長井まち歩き物語 11 やまいち松龍園:長井市観光ポータルサイト
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長井まち歩き物語 11 やまいち松龍園
2013.10.12:Copyright (C) 読みもの長井物語
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ゆっくりと まちなみに ふれてみませんか・・・・・
魅力あふれる 深い建物を醸し出す風景に 足を運んで下さい
(資料:長井市史、神奈川大学工学部建築学科 西和夫 長井市歴史建造物調査報告書、文教の杜)
あら町地区の街道西側に店舗を構え、現在も営業しています。店舗の奥に主屋が続き、主屋と店舗の間には取次ぎがあります。敷地奥に3棟の土蔵があり、家財蔵・質蔵・お茶蔵で構成されています。当主は4代目で、「明治40年(1907)からお茶屋を始め、昔はお茶師が6月に新潟県村上から来ており、静岡の二番茶のときが、ここの一番茶だった」とのことです。それ以前は質屋を営んでいました。
店舗は木造2階建て、平入、切妻造、銅版葺。正面に庇をつけ、1階はガラス戸に格子、2階は障子戸に格子。壁は漆喰塗りで入口に大きな看板を掛けています。ガレージがあるが、もとは大戸がついていました。建築年代は明治36年(1903)、様式技法からもこの頃のものとして矛盾しません。
金看板は昭和35年に静岡の製茶問屋から寄贈されたもの 前身は昭和10年に掲げたが戦争による供出で失ってしまった
主屋は木造2階建て、平入、切妻造、銅版葺。背面に下屋をつけています。壁は漆喰塗り。南側に玄関を設け、玄関は腰まで下見板張り、建築年代は明治43年(1901)です。
質蔵は敷地奥の南側に建っています。木造2階建て、妻入、切妻、置屋根形式の鉄板葺きです。背面にトタン被板の覆い屋をつけています。壁は腰まで下見板張り、上部は白漆喰塗り、1・2階とも主屋側に窓が二つずつあります。建築年代は、主屋に質蔵を建てた時の大工の給料を記した文書があり、それによると明治36年となります。
お茶蔵は質蔵の北側に並んで建ち、木造平屋建て、切妻、妻入、置屋根形式の鉄板葺きです。壁はモルタル塗り、主屋側に庇をつけています。質蔵と同じく覆い屋と前室をつけ、入口脇に小部屋があります。建築年代は、質蔵とお茶蔵が連続していたことから、明治36年と判断できます。
道路に面した外観は、歴史的雰囲気をよく伝え、建物の構成もこの地域の町屋の屋敷構えを知る上で大切な建物で、あら町地区の町屋の好例として貴重な存在です。
やまいち松龍園のわきを流れる水路 屋敷から流れ込む そこかしこに水路が張り巡らされている