「虹の森けん玉塾」のご紹介【長井市】西根地区公民館:置賜の宝発掘プロジェクト(仮称)
置賜文化フォーラム |
「虹の森けん玉塾」のご紹介【長井市】西根地区公民館
2013.06.14:Copyright (C) 置賜文化フォーラム
▼この記事へのコメントはこちら
|
ゲストさんようこそ
合計 63人
■記事数
公開 2,397件
限定公開 0件 合計 2,397件 ■アクセス数
今日 2,968件
昨日 3,123件 合計 11,374,282件 |
長井市西根地区は、競技用けん玉生産日本一として知られています。
けん玉は、長井市の人にとっては身近な存在であり、誇りなのです。
置賜の木工芸−■競技用けん玉■でもご紹介しておりますので是非ご覧ください。
西根小学校と公民館が共に力を入れ、けん玉に取り組んできた経緯があります。
沢山の子ども達にけん玉に親しんで貰おうと、西根公民館の事業として「けん玉塾」を開催しています。
「けん玉塾」は、毎年5月から11月までの隔週の木曜日に午後7時〜8時30分まで開催しています。
最終日の11月には、西根公民館の文化祭と合わせて「けん玉大会」が行われ、日頃練習を重ねてきたけん玉の技の披露の場となります。
「置賜地域子ども伝統芸能」の題目として、6月13日(木)に行われた「けん玉塾」の取材に伺いました。
子どもを主体とする伝統としては、昔遊び・習俗に値します。
こういった昔遊びが現在にも伝わっていることはとても素晴らしいことだと思います。
前半は、けん玉の級ごとに、3グループに分かれての練習です。
ご指導者は、日本けん玉協会公認指導員の森輝彦先生、同じく公認指導員の四釜淳悟先生、西根公民館職員の方々です。
子ども達は真剣にけん玉に取り組み、練習に励んでいました。
後半は、級・準初段の技の級位認定が行われました。
森輝彦先生は、日本けん玉協会公認指導員なので、技が出来たら級を認定して頂けます。
10回中、1回「大皿」という技をクリア出来れば10級。
9級は「大皿」2回の他に、「小皿」という技も1回クリアしなければなりません。
更に進み、8級に合格するには、10級の技「大皿」を3回、9級の技「小皿」を2回、8級の技「中皿」を1回クリアしなければならないということになります。
検定は10回中に規定回数をクリアしなければなりません。
3回がその技の合格点ですので、4回以上のクリアは必要はありません。
その先の技へ進んで行けます。
大人は今からでも、けん玉の指導を受け、きちんとした姿勢でけん玉を始めれば、すんなりと技が上達するまでいくそうですが、子どもは身長が小さいこともあり、上達するまでが大人に比べては難しいのだそうです。
なんとこの日は、難しい技をクリアし見事1級を合格した女の子もいました。
3級の技「日本一周」3回、2級の技「世界一周」2回、1級の技「灯台」を1回クリアして、更に「もしかめ」という技を50回クリアし、1級合格となりました。
周りの子ども達が見守る中、成功すると大歓声が沸き起こりました。
みなさん、自分のことのように仲間の成功を喜んでいました。
合格した女の子は、級位認定が行われることもあり、家で練習を重ねてきたのだそうです。
級位認定が終わったあとは、再びけん玉の練習です。
写真は片足ケンケンをしながら、バランス力を鍛えるための練習です。
こういったこともけん玉が上手になるためには、必要なのだと知りました。
「けん玉塾」が終わったあとは、公認指導員の森先生、四釜先生、公民館の方々にお話を伺いましたので、ご紹介します。
■ご指導者へインタビュー
長井市の人々にとって身近な存在であり、誇りであるけん玉を普及させるために、「虹の森けん玉塾」を通して、地域の小学生にけん玉のご指導にあたっている森輝彦さん(一般社団法人日本けん玉協会長井支部)にお話を聞きました。
A.長井市は、けん玉の製造が日本一の生産量を誇る工場があるので、せっかく日本一なのだから、地元の子ども達にもけん玉に親しんでもらおうと、公民館で何か取り組むことはできないか?ということで、西根地区公民館事業として「けん玉塾」を始めました。
Q.「けん玉塾」の参加者はどのように募集しているのですか?
A.「けん玉塾」の活動の前に西根小学校に「けん玉クラブ」というクラブ活動があったのですが、引き続き、西根小学校を中心に募集をしています。また、昨年度からは募集範囲を広げ、長井市内の小学校にチラシを配り、募集しています。
Q.けん玉をご指導するようになったきっかけは何ですか?
A.私自身も、子供の頃にけん玉を習っていたこともあり、けん玉を教えるようになりました。父が上手だったので、けん玉には馴染みがありましたね。
Q.けん玉を習うという習慣が、長井市にはあったのですか?
A.昔は、長井市内の小学校にはどこの学校にもけん玉が上手な先生が一人はいて、学校内でマスゲームを行ったり、生徒にけん玉を教えていました。けん玉が出来ない先生は、出来る先生に指導してもらい、子ども達に教えるために練習をする習慣もありました。
昔から長井市には、大人が子どもにけん玉を教えるけん玉文化が根付いていましたが、現在では、けん玉を指導できる先生も少なくなってきているのが現状です。学校で教えるということがなくなってしまいました。
―昔の子ども達にとって馴染み深かったけん玉が、現在は「けん玉塾」として、再び子ども達に親しんで貰えているのですね。
A.はい。時代とともに、けん玉を教えるということがなくなりました。けん玉をやったことがないという子どもも沢山います。
沢山の人にけん玉を知ってもらいたいので、まずは西根地区の子ども達を中心にけん玉に親しんでもらい、長井市内の子ども達へと広まり、いずれ山形県内の子ども達に普及して欲しいと思っています。
Q.「けん玉塾」の活動を通して、子ども達に対しての目標はありますか?
A.子ども達がけん玉を上手になって欲しいというのが一番です。また、伝統的な遊びとしてのけん玉に競技性を持たせて、スポーツとして競技するけん玉大会もあるので、こちらも多くの人に知って欲しいです。
西根地区公民館の文化祭でもけん玉大会を実施するので、父兄などを通して、地域の多くの人々にけん玉を知っていただけるきっかけにもなるので、盛り上げていきたいと思っています。
Q.けん玉から教わることは何があると思いますか?
A.けん玉には、剣道や柔道などと同じく礼を重んじる“けん玉道”というのがあります。 “けん玉道”には、級位・段位というのもあり、このあたりも武道の段位認定に通ずるものがあります。
そういった礼儀正しい部分も、けん玉を通して習得できるようになるので、子ども達の教育にも役立つと思います。
―ありがとうございました。
また「けん玉塾」や11月の「けん玉大会」にもお邪魔したいと思います。
置賜文化フォーラム編集員「文化リス」がお送りしました。