「図書館」論戦第3弾…”密室”行政の正体とは〜市民への告知もスル―、ステークホルダ―”疑惑”も:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ
はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ |
「図書館」論戦第3弾…”密室”行政の正体とは〜市民への告知もスル―、ステークホルダ―”疑惑”も
2023.06.21:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
▼この記事へのコメントはこちら
|
ゲストさんようこそ
合計 40人
■記事数
公開 3,360件
限定公開 0件 合計 3,360件 ■アクセス数
今日 1,261件
昨日 12,000件 合計 18,145,634件 |
「盗人たけだけしい」とか「語るに落ちる」とはたぶん、このことをいうのだろう―。花巻市議会6月定例会一般質問3日目(21日)の「図書館」論戦第3弾に耳を傾けながら、上田東一市長の品格の卑しさだけが印象に残るという後味の悪さが今もまとわりついている。
この日、羽山るみ子議員(はなまき市民クラブ)は新図書館に関し、「約6年ほど前から、JR東日本盛岡支社と市側の担当部署とで構成する非公開の組織が存在していた。どのような目的で作られ、何を協議してきたのか。非公開にした理由は何か」とただした。これに対し、市側の構成メンバ−である市川清志生涯学習部長と佐々木賢二建設部都市政策・都市機能整備担当部長がその存在を認め、以下のように答弁した。それによると―
この非公式組織は「花巻市まちづくり勉強会」と「花巻駅周辺整備調査定例会」の二つで、前者は平成29年6月から同30年10月まで10回開催、後者は平成29年から同30年8月まで9回開催。両部長はこう答えた。「新図書館と駅橋上化を抱き合わせた形での駅周辺整備についての情報交換をした。事務レベルの打ち合わせだったので、公表する必要はないと考えた」―。一方、この非公開資料の中に「花巻新図書館プロジェクト」計画資料(案)と表題だけ書かれ、肝心の中身が22ページにわたって、黒塗りになっていることについて問われた市川部長は「ご指摘の資料が何なのか定かではない」とはぐらかした。
こうした“密室”での話し合いが突然、青天の霹靂(へきれき)のように姿を現したのが「新花巻図書館複合施設整備事業構想」(令和2年1月29日)、いわゆる「住宅付き図書館」の駅前立地構想だった。「まさに寝耳に水」の出来事に市民や議会は怒り、その年のうちに「住宅」部分は白紙撤回に追い込まれた。この”驚天動地”の撤回劇をきっかけに、その後の図書館問題は迷走状態を続けることになる。
「大元の『賑わいある図書館』というところから、借地(50年間の賃貸借)プラス複合施設ということを想定して協議させていただいてきたと認識している。その後だんだん、(JR)用地を買うことを検討するとか、図書館単体という形など状況が色々変わってきているので、根本的な部分が心配である。いざ、建てる時になった時点で何か話が違うということになるのが怖い」(令和2年10月)―。私が開示請求した同じ文書には市側の対応に怒りをにじませるJR側の生々しい言葉が残っている。
「この時の一件がJR側に不信感を植え付けたのではないか。市長自身がそのことを認めている。その上でなお、駅前立地にこだわる理由が分からない。もう、その方向で決まっていると勘ぐってしまいたくなる。公式なデータでは病院跡地を望む市民の方が多い」と羽山議員が追い打ちをかけると、上田市長は檄した口調で声を荒げた。「変な勘ぐりは止めてほしい。であるなら、逆にその根拠を示してほしい」。羽山議員がさらに「JR側が今般、土地譲渡交渉に応じる態度を表明したというが、それはいつなのか」と迫ったのに対し、市川部長は「6月13日にメールで連絡をもらった」と答弁。「だとするなら、今議会初日(16日)の行政報告で公表すべきではなかったか」と食い下がったが、上田市長が「その時点では書類による正式な回答ではなかった」と切り捨てた。一事が万事…
身から出たさびとはいえ、上田市長は「住宅付き」図書館の白紙撤回を境に人が変わったようにこれまでの”密室”主義を転換、一見「市民の声」に耳を傾けるようになった(みたいだった)。相次ぐWS(ワークショック)の開催、市民や各種団体、高校生などを対象にした説明会…。そして、2年前には大方の市民の"お墨付き”を得るための「新花巻図書館整備基本計画試案検討会議」の結成にまでこぎつけた。「今後は市民の皆さんの意見を最大限に尊重して、進めていきたい」―。口を開くたびにこう話す上田市長の鎧の下から、今度は検討会議という名のもっともらしい”忖度”組織の陰がうごめき始めていた。
何のことはない。私が“1・29”事変とあえて呼ぶ「住宅付き図書館」の駅前立地という秘密主義(トップダウン)のツケが3年前に白日の下に晒されたということにすぎない。そして、「市民」をないがしろにすることの危うさを警告してくれたのが交渉相手のJR側だという皮肉な展開にも妙な感慨を覚えてしまう。こうした”機微”(きび)に気が付かない(あるいは気が付かないふりをしている)上田市長に対し、だから失礼を顧みずに冒頭の警句を献上するものである。さぁ、「JR交渉」の第2幕の幕開けである。目を見開いて、今度こそ騙されないように…。問われているのは実は図書館とか橋上化などという政策以前に「上田流」強権支配の実像なのである。「上から目線」の行政のなれの果ての姿がここにある。
(写真は上田市長の“密室”行政を追及する羽山議員=6月21日午前、花巻市議会議場で。インタ−ネット中継の画像から)
《追記》〜”絶望市民”を名乗る方からのコメント
6月20日付当ブログの「追記ー1」で指摘されている人物は公益財団法人花巻国際交流協会「理事長」の肩書で、新花巻図書館整備基本計画試案検討会議の委員に名前を連ねているようです。これが事実なら立場上「ステークホルダー」(利害関係者)に該当し、不適切な人選ではないでしょうか。検討会議の会議録を確認した結果、この人物は上田市長が進める新図書館の駅前立地に賛成の立場のようです。