▼ハモコミ通信2011年12月号「三陸の育てる漁業復活へ」
▲クリックして拡大画像でご覧下さい。  三陸の育てる漁業復活へ 有志の団体で取り組んでいる震災復興プロジェクトの一つに、南三陸町歌津のT家支援というのがあります。 こだわりの育てる漁業を営んできて、順風満帆に思われたのですが、津波で家も加工場もすべて流されました。ご家族が皆無事だったのが奇跡と思える状況でした。 これまで11回、土日都合がつく10名前後で人海戦術が必要な復興のお手伝いをしてきました。初めのころは瓦礫撤去、最近は育てる漁業に必要な諸々の準備作業のお手伝いです。 その一つに、ホタテの稚貝を吊るすためのロープづくりというのがありました。ピンク色のピンをロープの間に刺していきます。何しろ20万個の稚貝を吊るすので、ピンも20万個必要なのです!猫の手も借りたい、っていうがまさにピタリですよね。 震災前は40万個だったそうで、まずは50%復活を目指しているのだそうです。 北海道からその稚貝が届き、今まさにその耳吊り作業が佳境を迎えているところです。ホタテの耳というのは血管が通っているので、うまくそれを避けて穴を開けないと貝が弱り、病気の原因になるそうです。まとめてドバッと機械的に穴をあける方法もあるそうですが、T家では元気なホタテを育てたい、ということで、1枚1枚確実に穴をあけるのです。 もう一つ、地味ながらとても大切な作業があります。ホタテ、ワカメ、牡蠣すべてに共通だそうですが、それらを海で育てるときのロープなどの “重し” づくりです。必要数なんと1万個なのです! 普通の土のう袋よりかなり丈夫な袋に川砂利を40kgくらい詰めます。男2人で「せーの」っていう掛け声で持たないと動かないくらいの重さです。 フォークリフトの先にそれ用のアタッチメントがついており、ショベルカーのような機能になっていました。息子H君が上手に川砂利の山からすくいあげていきます。水産業って土木業?って思うほどフォークリフトの運転が巧みでした。 この日、二の腕をパンパンに腫らして作った土のう袋は、多く見積もっても200個程度。1万個への道のりは長い!  でもやらねば。1月には牡蠣の稚貝が松島から届くそうです。 風評被害に不安を感じながらも、今やれることをベストを尽くしてやる、そんなT家の意気込みを毎回感じながら、学びの多い支援活動はまだまだ続きます。 
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2011.12.01:壱岐産業

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