「議員ファースト、やめて」…議員報酬引き上げに再考を求める陳情書を提出!!??:はなめいと|岩手県花巻市のコミュニティ

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「議員ファースト、やめて」…議員報酬引き上げに再考を求める陳情書を提出!!??


 

 議員報酬の引き上げに関する陳情書を22日に提出した。ここに至るまでの経緯には重要な前段があった(詳しい顛末は7月13日付当ブログ参照)。去る7月9日、何の前ぶれもなく突然、最大幅で月額10万円のアップ案が市民説明会で示された。そのちょうど1カ月前の6月10日、5年以上に及んだ新図書館問題について、議会側は賛成16反対8の賛成多数で市側の「駅前立地」にゴーサインを出した。「駅前か病院跡地か」―。市民を二分した“立地”論争について、ある議員が賛成討論に立った。「いつまでやってんのか」ー。選良としての品位を疑わせる発言にびっくりした。

 

 その余韻が冷めやらない中で、今度は「報酬引き上げにご理解を」と議員一同が頭を下げている。市民をどこまで愚弄(ぐろう)するつもりかと強い憤りを抱かざるを得ない。そんな中、旧花巻病院跡地への図書館立地を求めている市民グループは全議員(25人=欠員1人)を対象にアンケート調査(公開質問状)を実施したが、半数以上の14人が回答を拒んだ。「市民の信託を受けた市の代表機関」(「議会基本条例」前文)が機能していないことを思い知らされた。「議員は市政全般についての課題及び市民の意見、要望などを的確に把握するとともに…」―。同条例(第5条)は「議員の活動原則」について、こう定めている。

 

 「日ハ君臨シ カガヤキハ/白金ノアメ ソソギタリ/ワレラハ黒キ ツチニ俯シ/マコトノクサノ タネマケリ」―。稗貫農学校(現花巻農業高校の前身)の教師時代、宮沢賢治は校歌がなかった生徒たちのために自ら作詞した「花巻農学校精神歌」を送って励ました。銀河宇宙を突き抜けるような清冽(せいれつ)なこの歌はいまでは“市民歌”としても親しまれている。ちなみに、現職の中にはこの学び舎の門をくぐった同窓議員が複数人いる。「そこで学んだはずの“賢治精神”は一体、どこに…」と問いたい。ついでに言うと、「駅前立地」へは諸手を挙げた、これらの同窓議員はそろって、アンケートへの回答は拒否している。

 

 花巻市は将来都市像を高らかにこう謳っている。「豊かな自然/安らぎと賑わい/みんなでつなぐ/イーハトーブ花巻」―。受難者に寄り添うというこの精神、つまり「公共への献身」を全議会人で共有して欲しいと切に願いたい。市議としての「原点」に立ち返り、報酬のあり方そのものを市民とともに再考する真摯な論議を心から期待したい。なお、今回の陳情は9月29日開催(予定)の「市議会議員報酬調査検討特別委員会」(高橋修委員長)に付託され、審議される。

 

 

 

<議員報酬引き上げに関する陳情書>

 

 

件名: 議員報酬引き上げに関する市民説明と意見聴取の徹底について

 

趣旨:議員報酬を月額339,000円から最大幅で439,000円へ引き上げる提案について、花巻市議会基本条例およびまちづくり基本条例の理念に基づき、市民への十分な説明、意見聴取、透明な手続きの確保を強く求めます。あわせて、厳しい経済情勢と市民感情をふまえた再考を要請いたします。

 

理由:物価高と円安の影響により、市民の暮らしは極めて厳しくなっています。食品価格は高騰し、実質賃金は過去3年間低下が続いています。光熱費や生活必需品の支出に苦しむ市民にとって、議員報酬の10万円増額は「議員ファースト」と捉えられても仕方がありません。市民に選ばれた議員が、自らの報酬を引き上げることには極めて高い説明責任が伴います。ところが、これまでの議論は十分な情報開示もないまま進められており、多くの市民が経緯を把握できないまま、報酬引き上げが先行した形です。

 

 花巻市議会基本条例第24条第2項は、報酬改定時に「市民の意見を参考にすること」を定めており、第8条・第9条も説明責任と応答責任を明示しています。また、まちづくり基本条例でも、市民参加による熟議と合意形成が原則とされています。一部で「市民説明会」が実施されたとはいえ、広報の範囲や議論の中身は不十分で、議員一人ひとりの賛否理由すら説明されていない現状では、市民の納得には到底つながっていません。

 

 このまま拙速に議決すれば、議会そのものへの信頼が大きく損なわれかねません。報酬引き上げに先立つべきは、まず信頼の回復であり、十分な説明と参加の機会です。

 

要望事項

1.報酬引き上げの根拠資料や審議経過の全面公開

2.議員個々の賛否理由の説明責任の履行

3.市民が参加可能な説明会や意見交換会の再実施

4.パブリックコメントなど市民意見を反映する制度の導入

5.現下の経済状況をふまえた慎重な再検討

 

 本件は、報酬額の問題にとどまらず、議会制度の信頼と正統性に関わる重要課題です。市民の声に真摯に向き合い、開かれた議論を尽くすことを強く要請いたします。

 

 

 

 

 

(写真は報酬引き上げを協議する報酬特別委員会=8月1日午後、花巻市議会委員会室で)

 

 

 

≪追記≫〜misunderstanding

 

 「市政堂」を名乗る方から、議員報酬にからんだ次のようなコメントが寄せられた。

 

 「『市民の大切な税金を預かっている』―。以前は市長の口から何度かこのセリフが発せられたが、このところ、とんと聞かなくなった。市長擁護の議員たちに囲まれ、市民の税金を好きなように使おうとしているように見受けられる。そもそも市長をはじめ議員たちの報酬は、誰のおかげで手にしていると思っているのか?市民の税金ではないか!多くの市民の声に耳を傾けることもなく、チェック機能を持たない議員たちの必要性に疑問を持つ」

 

 

 

 

 

 

★オンライン署名のお願い★

 

 

 「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。

 

 「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。

 

 私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

 

 

●オンライン署名の入り口は以下から

 

https://chng.it/khxdhyqLNS

 

 

●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ

・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba

 

・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/

 

・おいものブログ〜カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/ 

 

 

 

 

 


2025.08.22:Copyright (C) ヒカリノミチ通信|増子義久
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