JR山形新幹線「つばさ」にいる努力の天才斉藤車内販売員に会ってみたい!:心・こころ・ココロ模様!
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「セレンディピティ」とは、“偶然をとらえて幸運にかえる力”をいいます。面白そうだったので読み始めたら、いい話がいっぱいでした。
今日読んだところに、JR山形新幹線「つばさ」に努力の天才ともいうべき車内販売員がいると紹介されていました。本当に“すごい”ので長くなりますが記してみます。
7両編成、満席時400人、東京と山形・新庄の往復7時間、これが車内販売員である斎藤泉さんが勝負をかける空間と時間のすべてです。「つばさ」に乗り込んでくる一人ひとりの目的はそれぞれ違います。出張でよく利用するビジネスマンもいれば、旅行で初めて利用する人もいるでしょう。斎藤泉さんにとってはいずれも大切なお客様です。この「一期一会」にかける思いと努力が、「100分間で弁当120個販売」という驚異的な記録につながったのでした。
幅30センチ、長さ70センチという斎藤さんのワゴンは、創意工夫に満ち溢れています。勝負は電車が入ってくる前からすでに始まっているのです。気候によって飲み物の種類も変えます。寒い日には熱い飲み物を多めにといったふうに微調整をします。ワゴンに品物をどのように並べるかも腕の見せ所です。もちろん左右対称にすることは言うまでもありません。「ワゴン作り」は斎藤さんにとっていわばお店作りなのです。「少しでも多く商品を載せつつ、お客様が品物に手を伸ばしたくなるようなワゴンを丁寧に作れば、接客のチャンスが増えるかもしれない」と、斎藤さんはワゴン作りに1時間近く費やすこともあります。
事前準備はワゴン作りで終わりではありません。車内に乗り込むお客様をよく観察します。どのような客層か、あるいはお弁当や飲み物を持っている人の割合はどれくらいか。それによって最後の調整と売り方を心に描いていくのです。いつも「もうひと手間」を惜しみません。例えばおすすめのお弁当の中身を自分で写真に撮って内容がわかるようにしたり、手書きのポップを添えたりするのです。
新幹線が発車するといよいよ勝負が始まります。最初の1往復で頭の中に400人の顧客リストができあがります。斎藤さんが注目するのはお客様の目です。私たちの中にも新幹線に乗った時に、心の準備ができる前にワゴンが来てしまったとか買おうかどうか迷っているうちに通り過ぎてしまったということを経験した人が多いのではないでしょうか。斎藤さんは決してそのようなお客様を放っておきません。1回目で少しでも「引き」があったお客様を見逃さず、2回目にはお飲み物はいかがですかと勧めることを忘れません。また事前に心の準備をさせるために、お弁当を売っている時に声を出して、周囲のお客様にも声が届くように配慮しています。
それでも落ちないお客様は「目}で落とすのです。斎藤さんには背中にも目があるようです。実際乗り合わせた人がいました。その人はあらかじめ斎藤さんがどういう人か予備知識はなかったようですが、そのサービスの尋常でない様子に興味をもって観察をしていたといいます。そんな時です。斎藤さんが通り過ぎた後で何気なく顔をあげたら、さっと斎藤さんが自分の方を振り向いて視線があい、びっくりしたと語ってくれました。まさに背中にも目があったのです。斎藤さんは背中に突き刺さる「お弁当ほしい」の視線を感知できるのです。
普通の販売員が3往復するところを斎藤さんは5往復します。だからといって素早く通り過ぎてしまっては品物が売れないので本末転倒です。そこで斎藤さんは販売に要する時間を極限まで短くしようと工夫を重ねました。たとえば、つり銭を渡すスピードです。1秒でも早くできることを心がけ、500円から10円まで4種類の硬貨を目で確認することなく正確に受け渡しができるように工夫をしました。左右のポケットの中は2つに分けられていて、4種類の硬貨を分別しています。たとえつかんだ枚数が違っても、お客様にお返しする間に手元で調整するといいます。そうした日々の繰り返しが正確な感覚を磨き上げていくのです。まさに努力の天才といえます。
終点が近づいてきても、最後にもう1回車内を回ることを怠りません。そんな時斎藤さんはワゴンを使いません。その日一推しの商品を直接手に持って歩くことにしているといいます。小さな心がけですが、その積み重ねが東京と新庄の往復で30万円以上売り上げるという驚異的な数字を上げるのです。斎藤さんの販売額は通常の販売目標の4倍以上であることが推測されました。「たとえ売り上げに結びつかなくても、それがサービスだと思うのです。」と述べる斎藤さんの言葉が、偶然を見逃さず幸運にかえるためのすべてを語っているように思えます。そんな斎藤泉さんの立場は、仕事を始めた短大時代から14年間、2ヶ月更新のアルバイトなのです。
本当に素晴らしいですね!私も目の前のことをしっかりがんばろう。