「黒川能」を鑑賞してきました。-その2-:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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「黒川能」を鑑賞してきました。-その2-
2012.02.06:Copyright (C) 山菜屋どっとこむ@かあちゃんブログ
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500年以上も前から伝わる「黒川能」
「黒川能」については前記にて、
書かせていただきましたが、
今回は、私が体験したことについて
レポートを交えながら
1日2日と2日間に渡る祭りの一連の流れを
王祇祭-黒川能解説- よりご紹介いたします。
2月1日
午前6時頃
「春日神社」にて【王祇おろし】という祭事が執り行われて
午前10時頃
上座当屋、下座当屋に王祇様を祭る
【氏子の総会】
(座狩り・当乞い)
「〜ござりまするかぁ〜。」と、
昔言葉で出欠のようなものを取っていました。
「きっと当時使われていた言葉、そのまんまなんだろうなぁ〜。」
と、感激しました。
【座の宴会】
(振る舞い)
※この順序は、上座と下座では逆になる
この後、私たち親戚にも
振る舞いがありました。
おわんにちょっぴり白いのは、
ご飯なんですが「おごふ」だそうです。
これを食べた後に、白いご飯をいただきます。
上のほうに三角に置かれたものは、
「赤こごみと青豆・くるみの切り和え」というもの。
これらを細かく切って和えたものです。
話には聞いていましたが、これほど細かく切るとは驚きました。
味付けは酒と醤油だそうです。
この「切り和え」の、盛り付けは、
春日神社の紋章を模しています。
真ん中の白いものは、大根の酢の物。
その左右にあるのはみょうがと菜っ葉の塩漬けでした。
これが、しょっぱい、しょっぱい!
きっと昔ながらの味付けなんでしょう。
手前にある、干した葉っぱのようなものは
「蓼:たで」を干したものです。
このときに使う特別な蓼なんだそうですが、
近年作る人が減ってきて、準備するのが大変だということも聞きました。
こちらは「切り和え」と、
うりの粕漬け、インゲンの塩漬け。納豆、すももの塩漬け。
インゲンはゆでてあると思い、食べたら塩漬けでしょっぱくてびっくり!
手前のシワシワなのが「すももの塩漬け」です。
これも、以前は庭木でどこにもあったものだそうですが、
今はなかなか準備できなくなっているそうです。
上座では、1件のお宅に大きなすももの木があって、
毎年そこの家の方が、奉納してくださるそうです。
そして、忘れていけないのは「焼き豆腐」
山椒のタレでいただきます。
上に乗っているのはごぼう。
柔らかくてとてもおいしかったです。
この焼き豆腐や料理一式も、
上座と下座では異なるそうです。
私がお呼ばれしたのは上座です。
上座の人に
「下座は料理がちがうんだってね」と、聞いたところ、
「下座のほうに親戚がないのでわからない。」と言われました。
なるほど・・・・そんなものなんですね。
私たち親戚が振る舞いをいただき終わる頃、
今度は、近所の人たちがたくさんやってきてご馳走になります。
近所の人への振る舞いが終わると
いよいよ、能が始まります。
一方、近くの公民館では、脇当屋といって
親戚筋以外の招待者が振る舞いをいただくことができます。
ここには、朝9時頃から夕方5時頃まで、
入れ替わり立ち代りいろんな人が次々にやってきて
お酒を飲みながら振る舞いをいただいてました。
午後6時頃
【大地踏】
これが、この「黒川能」で一番人気のところです。
こんなに大勢の人の前で、
幼稚園年長ぐらいの男の子が
舞台を踏みながら、大役を果たします。
終わった後には花がかかったりしていました。
その後、
【式三番】【脇能】と続き
脇能が終わる頃、下座から上座へ
【暁の使い】という使者がやってきます。
これは、祭りの順調な進行を喜んで、
明日も過怠のないように。
と、口上を述べるものです。
ここで、一休み。
舞台の上でみんなで夜食を取ります。
私たち親戚のところにも、
おっきいおにぎりと、漬物が振る舞われました。
午後11時頃
【能四番】【狂言四番】が続きます。
狂言は、何を話しているのか聞き取れるので面白かったです。
能とは違ったちょっと笑えるおかしなものでした。
写真は「禰宜山伏」という狂言です。
午前3時ごろ、再び親戚に振る舞いが回ります。
今回はうどんでした。
温かいタレが注がれるのですが、
これが、寒い体にとってもうれしかった。
タレには山椒が利いていて、ピリッとした香りが目を覚ましてくれます。
そして、
2日午前6時頃
すべての舞いが終了すると、朝ご飯を食べます。
このときの朝食は「よづけ」というものでした。
「よづけ」とは、納豆に塩を入れて混ぜたものを
ご飯の上にのせてそ、そこにお湯をかける食べ物でした。
初めて食べましたが、想像するよりもおいしかったです。
そして春日神社に向かって行列を組み移動し、
神社での祭事が始まります。
昨年は
2日に行われる「春日神社」での祭事を観ました。
今年は当座で行われる祭事を観ることができました。
それでも、まだまだ観ていない部分がたくさんあります。
朝の王祇おろし、王祇様の宮のぼりや七度半の使いなど、
これからも機会がありましたら、観にいってみたいと思います。