください。事態は深刻です。あなたも真剣に考えてください。東西ドイツ統一以来、いいえ、第二次世界大戦以来、これほど市民による一致団結した行動が重要になるような課題がわが国に降りかかってきたことはありませんでした(中略)
この状況が続く限り、唯一できることは、ウイルスの拡散スピードを緩和し、数か月にわたって引き延ばすことで時間を稼ぐことです。これが私たちのすべての行動の指針です。研究者がクスリとワクチンを開発するための時間です。また、発症した人ができる限りベストな条件で治療を受けられるようにするための時間でもあります。ドイツは素晴らしい医療システムを持っています。もしかしたら世界最高のシステムのひとつかもしれません。そのことが私たちに希望を与えています。
しかし、わが国の病院も、コロナ感染の症状がひどい患者が短期間に多数入院してきたとしたら、完全に許容量を超えてしまうことでしょう。これは統計の抽象的な数字だけの話ではありません。お父さんであり、おじいさんであり、お母さんであり、おばあさんであり、パートナーであり、要するに生きた人たちの話です。そして私たちは、どの命もどの人も重要とする共同体です(中略)
私たちは民主主義社会です。私たちは強制ではなく、知識の共有と協力によって生きています。これは歴史的な課題であり、力を合わせることでしか乗り越えられません。私たちがこの危機を乗り越えられるということには、私はまったく疑いを持っていません。けれども、犠牲者が何人出るのか。どれだけ多くの愛する人たちを亡くすことになるのか。それは大部分私たち自身にかかっています。私たちは今、一致団結して対処できます。現在の制限を受け止め、お互いに協力し合うことができます。
この状況は深刻であり、まだ見通しが立っていません。 それはつまり、一人一人がどれだけきちんと規則を守って実行に移すかということにも事態が左右されるということです。たとえ今まで一度もこのようなことを経験したことがなくても、私たちは、思いやりを持って理性的に行動し、それによって命を救うことを示さなければなりません。それは、一人一人例外なく、つまり私たち全員にかかっているのです。皆様、ご自愛ください、そして愛する人たちを守ってください。ありがとうございました。
(写真はテレビ演説で結束を訴えるメルケル首相=インタ−ネット上に公開の写真から)
《追記−1》〜感染拡大…南米・アマゾンにも
コロナウイルスがついに、南米・アマゾンにも上陸したというニュ−スが伝えられている。人類とウイルスとの歴史は古く、自然と共生する生活様式を維持し、感染症への抵抗力が弱かった先住民族の多くを死に追いやった。たとえば、ヨ−ロッパの植民者がもたらした「天然痘」ウイルスによって、米大陸の先住民の95%が死んだという記録も残されている。アイヌ民族も天然痘(疱瘡=ほうそう)を「パヨカカムイ」(病気をまき散らす神)として恐れた。北海道のあちこちに「床丹」という地名があり、アイヌ語表記で「トゥ・コタン」(tu-kotan=消えた・村)を意味する。この地名は天然痘によって全員が死亡し、文字通り「廃村」になったという歴史を刻んでいる。今回の「コロナ禍」は(いわゆる文明人を自称する)人間こそが“寄生獣”(ウイルス)だという事実を図らずも逆照射することにもなった(3月25日付当ブログ参照)
《追記ー2》〜”マスクマン”騒動…3連発の巻
マスクマンの変幻自在ぶりについては、3月25日付ブログのコメント欄を参照願います。