◆高畠の歴史 002号◆:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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高畠町の土壌の第2のキーワードは『ブナ』であります。
現在の高畠町には、ブナ林として見るべきものは限られた地域にしか存在していません。しかし代償植生の調査結果から、以前には海抜250M付近から上部の山岳帯にはかなりの広い面積にブナ林が分布したものと推測されます。
高畠町の低海抜の地域にある亀岡文殊堂の上に天然記念物としてのブナの大木が今なお現存していることから、原植生としては、ブナを含むブナクラスの森林植生が高畠町の大半を覆っていたことが理解されます。
ブナは、森の豊かな土をつくり、水を蓄え多くの生物にとって貴重な存在であるためヨーロッパでは、『森林の母』と呼ばれています。
ブナは生まれてから、40-50年経って直径が20CMくらいになったときから種子を作り、死ぬまで作り続けます。そして隔年結実で5-7年に1度多量の種子を生産します。このブナの実は、たんぱくと脂質に富んでいて、多くの生物の重要な栄養源となります。それからもう一つの特徴として、年間1ヘクタール当たり10トンの枝葉を落とし、腐葉土として土を豊かにします。この土にも水が蓄えられ、成木1本で8トンの水を蓄えることが可能と言われております。
そのようなことから、高畠地区の土壌は、高畠石のカルシューム、マグネシューム、カリューム等の豊富なミネラルに、ブナの実のたんぱくと脂質、葉の腐葉土の栄養素、ブナに蓄えられた豊富な水、また地形からいうと山岳までの距離が短い為洪水が起きにくい環境もあり栄養素が流されず蓄えられた状態が続いているものと考えられます。
高畠の土壌は『天から恵まれた自然環境』で守られてきたいっていいでしょう
それを基盤として古代から人々が住み着いた大きな要因と考えられます。
次回は人々が住み着き始めころの高畠についてお届けいたします。
写真は文殊堂の上のブナの原生林です。いまだそのまま残っています。