▼ハモコミ通信2011年3月号「1人1秒のプレゼント」
▲クリックして拡大画像でご覧くださいちょっといい話「1人1秒のプレゼント」 奥村久美子著「ありがとうを伝えたい」〈第2集〉より マサと呼ばれている男の子がいた。 マサは右足が不自由でいつも足を引いて歩いていた。だけど体育の授業にもサッカーの練習にも参加するがんばり屋である。 運動会が近づき、クラス対抗リレーの練習が始まった。 そんなある日、マサがしょんぼりとして職員室にきて担任の太田先生に「僕、クラス対抗リレーには出ません」と言う。 黙っているマサを説得して、理由を聞き出すと、マサはクラスの一部の子達が「マサがいる限り僕らのクラスは一等になれっこない」と話しているのを偶然聞いてしまった。 そこで先生に「僕はやめる。僕が走ると負けるから」と言いに来たのだった。 翌日、太田先生はクラスのみんなにマサがリレーに出ないと言っていることと、その理由を説明し、最後に「リレーはみんなが力を合わせることが素晴らしいんだよ。大切な友達を、傷つけて、優勝したってなにがうれしいの」と、問いかけた。 すると一人の男の子が立ち上がって、こう叫んだのだ、「マサ走れよ。クラスのみんなが、一人一秒ずつ速く走れば、38人で38秒速く走れる。そうしたら勝てるぞ。」 その日から子供たちは、それは、必死になって、スタートからバトンタッチの練習をはじめた。 そして、運動会の当日、マサは歯を食いしばって、自分の距離を走り抜いた。クラスのみんなもマサに一秒をプレゼントするために必死で走る。 よそのクラスは転ぶ子がいたり、バトンを落とすミスも出て、なんとマサのクラスに優勝が転がりこんだ。 太田先生は涙の向こうの子供たちの笑顔が、まぶしくて仕方がなかった。 
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2011.03.01:壱岐産業

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