身ぐるみはがされ、すっぽんぽん…コロナ禍のいま、新聞が面白い:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
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身ぐるみはがされ、すっぽんぽん…コロナ禍のいま、新聞が面白い
2020.05.20:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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「しばらくは、離れて暮らす/『コ』と『ロ』と『ナ』/つぎ逢ふときは、『君』といふ字に」(5月11日付「朝日新聞」)―。この短歌に思わず、うなってしまった。「君」という漢字を何度か、なぞってみた。「コ」と「ロ」と「ナ」を組み合わせた結果、「君」という合成語が目の前に姿を現わした。大阪在住の会社員、タナカサダユキさん(56)が大切な人と会えないつらさと未来への希望をこの短歌に託した。「人のふり見て、我がふり直せ」…人類を恐怖のどん底に突き落とした「コロナ神」はひょっとしたら、素知らぬ顔をしてそんなメッセ−ジを発しているのかも。若干、品性にかけるが、なんかもう地球儀のストリップショ−を見るみたい。「すっぽんぽん」が満載の新聞が、だからいま面白い。
東日本大震災の月命日に当たる「5月11日」は本来なら、犠牲者の追悼や復興の進み具合に紙面の多くが割かれるのが恒例だったが、今年は当然のことながら「コロナ」一色。とりあえず、同日付の朝日新聞の見出しを一面から拾い出してみると―
●中国式の「目」10億人追う/コロナ禍、デジタル覇権の影
●吹奏楽コンなど3大会中止
●ワクチン、いつできる?/「時期は見通しにくい」
●世界の感染400万人超
●「新冷戦」コロナが浮き彫り
●バッタ対策、コロナが拒む/アフリカ東部、国連「2千万人が食糧危機」
●感染対策に「追跡」技術/難しい個人情報の排除
●東京五輪延期/アスリ−トのメンタルは
●感染拡大、サッカ−選手の心に影
●おうちごはん、もっと楽に(巣ごもり食事の指南)
●オンラインで一緒に成長/花まる先生(一斉休校の打開策)
●小松左京、現実が後追い/感染症との闘いリアル
●できることから始めましょう!お家でおなかの脂肪対策(外出自粛に伴う製薬会社の広告)
●「歩合制」タクシ−運転手、大打撃
●感染警戒、離島の医療綱渡り/唯一の診療所、医師1人だけ
●#検察庁法改正案に抗議します/2日でツイ−ト470万件
ざっと、こんな具合でタナカさんの短歌は26面で発見。途中で広告欄に目を移すとこんなものも…「山岳信仰の聖地、出羽三山ツア−/自然と信仰が息づく生まれ変わりの旅」。全28面に目を通し終わって、ハタと心づいた。「3・11」関連はゼロではないか。「それにしてもまさか」と紙面を繰り直した結果、あった、あった。21面の岩手版のコラム「3・11/その時 そして」。なんと、この日の記事が通算で3225回目だった。古巣の新聞社が頑張っているのを知り、ほっと胸をなでおろした。あれからもうすぐ、10年になる。当時の惨状がコロナ禍のいまと重なった。
「去るも地獄、残るも地獄」―。あの時、放射能禍を逃れる人々の群れが列島全体に散った。そしていま、「ステイホ−ム」という名の外出自粛が強いられている。放射能(避難)とウイルス(隔離)―もしかしたら、この二つは進化論だけにしか目を向けてこなかった「文明」の落とし子…“文明禍”と言ってもいいかもしれない。
ゴリラ研究専門の霊長学者で京大総長の山極寿一さん(68)は「ポストコロナ」について、こう述べている。「ウイルスが蔓延(まんえん)する時代にどんな社会が強靱(きょうじん)な抵抗力を持つのか。まずは自然破壊の手を緩めることだ。地球は私たちの目には見えない無数の細菌やウイルスがバランスを保っている。それを壊すことが未知のウイルスを呼び出し、家畜や人間の密集に乗じて感染を拡大させる。もし新しいウイルスが襲いかかった場合、それを最小限に抑え、人々の社会的絆を失わない体制を準備しておく必要がある」(5月15日付「朝日新聞」)―
人類が「居場所」を失いつつあるいま、「人間の自然化」あるいは「自然の人間化」の重要性を説いたフランスの社会人類学者、レビィ・ストロ−スの名著『野生の思考』を再読してみたいと思っている。
(写真は「コロナ」の中に「君」を見つけたタナカさんの短歌=インタ−ネット上に公開の写真から)
《追記−1》〜コロナが取り持ってくれた旧友との再会
ちょうど60年前の今日(5月20日)未明、日米安保条約(60年安保)の改定案が数百人の警察官が議場を固める中で、強行採決された。国会周辺のデモの隊列の中に私もいた。いまに至る人生の「原点」であるが、コロナ禍に翻弄(ほんろう)され、節目のこの日を失念してしまっていた。この政治動乱を取り上げた朝日新聞のコラム「天声人語」(5月18日)に懐かしい名前を見つけた。東京国際大名誉教授の原彬久(はらよしひさ=80歳)。安保の“戦友”で、国際関係論のゼミでは机を並べた。のちに、当時の岸信介首相の「オ−ラル・ヒストリ−」(聞き書き=口述歴史)を手がけ、『戦後日本と国際政治/安保改定の政治力学』という大著で法学博士号を取得、日本公共政策学会長なども歴任した。
互いの下宿先を訪ね合い、青臭い“政治論争”を重ねた「安保世代」は彼がプリンストン大学やケンブリッジ大学の客員研究員となって、政治学の道に進み、私は新聞記者を志して以来、音信が不通になっていた。「コ・ロ・ナが君を呼んでくれたんだな」―と旧友の名前をしみじみと眺めた。安保闘争の責任を取って、岸元首相は約1ケ月後に退陣を表明。コロナ対策で迷走を繰り返す安倍晋三首相はこの人の孫にあたる。検察庁法改正の今国会成立を断念したいまこそ、祖父の“引き際”に学ぶべき時ではないか。20数回に及ぶ旧友の証言録の中にはその道筋が示されている。「声なき声を声あらしめなければいかん、ということは年をとってくればだんだん、わかるんだが」―。旧友はコラムの中で、元首相のこんな言葉を紹介している。
《追記ー2》〜バカもんが!?土下座してあやまれ!!!
当ブログで古巣の新聞社を持ち上げたとたん、政権の太鼓持ちとうわさされる黒川某(弘務検事長)と新聞記者が賭けマージャンをしていたという”文春砲”が飛び込んできた。緊急事態宣言下のしかも”三密賭博”。その中のひとりが後輩記者だとか。私が記者だった当時は、”辺境”(現場)から、権力に対して”ゲリラ戦”を仕掛ける―というのがプロとしての冥利(みようり)だった。反吐(へど)が出るとはこのこと。コロナ禍でのマージャンの作法について、経団連などがまとめた指針によると、「卓からイスを離し、対人距離を確保する」とある。でどうやって、牌(パイ)に手を伸ばすんだろうね。もともと、腰の落ち着かない”へっぴり腰”だったお前らにはぴったりのポーズだがね。黒川某が辞意!?当たり前だろ。コロナ禍を機に日本の政治は足元の市政も含めて一切合財、いったんチャラにした方が良さそうである。