諦めた今年の無農薬米:ヤマガタンAnnex|山形の農業〜農林水産
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「お米通信」6月号は「イネミズゾウムシ」。まずその抜粋を読んで欲しい。
「一見、おだやかに見える田んぼの中にも、すでに害虫たちの『活躍』が始まっています。イネミズゾウムシです。40年ほど前に東南アジアの水田から輸入資材に混ざって日本に上陸し、田植え直後の苗の葉肉を食べ、葉網を残します。ひどい場合は田んぼが白っぽく見えるほどになり、収量はほとんど見込めなくなります。
対応策は食用油の散布。彼らは夜、水底に生息し、日が昇ると茎伝いにはい上がってきます。その習性を利用し、あらかじめ水面に食用油を撒いておく。彼らが水中から外界に出るときに身体は油に包まれ、窒息するという仕掛けです。
ですが殺虫剤ではありませんので全滅はありません。被害を低く抑えるだけです。時にはこの方法では抑えきれない時もあります。今年のお米はどうなるか・・。殺菌剤、殺虫剤ゼロの稲作はどこまで行っても緊張が続きます。」(お米通信)
2か月経過した。無農薬田の60aに「イネミズゾウム」が大発生し、2度、3度と食用油を散布したが苗の侵食がとまらず、どんどん葉肉が食べられていく。その上、抗菌力を失った苗に「いもち病」が発生した。このままでは全く収量が望めなくなる。何度か酢も撒いたが、もう助けるには殺菌剤を使用せざるを得ないと判断。すでに土に潜っているイネミズゾウムシは来年の対応となる。
これで菅野農園の2020年産、2021産のコメのリストからは「無農薬米」が消えることになった。悔しいし情けない。でも、一番悔しいのはこれまでの15年間、無農薬を実践してきた息子の春平だろう。