外に出ることができない・・。:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産

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外に出ることができない・・。


我が家のニワトリたちは3月11日以降、まったくといっていいほど外に出ていない。
わずかに鶏糞を田畑に運ぶときに数日出た程度だ。あとは鶏舎のなかに入りっぱなし。原因は原発事故。
 われわれのところの空間線量は県庁発表で0.04〜0.07マイクロシーベルト/h前後。ドイツから送っていただいた例の測定器をもって自分で計測してみても0.08(地上50cm)〜0.12ほど。空間ではなく、実際にニワトリが踏んだり食べたりする土がどの程度汚染され、それが玉子にどう移行するかは、われわれにもまだ分かっていない。空間線量はそう高くはない、だから心配しなくてもいいよと同じようにニワトリを飼っている友人は言うのだが、わが農園の担当者である息子はもしものことを考えて「うん」とは言わない。

 鶏舎は四面が金網で土の上に建てられている。風は吹き抜けていくし、お日様の光は朝と夕に鶏舎の中まで入り込んではくる。1坪に10羽以内で一つの集団は100羽以内。ニワトリたちはその中で餌を食べたり、遊んだり、玉子を産んだり・・と一日を過ごす。
 とはいえこれは平飼い養鶏ではあっても放し飼い養鶏ではない。例年ならばニワトリたちの遊ぶ鶏舎の周りの草は、彼らにキレイに食われてしまうのだが、今年はゆらゆらと生い茂っている。さながら草に囲まれた鶏舎といった具合だ。
 如何に中が快適でも、外の魅力には勝てないはずだ。ニワトリたちはきっと、外に出たい、外に出たいと思っているだろうな。羽を広げて飛び回りたい。走りたい。土を啄ばみたい。草を食べたい。日光浴をしたい。虫を追いかけたいと。でもそれができないのだ。つくづく申し訳ないと思う。

 土の調査を、友人を介して大学の研究室に頼んでいる。すまないがもう少し待っていてくれ。

 写真・・・いつもはこんな風景なのだが
念願の卵
平飼い・・・そうですね。放し飼い養鶏とは違う・・・まさにその通り。
私の住む村にも平飼いの農家がすぐそこにありますが、鶏の姿は見たこともありません。鳥インフルエンザを恐れて大きな屋根の下で、しかも四方を囲んだ大きな納屋のようなところで飼っているらしいのです。
放し飼い養鶏の卵を買いたいな、と、思っていたのに残念でした。
そうしたら、村の仲良しのおばさんが(私も立派なおばさんですが)鶏を4匹飼いだしたのです。羨ましくて、でもたった4匹では売るほど卵もないんだろうと思い、聞いてもみませんでした。
ところが先日、私の畑で採れた野菜屑を鶏にやってもいいですか?と、持って行ったら、卵欲しいかい?と聞かれて、御礼にくれたんです!
どうやって食べるのが一番この卵のおいしさを十分に味わえるんだろうと考えて、目玉焼きにしました。
すごくおいしかったんですが、菅野さん、やはり卵かけご飯でしょうか?
2011.08.26:くみ [修正 | 削除]
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