ハモコミ通信2016年8月号:壱岐産業

壱岐産業
ハモコミ通信2016年8月号


今月も、「まちネタ」(街で見つけたコラムに潜むコミュニケーションのネタ)をお楽しみください。


 

◎ 難しい仕事

 Mさんに、大きな商談のプレゼンテーションの依頼が舞い込んできました。

 会社全体にとっても利益の大きい仕事です。自分よりも適任者がいると考え、「私より○○課長のほうが…」と言いかけたものの、思い留(とど)まりました。

 それは、小学校一年生の長男とのやり取りが脳裏(のうり)をかすめたからです。

 長男は、なわとびの新しい飛び方も、漢字を覚える時も、「難しいよ、僕にはできないよ」と弱音を吐き、投げ出してしまうことが度々あったからです。

 その都度、Mさんは「チャレンジすることに意味があるんだよ」「できないと言う前に、やってごらん」と長男に呼びかけ、まずは行動することを促していたのです。

 それにもかかわらず、自分はできる範囲を決め、仕事の難題が押し寄せてきた時に、逃げ腰になっていることに気づかされたのでした。

 《 できる、できないと考えるのはやめよう、仕事を通して成長させてもらおう 》と思い直したMさんは、「承知しました!」と気持ちよく返事をしました。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

<コメント>

 私も、人から頼まれたことは、たいてい断らないように努めてきました。おかげさまで引き受けた役割が筋トレのように力をつけてくれたような気がします。

 その一方で、自分自身が目標を決めるとき、そして目標に向かう時には、小さく無難な選択をしてしまうことが度々ありました。いや、今でもそういう自分と闘っている最中です。

 「ひるまずたゆまず」 はまさに今年のテーマ。目の前に壁が現れたら、逃げずに正面から向き合うことが何より大切だと感じるこの頃です。

 


 

◎ お茶いれとレギュラー

 プロ野球で、1965年から9年連続日本一に輝いた、読売ジャイアンツの黒江秀修(ゆきのぶ)氏のエピソードです。

 黒江氏は、プロ入り2年目の秋季キャンプで、広岡達朗氏と同部屋になりました。黒江氏にとっては、同じショートを守る大先輩でした。

 部屋には、王貞治氏や長嶋茂雄氏など、ジャイアンツのスーパースターたちが訪ねてきました。来客があると、新米の黒江氏がお茶を淹(い)れます。

 そのお茶の淹れ方に、広岡氏のカミナリが落ちたのです。「何だ、そのお茶の淹れ方は!」という叱責(しっせき)の裏には、広岡氏の思いがありました。

 守備が雑で、レギュラーをつかみきれない黒江氏に、「お茶を丁寧(ていねい)に淹れることは、堅実な守備にもつながる」と伝えたかったのです。

 黒江氏は、その先輩の言葉を謙虚に受け止めました。丁寧に捕球して投げる基本動作を徹底して、守備力をつけた結果、3年目にレギュラーを勝ち取りました。

 後輩の成長を待っていたかのように、その年、広岡氏は引退したのです。

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

<コメント>

 ものごとに真摯に取り組んでいくと、「一事が万事」という道理が見えてくるのでしょう。広岡氏しかり黒江氏しかり。

 往時をふり返って、このお茶淹れのエピソードが自分を変えた、と認識されていらっしゃるわけですものね。

 あいさつ、返事、後始末(感謝)。こういった基本動作を大人になって磨く人は少ないですが、きっちりできている人を見るとすがすがしいです。


2016.08.01:Copyright (C) (株)壱岐産業 事務局
ゲストさんようこそ
ID
PW

参加者数
 合計 9人
記事数
 公開 3,784件
 限定公開 0件
 合計 3,784件
アクセス数
 今日 3,000件
 昨日 23,110件
 合計 7,193,684件
powered by samidare
system:samidare community