コメの検査:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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今は新米の季節。村の集荷場では盛んにコメの検査が行われている。
たまに琥珀色の玄米の中にポツポツと黒いコメが混じることがある。カメムシの食痕だ。それが1,000粒の中に0から2粒以内ならば一等米。3〜5粒ならば2等米。6粒以上ならば3等米というように格付けされ、価格差が付けられていく。ただでさえ安いコメ価格。2等米、3等米になったなら眼もあてられない。作っている面積にもよるが数十万円の差はすぐについてしまう。だから農家は丹念に農薬散布をせざるを得ない。
米屋さんやスーパーなどでは「一等米」も「2等米」もない。ただ品種や産地が書いてあるだけだ。実際、カメムシの食痕は農協や卸の精米の段階できれいに取っているので消費者の台所までは決して行かない。よしんば1000粒の中に3〜4粒の斑点米があったとて、味になんの変わりがあろう。
水田への農薬多投の背景にあるのは国が作ったこの検査システム。生産現場ではわずかな斑点を取ろうとして、トンボを激減させ、農家はそれを吸い込み、全身に農薬を浴びる。農家もトンボも苦しい。
そこに「遺伝子組み換え」、「ゲノム編集」、放射能汚染食品の数々。
ニッポン!お前はいったい何を大切にしているんだ。国民の命ではないのか!人々の暮らす風土ではないのか!
(月間「地域人」50号に詳しく書いています。)