▼ハモコミ通信2022年7月号
今月はいつもどおり街ネタ2つです。生活に取り入れたり、仕事で生かすなどしていただけると本望です。 ◎指揮者は楽譜を見てはいけない/指揮者 小林研一郎 僕はいろいろなオーケストラで指揮をしていますが、一人ひとりの顔をじっと見ていなくては指揮ができないんです。指揮者の中にはメンバーを見なくても指揮ができるという人がいるかもしれませんが、僕にはできません。となると、楽譜を見ることができないわけですから、全楽器の楽譜を全部覚えなきゃいけない。先日もある地方の交響楽団の演奏会があったのですが、地方ですから何となくほのぼのとした空気が漂っている。そういう雰囲気を覆すためにも、僕は事前にメンバーのネームリストをいただき、楽譜をすべて覚えた上で練習に臨むんです。演奏の途中、僕は指揮を止めることがあります。しかし、そこで一人ひとりを注意することはしません。そういうことをするとその人が受けるショックが周りにも伝わって、決していい演奏にはならないからです。ただ、止める時には全員がハッとするような、炎になれるような、そんな言葉を発しなくてはいけません。そして、その時、指揮者は決して楽譜を見ちゃいけないんです。楽譜を捲(めく)る僅か0.1秒という時間が彼らの意識を大きく後退させてしまうことがある。団員の顔を見ながら「すみません。では594小節からお願いできませんか」。これって効くんですね。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆<コメント>時として強く厳しい言葉を言わなければならないことありますよね。その時に、自分がその言葉を発するにふさわしい覚悟と行動をしていないとまったく伝わらない。相手が悪いのではなくこちらの問題です。だからこそ覚悟を練り直し、行動を重ね、『その時』に備えます。小林さんのレベルは特上級ですね。全員がハッとするような、炎になれるような言葉を発する!真のリーダーの姿、目指したい境地です。 ◎会社がおかしくなる6つの要因/日本電産会長 永守重信 だいたい会社がおかしくなる要因を6つ挙げよと言われたら、一番はマンネリでしょう。それから油断、そして驕(おご)り。人間はすぐこういう躓(つまづ)きをするのですが、この段階はまだ元に戻せるのです。その次が妥協。震災がきたのだからしょうがない、円高だからしょうがないと妥協する。これはもうさらに落ち込みますね。次は怠慢です。頑張っても怠けても給料は一緒じゃないかとかね。そして最後は諦(あきら)めです。そんなこと言ったってできません、という考えがはびこってきた時は末期症状ですね。最初の3つはそんな大敵ではないけれども、後の3つに陥ったらもう取り返しがつきません。☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆<コメント>この6つの要因をつくっているのは社風ではないかと思います。一番影響力が大きいのはトップの姿勢です。まず自らを省みて、どこかこのような心持ちに陥ってないか、第三者的目線で見つめ直す必要がありますね。マンネリは工夫・改善・変革へ、油断は定期的チェック・専心・真摯へ、驕りは謙虚・ひたむき・感謝へ、妥協はチャレンジ・突き詰める・目標達成意識へ、怠慢は勤勉・努力・自分に厳しくへ、諦めは、恐れない・逃げない・向き合うへ。イキイキしたコミュニティを創るのはいつも自分から。そういう人がたくさんいる組織は強いですね。
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2022.06.29:壱岐産業

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