▼対話型「市民会議」の意見集約と「市民アンケート」とのこの乖離のナゾ〜“民意”の正体、ここにあり!!??
   「議会側からも再三要望があったのになぜ、アンケート調査を回避したのか。“民意”はやはり、恣意的に作り上げられたものではなかったのか」―。花巻市は18日付HP上で、5月9日締めきりのまちづくりに関する「市民アンケート」への協力を呼びかけた。対象者は住民基本台帳から無作為抽出した15歳以上の市民2,500人。「生活やまちづくり」「防犯や防災、健康、福祉」など7項目について問う形になっており、この中には「生涯学習や芸術文化」について考えを聞く項目も含まれている。  「駅前か病院跡地か」―。統計学的な「有意性」の観点から見ても到底、「民意」を反映したとは言えない対話型「市民会議」での駅前立地の選択に比べて、「市民アンケート」の回答(回収)率の高さに驚いた。回答は郵送かインターネットを通じて行われるが、過去の回答率は令和6年度が984人(39・4%)、5年度が988人(39・5%)、4年度が1,056人(42・2%)、3年度が971人(44・1%)と40%前後を維持。2年度には1,184人(53・8%)と初めて過半数を超えた。  一方の「市民会議」は同じ方法で抽出した3,500人の中から、参加を希望した「75人」で構成されたことになっている。会議への参加を表明した回答率はわずか2%余りで、市民アンケートとの差は歴然としている。さらに、4回開かれた会議すべてに参加したのは42人(1.2%)、最終回、ヒアリングシートに実際に記入したのは65人(うち、当日欠席者12人分は後に郵送で受理)に過ぎない。  そうした中、市民団体が「病院跡地」への立地を求めた署名数は市側が精査した数字だけでも約6,000人に上っている。仮に新図書館の建設場所に関し、同じ手法で「市民アンケート」を実施したとすれば、統計学上は明らかに病院跡地の方が上回ったことが容易に予測される。「民意を的確にとらえるためにも市民アンケートが必要ではないか」と議員から問われた際、上田東一市長は「この種の選択に多数決の論理はなじまない」と突っぱねた経緯がある。「(上田市長は)結果が分かっていたからではないか」というのは根拠のない憶測だろうか。  市民会議の皆勤者42人と市人口89,185人(令和7年3月31日現在)を電卓に入力して、割り算をしてみた。0,0004709%…限りなくゼロに近い数字が画面に現れた。新花巻図書館の建設場所の最終決定をした市民の意思表示は芥子(けし)粒みたいにかすんで見えない。結局、ヒアリングシートに記入したわずか65人(こちらは全人口比率0,0007288%)による”多数決”によって「駅前立地」が決まったということである。ちなみに、「病院跡地」への立地を希望した約6,000人の全人口比率は6・7%を数える。この数字は一体、何を物語っているのか。その数字に聞くのが一番、手っ取り早い。上田市長はこうした「数字のマジック」について、以下のように述べている。  「75名中42名の方は4回全てに参加していただきまして、19名の方が3回、6名の方が2回と多くの市民の方に参加いただいたと思っております」(2月19日開催の定例記者会見)ー。しかし、この発言の中では1回しか参加しなかった人が2人、参加を表明しながら、一度も参加しなかった人が6人もいたことには触れられていない。この数字をもって「多くの市民」と言ってのける心性には驚き入るばかりである。これを称して、数字の「マジック」ならぬ「詐術」(目くらまし)と言うのではないのか。  「百年の計」とも言われる文化の殿堂に反映された、これが上田流“民意”の正体である。賢治の理想郷「イーハトーブ」は未来永劫、取り返しのつかない”負の遺産”を背負わされてしまった。なお、新図書館の整備基本計画(案)にかかる最後(4回目)の市民説明会が19日、市内の「まなび学園」で開かれた。     (写真は立地場所について、話し合う市民会議のメンバ―たち=花巻市のまなび学園で、市HPから)      
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2025.04.18:masuko

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