▼政治家とその道を志す方々に読んで欲しい本…まずは『ドウリズムの政治』から〜次期市長選は来年1月25日に!!??
  「僕が何か一言話すたびに猛烈な拍手が起こり、女の人たちはボロボロ涙を流して泣き出し、自分でももう何を話しているのかわからなくなった。限りない感激だった。私は『もうひとつの政治』を発見した気がした。草の根にある政治の芽を見つけたのだ。物言わぬ大衆のなかに、本当に道理の感覚があることを知ったのだ。この人たちを失望させてはならない、期待に応えなくてはならない、と決意した」―  かつて、このまちにこんな思いを政治に託した首長がいた。社会党(当時)の副委員長にまで上りつめた北山愛郎(1905―2002年)である。昭和22(1947)年まで旧花巻町長を2期務めた際の「北山流デモクラシー」の原点がこの「道理主義」(ドウリズム)だった。母親の世代が「アイロ−さん、アイロ−さん」と叫びながら、選挙カ−の“追っかけ”をしていた光景を子ども心に記憶している。北山町政の一部始終はひとり娘の郁子さんが執筆した『ドウリズムの政治』(2010年)にまとめられている。  あれから幾星霜…平成26(2014)年、今度は「花巻に新しい風を」をスローガンに掲げた現職の上田東一市長がその座を射止めた。北山と同じ東京大学法学部を卒業した新市長に対し、私は「同学の先輩の政治哲学をぜひ、市政に生かしてほしい」とこの本を携えてお祝いに駆けつけた。さらにそれから10年有余、上田市政の4期目を控えたいま、来年1月の市長選に向けた動きが慌ただしくなってきた。すでに、新人3人が出馬の意向を表明し、現職は沈黙を守ったままである。  『なぜ豊岡は世界に注目されるのか』というタイトルの本が私の手元にある。著者は兵庫県議会議員を3期務めた後、2001年から豊岡市長を5期20年間務めた中貝宗治さんである。「コウノトリ『も』住めるまちを創る」―をモットーに掲げる中貝さんは人口減少社会を生き抜く地方都市の方向性について、こう書いている。ちなみに、同市には「コウノトリ共生推進課」があり、”コウノトリのまち”として知られている。  「地方に暮らす突き抜けた価値の創造、生きる場としての突き抜けた魅力の創造。そのキーワードは『深さと広がり』。旗印は小さな世界都市(Local&Global−City)です」―。市内に現存する「出石永楽館」(1901年建立)は近畿地方で最古の芝居小屋で、永楽館歌舞伎の舞台でもある。空前のブームをわき起こしている映画「国宝」(2025年6月公開)の舞台シーンもここで撮影され、一躍注目を集めた。「県立芸術文化観光専門職大学」(4年制)を創設するなどその芸術・文化(+観光)にかける情熱は計り知れなかったが、一方で思わぬ事態が降ってわいた。  「演劇の町なんかいらない」―。2021年4月に行われた豊岡市長選で、芸術・文化に力点を置く“中貝”市政を批判した新人候補に1665票の僅差で敗れた。新花巻図書館の立地問題で、市民の民意が二分された当市の事情と似てなくもない。その「上田」市政を総括する選択の時はもう、数か月後に迫っている。よだれが出るような「まちづくり」の手腕に引き込まれているうちに私は宮沢賢治にあやかって、「イーハトーブはなまき」を「小さな宇宙都市」(Local&Cosmic−City)と名づけたい欲求にかられる。「深くて広い」時空間を兼ね備えている(賢治の)銀河宇宙こそがそれにピッタリだと思ったからである。  来るべき市長選に向け、候補者各位には夢膨らむような広大で無辺な「イーハトーブ」の未来図をぜひ、示してほしいと思う。中貝さんはこうも述べている。  「だからこそまちづくりには、自分事となる人が増えるように、対話による『一歩ずつ、一歩ずつ』の“発酵熱”の醸成が不可欠であり、時間と忍耐が必要になります。その時間の経過に耐えられるかどうかが、事の成否を大きく左右します。そしてリーダーは、地域の未来を切り開くためにやる価値があると自ら信じる事柄について、“発酵”が途切れることなく、一歩ずつ、一歩ずつ前に進むように旗を掲げ続けなければならないと私は考えています」     (写真は少子高齢化時代の「まちづくり」入門書として、注目を浴びる中貝本)   《追記》〜次期市長選は来年1月25日  任期満了(令和8年2月4日)に伴う花巻市長選は令和8年1月18日に告示され、同月25日に投開票されることが決まった。9月1日現在の有権者数(選挙人名簿登録者数)は男性36,677人、女性40,493人の計77,170人。すでに、新人の3人が名乗りを上げており、他の出馬の動きと現職で3期目の上田東一市長の去就が注目される。    ★オンライン署名のお願い★   「宮沢賢治の里にふさわしい新花巻図書館を次世代に」―。「病院跡地」への立地を求める市民運動グループは七夕の7月7日から、全世界に向けたオンライン署名をスタートさせた。イーハトーブ図書館をつくる会の瀧成子代表は「私たちは諦めない。孫やひ孫の代まで誇れる図書館を実現したい。駅前の狭いスペースに図書館を押し込んではならない。賢治の銀河宇宙の果てまで夢を広げたい」とこう呼びかけている。  「わたくしといふ現象は/仮定された有機交流電燈の/ひとつの青い照明です/(あらゆる透明な幽霊の複合体)」(『春と修羅』序)―。賢治はこんな謎めいた言葉を残しています。生きとし生ける者の平等の危機や足元に忍び寄る地球温暖化、少子高齢化など地球全体の困難に立ち向かうためのヒントがこの言葉には秘められていると思います。賢治はこんなメッセージも伝え残しています。「正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである。われらは世界のまことの幸福を索(たず)ねよう、求道すでに道である」(『農民芸術概論綱要』)ー。考え続け、問い続けることの大切さを訴えた言葉です。  私たちはそんな賢治を“実験”したいと考えています。みなさん、振って署名にご協力ください。海外に住む賢治ファンの方々への拡散もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。  ●オンライン署名の入り口は以下から https://chng.it/khxdhyqLNS  ●新花巻図書館についての詳しい経過や情報は下記へ・署名実行委員会ホームページ「学びの杜」 https://www4.hp-ez.com/hp/ma7biba ・ヒカリノミチ通信(増子義久)  https://samidare.jp/masuko/ ・おいものブログ〜カテゴリー「夢の新花巻図書館を目指して」   https://oimonosenaka.seesaa.net/                 
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2025.08.29:masuko

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