今週末より開催 特別展「没後50年 愛情の画家 椿貞雄」:山形の歴史・伝統

山形の歴史・伝統
今週末より開催 特別展「没後50年 愛情の画家 椿貞雄」


9月も残りわずかとなりました。先週9月15日(月・祝)を持ちまして企画展「ゲゲゲの鬼太郎と、妖怪不思議ワールド」が無事終了しました。一万人を超す、多くのお客様に足を運んでいただきました。本当にありがとうございました。

さて夏も過ぎ、いよいよ秋が深まるこの頃となりました。秋と言えば「芸術の秋」。そんな今の季節にぴったりの特別展を開催いたします。タイトルは「没後50年 愛情の画家 椿貞雄」。米沢市出身。岸田劉生に師事し、山形近代絵画の先駆者となった椿貞雄の大規模な展覧会です。今回はその概要をお知らせいたします。

本県近代絵画の先駆者。その写実力は、師・岸田劉生をしのぐ。

1896年(明治29年)、米沢市上花沢仲町(現在の東3丁目)に生まれた椿貞雄は、1914年(大正3年)に画家を志して上京。画家、岸田劉生(きしだ・りゅうせい)と運命的な出会いを果たします。白樺派のヒューマニズムに影響を受けた劉生は「油絵という西欧伝来の画法を用いて日本人の心を描く」という理想を抱いており、椿はその理想に共鳴し、ともに草土社(そうどしゃ)の創立に参加しました。草土社を舞台に彼らは、写実を通して精神的な「内なる美」の表現を目指す、独自の美術運動を展開しました。劉生亡き後、椿はその理念の正当な継承者となります。自らの言葉「画道精進(がどうしょうじん)」に象徴されているように、61歳の生涯を閉じるまで、日本人の油絵を描き、写実の道を追及し続けました。
戦後、孫に囲まれた平和な暮らしが訪れると、それまでの重厚な色調に明るい大らかさが加わるようになりました。家族への愛情の中に新しい表現を見出したのでしょう。義兄である白樺派同人、長與善郎(ながよ・よしろう)は、椿が描いた愛情あふれる家族の肖像に対し、「愛情の画家・椿」という一文を草しました。そうした椿の暮らしぶりは彼の日記にも遺されています。
本展では、草土社時代の新出作品や周辺資料を含め、約100点を展示し、白樺派の影響や椿にとっての劉生の存在などを探りながら、椿貞雄の芸術とは何かを再評価していきます。(伝国の杜ホームページより転載)

 本展の会期は前期・後期に渡ります。前期と後期では展示品がほとんど入れ替わり、それぞれ異なる内容で楽しんでいただけます。また本展が初公開となる作品も展示いたします。
 地元米沢の方にも、そして他地域にお住まいの方にも、米沢が生んだ画家・椿貞雄の美術に触れていただける良い機会です。多くのお客様のご来館を心からお待ちしております。

また、会期中担当学芸員による展示解説・ギャラリートークを開催いたします。本展を各テーマに沿って解説いたします。本展をより深く楽しんでいただける内容となっております。こちらにもご期待ください。

会期:〔前期〕2008年9月27日(土)〜10月26日(日)〔後期〕10月29日(水)〜11月30日(日)  
休館日:10月22・27・28日 11月26日
入館料:本展では、前期・後期のどちらかを一度だけ見ることができる【前・後期単独】チケットと、前・後期の両方を一度ずつ見ることができる割安な【前・後期共通】チケットの2種類を販売しております。

〔前・後期単独〕一般 400円(320円)高・大学生 300円(240円)
           小・中学生 200円(160円)
〔前・後期共通〕一般 600円(480円)高大生400円(320円)
           小・中学生250円(200円)
             ※( )内は20名以上の団体料金

ギャラリートーク
  「椿貞雄と岸田劉生」
   9月27日(土)10:00〜
  「椿貞雄と油彩画」
   10月18日(土)14:00〜
  「愛情の画家椿貞雄」
  11月22日(土)14:00〜   
 解説 当館主任学芸員 花田美穂
※全日程とも、企画展示室内での開催となるため、お聞きいただくには特別展入館券が必要になります。
問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238−26−8001


2008.09.24:Copyright (C) 伝国の杜 情報BLOG
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