上杉文華館 「戊辰戦争と奥羽越列藩同盟」:置賜の宝発掘プロジェクト(仮称)

置賜文化フォーラム
上杉文華館 「戊辰戦争と奥羽越列藩同盟」

上杉文華館の12月の展示をご紹介します。

 当館常設展室内では国宝上杉家文書を常時見ることができる上杉文華館があります。

 今年度のテーマは「 国宝『上杉家文書』に見る幕末の米沢藩」です。

 上杉家文書のうち幕末期のものは未だ活字化されていないものも多く、初公開の資料もご紹介します。

 

 平成27年度、全12シリーズの第10弾は…

「幕府と朝廷の間で」です。

【展示期間】:平成27年12月22日(火)

            〜平成28年1月24日(日)

                                

 明治新政府は明治元年(1868)正月7日に徳川慶喜追討令を出し、15日には奥羽諸藩にその支援を命じます。さらに1月20日、仙台藩に単独での会津藩追討を、25日には米沢・秋田・南部の諸藩に仙台藩の支援を命じました。慶喜は恭順の姿勢を取り、4月11日に江戸城は無血開城し、5月15日に上野の彰義隊が敗走すると、戊辰戦争の中心は奥羽へと移っていきます。

 3月に新政府の鎮撫総督一行が仙台に到着、29日には会津征討に参加するよう改めて米沢藩に指示が届きます。一方、東北諸藩は2月頃から閏4月にかけて協力して会津藩赦免を実現すべく新政府に働きかけ、米沢藩も奔走しますが、赦免交渉は新政府には受け入れられませんでした。5月3日、東北諸藩は奥羽列藩同盟を結ぶと、長岡など越後諸藩も加わり奥羽越列藩同盟が成立、新政府と戦うことになります。米沢藩は新庄・秋田、越後、白河など各方面に出兵し、各地で激戦を繰り広げていきました。

会津藩攻撃を支援せよ

国宝「上杉家文書」

上杉斉憲宛松平容保追討沙汰書

 時代:(明治元年・一八六八)正月(二五日)

法量:二一・七×八三・五

所蔵:米沢市上杉博物館

〔解説〕

 新政府から米沢藩主上杉斉憲に宛て、仙台藩を支援し、会津藩を攻撃するよう命じた文書です。

 新政府は一月二〇日、仙台藩に単独での会津藩追討を命じます。左に展示した、仙台藩主伊達慶邦への沙汰書の写しを指します。さらに二五日、本文書を受け取った米沢をはじめ、秋田・南部の諸藩に仙台藩の支援を指示しました。

 

◆コレクショントーク◆

  平成27年12月23日(水祝)14:00〜

担当:当館学芸員 佐藤 正三郎

場所:常設展示室 上杉文華館

※入館料が必要です。

 

 

次回、平成27年度予定

上杉文華館  《 国宝上杉家文書にみる幕末の米沢藩 》

「戊辰戦争の終結」

【展示期間】:平成28年1月26日(火)

           〜2月28日(日)

◆コレクショントーク  平成28年1月30日(土)

                   14:00〜

 

お問い合わせ 米沢市上杉博物館 0238−26−8001まで

皆さまのご来館を心よりお待ちしております。


2015.12.22:Copyright (C) 伝国の杜 情報BLOG
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