ハモコミ通信2023年8月号:壱岐産業

壱岐産業
ハモコミ通信2023年8月号


生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。


 

◎鵜飼

岐阜県を流れる長良川の夏の風物詩「鵜飼」は、1300年以上の歴史を持つ伝統漁法です。

長良川の他にも全国十数カ所で同様の漁法が行なわれています。

鵜飼は、「鵜匠」と呼ばれる使い手が、手綱をつけた水鳥の鵜(ウミウ)を川の中に放ち、鵜が捕えて呑み込もうとした魚を吐き出させて獲ります。

これは鵜匠と鵜の息があってこそ成し得る技です。餌やりや鳥小屋の掃除など、鵜匠は自らの手で大切に鵜を育てます。

そして鵜が老いて漁ができなくなっても、死ぬまで鵜匠と共に、家族のように一緒に暮らすそうです。

鵜匠の愛情が鵜に伝わるからこそ、鵜もそれに応えるように多くの魚を獲るのでしょう。

こうした種を越えた信頼関係が織りなす漁法は、毎年10万人を超える観光客の心を感動させています。

鵜とも信頼関係を結べるなら、人間同士ではより強固なものとなるでしょう。

職場でも相手のことを思いやり、堅固な信頼関係を築きたいものです。

それが技術の向上やミスの防止にも繋がり、よりよい仕事を生むはずです。

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<コメント>

花咲か爺さんの話が思い起こされました。

正直爺さんは子犬の時に拾って愛情深く育てたシロから、「ここ掘れワン」と言われたところを掘ったら、大判小判がザックザク。

隣人の欲張り爺さんがシロを借りてマネをするも、ガラクタばかり。

年老いて働けなくなった鵜を、鵜匠が一生面倒を見るという愛情は、相手が動物でも十分伝わるのですね。

何事も形だけ真似をしてもうまくいかないと思います。どんな心持ちでそのことに取り組んでいるか、心のあり方が、いざという時に雌雄を決すると信じています。


 

◎戦地からの手紙

目の前の仕事に一所懸命になっていると、周りのことに目が向けられず、心配りを忘れてしまうことがあります。

また、仕事に集中するあまり、家庭のことがおろそかになってしまうこともあるかもしれません。

昭和の大戦末期、防衛の重要拠点であった硫黄島の舞台を統率したのは栗林忠道中将でした。

栗林中将は絶え間ない空襲にさらされている状況下、労役に服す妻に宛てて手紙を送りました。

「火薬の袋張りは容易の仕事じゃないらしいね。さぞ肩も張ることだろう。ほんとにお察しする。しかしあまり無理しないがいいでしょう」

当初5日で落ちると言われていた硫黄島は、栗林中将の細やかな心配りと周到な戦略、統率力により36日に亘って持ちこたえたそうです。

戦中と現代の日常を照らし合わせることは難しいものですが、どのような時でも自分の仕事ばかりにとらわれるのではなく、自分を支えてくれる人や関わる人の心中をくみ取るよう努力したいものです。

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<コメント>

クリントイーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」を観た方もたくさんいらっしゃることでしょう。この映画を観ずに感想は書けないと思い、DVDを借りてきました。

栗林中将自信が、明日をも知れぬ身でありながら、この内容。器の大きさが凄いですね。

ものを見る中心軸を、相手に完全に移さないと出てこない言葉です。しかしそれは一朝一夕ではできないこと。

誰もがそれぞれの立場でその役割にベストを尽くそうとがんばっています。大変なのは自分だけではありません。

能力や育ってきた環境や現在の状況が全て違うのですから、どちらがより大変といった単純比較もできません。

意識的にものを見る中心軸を据え変えることを繰り返し、やがて当たり前にできるようになりたいと、この年になっても思っています。


2023.08.04:Copyright (C) (株)壱岐産業 事務局
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