「居酒屋のおやじがタイで平和を考える」:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産

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「居酒屋のおやじがタイで平和を考える」


我らの松尾君が本を書いた。
「居酒屋のおやじがタイで平和を考える」(1,600円:コモンズ)。

「イサーンの百姓たち NGO東北タイ活動記」に次ぐ、タイと日本をつなぐ草の根民衆運動の実践本として2冊目の本だ。
著者の松尾君は神奈川県横須賀市で「居酒屋・百年の杜」を営んでいる。それが本業ではあるが、彼には世に知られたもう一つの顔がある。それは彼がタイ語通約の達人であるだけでなく、今も日本と東北タイをつなぐ市民、農民活動の第一人者であるということだ。
同時に彼は「アジア農民交流センター」の事務局長でもある。私もその一員だが、そう聞くとどっか堅苦しく、とっつきにくい印象を持つけれど、決してそんな人ではない。何しろ居酒屋のおやじなのだから。長い交流を続けて来た日本各地の百姓を始めとして、多くの人たちからは「まつおくん」と親しまれ、東北タイの人々からも「ゲオ」と愛称で呼ばれる、とにかく「良い奴」なのだ。
日本でもタイでも彼を悪く言う人はまずいない。でも、たいがい「良い奴」が書いた本ってつまらない、読みたくない本が多いと相場が決まっている。しかし、物事には例外はあるもんだ。この本がまさにそれ。読んでみて面白い。そして勉強にもなった。東北タイの人々の現状とその取り組みが、彼の暖かい目線を通して見事に描かれている。
タイへの第一歩が寿司屋のアルバイト先で、そこから長い付き合いが始まったというのも彼らしい。やがてJVC(日本国際ボランティアセンター)の活動に関わり、JVCタイの現地代表として東北タイの農民の「生きるための農業」を支援してきた。
この本に書かれているそれらの実践は、日本とタイの普通の人たちが産みだした最良の実践記録なのではないかと思う。
ぜひ、一読を勧めたい。

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