▼沖縄慰霊の日…平和の詩「本当の幸せ」
沖縄は23日、県民の4人に1人が犠牲になった沖縄戦から74年目の「慰霊の日」を迎えた。最後の激戦地となった平和祈念公園(糸満市摩文仁)では沖縄全戦没者の追悼式が行われ、恒例の平和の詩の朗読が会場に響いた。ちょうど10日前の今月13日、花巻市議会6月定例会に提出していた「辺野古・普天間」問題に関する陳情(同日付当ブログ参照)が議員全員の反対で否決されたばかり。この日の朗読詩は糸満市立兼城小6年、山内玲奈さんの「本当の幸せ」―。昭和から平成、令和と流れる時代の中で、「戦争の悲惨さだけでなく、身近な幸せの尊さ」を力いっぱい、訴えた。 「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」(『農民芸術概論綱要』)―。「本当の幸せ」を希求し続けたのは他でもない、当地・花巻が生んだ詩人の宮沢賢治である。賢治はこうも言う。「人間は他人のことを思いやって行動し、よい結果を得たときに、心からの喜びを感じるものである。その喜びこそ、人間愛に基づく本当の『幸せ』なのである」(『銀河鉄道の夜』)―。賢治の理想郷(イ−ハ−ト−ブ)の実現をスロ−ガンに掲げる議員諸賢は山内さんの詩をどう受け止めたのだろうか。米軍普天間基地の移設先とされる「辺野古新基地」(名護市辺野古)の建設現場では連日、埋め立て用の土砂投入が続けられている。以下に「本当の幸せ」の全文を転載する。 ※ 青くきれいな海この海はどんな景色を見たのだろうか爆弾が何発も打ち込まれほのおで包まれた町そんな沖縄を見たのではないだろうか緑あふれる大地この大地はどんな声を聞いたのだろうかけたたましい爆音泣き叫ぶ幼子兵士の声や銃声が入り乱れた戦場そんな沖縄を聞いたのだろうか青く澄みわたる空この空はどんなことを思ったのだろうか緑が消え町が消え希望の光を失った島体が震え心も震えたいくつもの尊い命が奪われたことを知りそんな沖縄に涙したのだろうか平成時代私はこの世に生まれた青くきれいな海緑あふれる大地青く澄みわたる空しか知らない私海や大地や空が七十四年前 何を見て何を聞き何を思ったのか知らない世代が増えている体験したことはなくとも戦争の悲さんさを決して繰り返してはいけないことを伝え継いでいくことは今に生きる私たちの使命だ二度と悲しい涙を流さないためにこの島がこの国がこの世界が幸せであるようにお金持ちになることや有名になることが幸せではない家族と友達と笑い合える毎日こそが本当の幸せだ未来に夢を持つことこそが最高の幸せだ「命どぅ宝」生きているから笑い合える生きているから未来がある令和時代明日への希望を願う新しい時代が始まったこの幸せをいつまでも (写真は「本当の幸せ」を朗読する山内さん=6月23日午後、糸満市の平和祈念公園で。NHKテレビから)
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2019.06.23:masuko
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