「虹の森けん玉大会」【長井市】西根地区公民館:置賜の宝発掘プロジェクト(仮称)
置賜文化フォーラム |
▼この記事へのコメントはこちら
|
ゲストさんようこそ
合計 63人
■記事数
公開 2,397件
限定公開 0件 合計 2,397件 ■アクセス数
今日 3,199件
昨日 3,123件 合計 11,374,513件 |
置賜文化フォーラム |
▼この記事へのコメントはこちら
|
ゲストさんようこそ
合計 63人
■記事数
公開 2,397件
限定公開 0件 合計 2,397件 ■アクセス数
今日 3,199件
昨日 3,123件 合計 11,374,513件 |
長井市西根地区公民館で11月2日に第41回西根地区文化祭が開かれ、「虹の森けん玉大会」が開催されました。
長井市西根地区は競技用けん玉生産日本一として知られ、小学校と公民館が共に力を入れ、けん玉に取り組んできた経過があります。
長井市民にとって、親しみ深い伝統的な木地玩具であるけん玉文化を子ども達にも遊びを指導し、伝承するために、西根地区公民館では「虹の森けん玉塾」を開いています。
以前に、6月13日に開かれた第2回目の「けん玉塾」の活動を取材しておりますので、詳しくはこちらもご参照ください。
この日は、「虹の森けん玉塾」の最後の活動日として、けん玉大会が開催され、活動を通してのけん玉の成果が発揮される日でありました。
全11回の活動の最終日はけん玉大会が開かれました。
出場する生徒は、当日会場にて受付が行われ、「けん玉塾」に参加されている小学生が多数参加しました。
大会の受賞者には、トロフィーやけん玉の景品などが贈られます。
初めにトーナメントに出場する生徒を決める予選が行われました。
けん玉の技の成功、成功回数により、得点をつけ、得点上位になった生徒がトーナメントに出場できます。
けん玉技の判定を行う講師は、日本けん玉協会公認指導員の森輝彦さん(一般社団法人日本けん玉協会 長井支部)です。
これまでの活動では、森先生を中心にけん玉のご指導を行ってきました。
予選が終わり、トーナメントの空き時間にも参加生徒は仲間とけん玉技を競い合っている光景もみられました。
いよいよトーナメント出場者が決まります。
予選では、得点が10点以上の生徒と、9点以上の生徒が沢山出たので
10点以上の生徒は上級トーナメントへ。
9点以上の生徒は中級トーナメントへ。
それぞれトーナメントが行われました。
勝負中は参加生徒が見守る中、仲間の活躍を見守り、声援が飛び交っていました。
トーナメントでは、ステージにあがり、1対1でけん玉技を競います。
どのけん玉技を競うかは、くじ引きで決めます。
成功回数で勝敗が決まります。
上級トーナメント、中級トーナメントではそれぞれ技の難易度も違います。
ときには、なかなか勝敗がつかない場面も。
ハイレベルな勝負が続きます。
こちらは上級トーナメントの決勝、中級トーナメントの決勝の様子です。
見事勝ち進んだ生徒が、最後の勝負。
緊張感も高まります。
トーナメント後は、チャンピオン大会が行われました。
チャンピオン大会は、けん玉技を何回連続で成功することができるかを競います。
「ろうそく」「とめけん」「ふりけん」という3つの技ごとに、繰り広げられました。
見事、中級トーナメントを優勝した男子生徒。
「練習をして良かったです。」と感想を述べました。
表彰式では、昨年優勝者のトロフィーが返還されました。
優勝者、3位の生徒にトロフィーと、賞品のけん玉が授与されました。
けん玉の技術と集中力にすぐれ優秀な成績を称える賞です。
ここで見事3位になった小学5年生の男子生徒(写真右)にインタビュー。
感想をお聞きしました。
Q.「けん玉塾」にはいつから参加していますか?
小学1年生のときから始めたので、今年で5年目です。
Q.けん玉をやろうと思ったきっかけは何ですか?
お兄ちゃんがけん玉塾に通っていたことがあって、自分も参加しました。
技ができたときが嬉しいです。
Q.難しい技は「けん玉塾」で教えてもらって習得したのですか?
森先生や四釜先生に教えてもらって、できるようになりました。
Q.けん玉の級は、いま何級を持っていますか?
3級です。
Q.3級をとるまでは大変でしたか?
5年かかって3級が取れたので、大変でした。
一度うまくできなかったときがあって、「ひこうき」という技なんですけど、
そのときが大変で、3年生でなかなか成功できず、去年、4年生になってやっとできました。
Q.長井市がけん玉の生産が日本一ということは、知っていましたか?
知ってます。学校でけん玉工場に見学行ったことがあります。
Q.工場見学をしてみてどう思いましたか?
日本一はすごいなと思いました。
Q.今の子ども達は娯楽が溢れていて、昔ながらのけん玉をする機会があまりないと思うので、珍しいと思うのですが、ゲームとけん玉だったらどっちが好きですか?
ゲームもやりますが、少しけん玉の方が好きです。
でも普通に家でするより、「けん玉塾」でする方が好きです。
Q.その理由は何ですか?
僕は5年生なんですけど、5年生で「けん玉塾」に通ってる人がいないんです。
6年生と下級生ばかり。
頑張ろうと思いました。
Q.けん玉の技の中で一番好きな技はありますか?
級の認定にはない技なのですが、「空中ブランコ」という技が好きです。
Q.実際にその技をやってもらってもいいですか?
―技をやってもらいました。リクエストにお応えしていただき、ありがとうございました。
■ご指導者へインタビュー
「虹の森けん玉塾」でけん玉のご指導をされている森輝彦さんに、今年度の活動を振り返って感想をお聞きしました。
小さい子が多いこともあり、技を練習する機会があまり取れず、なかなか思うように技の練習が出来なかったのですが、それでもみんな楽しんで「けん玉塾」に参加してくれたので良かったと思います。
今日の「けん玉大会」に来ない子も沢山いたのですが、そういう子はけん玉遊びで楽しく参加してもらいました。
来年は技の習得に向けて、難易度をあげていきたいと思います。そして来年のけん玉大会では、もう少し技を覚えてもらって盛り上げて欲しいと思います。」
同じく、ご指導にあたる四釜淳悟さんは、自身も子どもの頃にけん玉に親しみ、当時、森先生にけん玉を教わっていたといいます。今では子ども達にご指導にあたっています。
けん玉の習得には、子どもの頃の練習が大事だといいます。幼い頃に習ったり覚えたりしたことは大人になっても忘れない。 だからこそ、小さい頃、今のうちにけん玉を覚え、習って欲しい」と話してくれました。
■「虹の森けん玉塾」で感じたこと
デジタル時代における子ども達の娯楽の選択肢が増え、昔遊びは廃れつつあります。「昔遊び」の多くが、一人きりで遊ぶとつまらない「遊び」、少なくとも数人の遊び仲間が必要な「遊び」であることが廃れる一因となっているのではないでしょうか。
実際に「けん玉塾」に通っている児童の中には、”家でやるよりは、ここに来てみんなでやる方が楽しい”という言葉も見受けられました。
「昔遊び」はその遊び仲間が継続的に確保できてはじめて流行ることができ、その結果、下の年代の子や周りの地域に、伝え広がることが可能で、それが難しくなったこともあって多くの「昔遊び」が廃れていったと考えられます。
「けん玉塾」では、伝統的な木地玩具の遊びを体験、伝承する取り組みのほかに、仲間と一緒に遊ぶという醍醐味があります。現代社会からすると、けん玉はアナログの極め付けのような世界です。
東北のブナ林を背景とした木地師文化に通じるけん玉は、子ども達に地域の大切さを見つめさせるきっかけともなり、仲間と共に喜びや楽しさも体験できると思います。
今後の「虹の森けん玉塾」の活動も盛り上がって欲しいと思います。
「けん玉塾」は、小学生を中心に活動を行っていますが、対象が限られている訳ではなく、希望があれば大人も参加可能とのことですので、ぜひご興味がある方は来年参加されてみてはいかがでしょうか。
置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。
○取材日 平成25年11月2日(土)
詳細:第41回西根地区文化祭「第12回虹の森けん玉大会」
場所:西根地区公民館(長井市)
○取材協力 一般社団法人日本けん玉協会長井支部(副支部長 森輝彦さん )
西根地区公民館(長井市)