「沖小歌舞伎」最終公演③公演を終えて【小国町】沖庭小学校:置賜の宝発掘プロジェクト(仮称)

置賜文化フォーラム
「沖小歌舞伎」最終公演③公演を終えて【小国町】沖庭小学校



           


沖小歌舞伎にはドラマがありました。
最終公演後、全校生徒22名と師匠を交えて、反省会が行われました。


沖小歌舞伎を終えて




反省会では、26年間に渡り、沖小歌舞伎の講師としてご指導してくださった古田歌舞伎保存会の2名に、児童から感謝の意が伝えられました。

4月からこれまで本格的な練習を共に行ってきた講師と生徒の絆は深いものがありました。


下級生が6年生へ向けて感謝の言葉を述べる
 
児童がそれぞれの思いを語る



沖小歌舞伎は、6年生が下級生に指導を行ってきました。
1、3、4、5年生の下級生より、6年生へ向けて感謝のメッセージをひとりひとりが伝えていました。

下級生から6年生への言葉では、
「セリフの言い方や動きなどひとつひとつ丁寧に教えてくれてありがとうございます。」
「今年で最後となる歌舞伎が6年生のおかげで大成功しました。」
「間違えたところをしっかりと教えてくれてありがとうございました。
「舞台袖での練習のときのサポートをしてくれてありがとうございました。」

などと述べました。

続いて、6年生から下級生に向けてのメッセージです。
6年生から下級生への言葉では、

「9月から毎日練習してきて、今日は本番だったけど、みんな緊張や不安に打ち勝って、完璧な演技をしていてすごいと思った。
歌舞伎は忘れられない思い出になると思う。」
「最初はみんな緊張しながら練習をしていたけど、本番では精一杯頑張れて大成功に終わることができたので嬉しかった。
春から練習をして、厳しい練習だったけど、教頭先生やお師匠様に言われたことをきちんと直して、本番に臨むことができて、頑張ってきたので本番では今までの成果を発揮することができました。」

とひとりひとりが感想を述べました。





生徒達から師匠2名に花束の贈呈です。

古田歌舞伎保存会の尾上昇十郎(本名・斉藤昇平)会長は、
「前日の練習のときは、100点に足りない分は明日にと言いましたが、今日はみな100点以上に出来ました。
長い間練習をやってきて、辛いときも寒いときも体の調子が悪いときもあったと思いますが、みなさんが頑張ってやってきたその成果が今日あらわれました。

今年は、何につけても今年が最後と言われてきました。
寂しさがあるが、最後といっても最後な訳ではありません。

みなさんがこれから新しい小学校や中学校に行ったときに、沖庭の歌舞伎があったということは、ひとつの一生忘れられない思い出になるはずです。
あとから大人になったときに、この沖小歌舞伎を思い出していただきたいと思います。」

と述べていました。





古川幹平(本名・安部幹雄)副会長は、
「最終公演が終わりました。26年間、みんなに感謝しています。
また、子ども達の顏を見ながら、自分に対しても感謝の気持ちです。

今日の公演は、上手、下手など関係なく、最後にふさわしい演技でした。
見ていただいた観客に緊張感が伝わっており、自分自身も納得しました。

沖小歌舞伎は、少子化により、今年は1年から6年生まで全員で演じました。
1年生も初参加でしたが、全員で出来て良かったです。

今日の公演は、自分の目に映り、心に残りました。
これまで、ありがとうございました。」

最後に小杉慶子校長は、
「今日は素晴らしい演技をありがとうございました。
これまで毎日見ていましたが、今日は何の心配もなく見れました。

4月から練習してきたので、体調が悪いときもあったと思います。
大変なときでも頑張るということ。
また、お師匠様や仲間に対して、教えるということも学びました。
この歌舞伎で習ったことは、他でも頑張れます。

今日は、これまで関わってくださったお師匠様、お客様、地域のみなさま、全員に感謝できる歌舞伎となりました。
みんなの頑張りのおかげです。ありがとうございました。」

と述べました。



「沖小歌舞伎」最終公演を終えた後、沖庭小学校で記念撮影


演じている児童たちは舞台上ではとても大きく見え、堂々とした演技に本当に小学生が演じているものかと思わせるものでした。
「白浪五人男」では大人の色気を感じ、「絵本太功記」では緊張感がある場面とユーモアな場面、それぞれの場面に頭で瞬時に対応し、知恵を感じさせる圧倒的な演技力でした。

けれども、化粧を落とし、普段着に着替えた児童たちを見ると、やはり小学生なのです。
身体も小さく、反省会では初々しい無邪気な表情を見せる場面も時折あります。

歌舞伎役者に変貌した舞台上と普段の学校生活、そのスイッチの切り換えに驚きつつ、この「沖小歌舞伎」が教育の一環として、これまでいかに児童たちを育て上げてきたか、考えさせられる観劇でした。


児童たちのアーチで師匠をお見送り
 
26年間指導に訪れた沖小を去ります。



最後は全員でアーチを作り、師匠をお見送り。
生徒と師匠との深い絆とあたたかさを感じました。

師匠が沖庭小学校を去り、もうこの小学校に歌舞伎の指導に訪れることはないのです。
ときに厳しく、お客さんに納得のいく演技を見せるために。
26年間は、師匠にとっては長かったのでしょうか、短かったのでしょうか。
さまざまな思いがあったと思います。

生徒を残し、校舎を去る後ろ姿。
この光景が、私の目には深く焼き付きました。
今でも鮮明に覚えています。


閉校にめぐり合わせた児童たち。
児童たちも、閉校の意味を理解しており、最終公演の練習に励んできたといいます。
沖庭小学校で学んだ歌舞伎を活かし、“より良い楽しい学校生活が待っていますように”と帰りの車中で思いました。


沖庭小学校での公演は最後となりましたが、
11月30日(土)、飯豊町町民総合センター「あ~す」で行なわれる「置賜こども芸術祭」に出演くださいます。
開場13:00、開演は13:30となっております。
こちらの公演をもって、本当に最後ということになります。

主催は置賜文化フォーラムで、入場無料となっておりますので、
ぜひお近くの方は「沖小歌舞伎」をご覧になりませんか?
多くのみなさんにご観賞いただきたいので、ぜひお越しください。

詳細は、追ってお知らせいたします。
引き続き、置賜文化フォーラムのHPをチェックいただきますようお願い申し上げます。

置賜文化フォーラム編集員の文化リスがお送りしました。





○取材日    平成25年10月26日(土)
        詳細:第26回「沖小歌舞伎」最終公演
        場所:小国町立沖庭小学校(小国町)

○取材協力   古田歌舞伎保存会(会長 斉藤昇平さん)
        小国町立沖庭小学校(小杉慶子 校長)









2013.11.01:Copyright (C) 置賜文化フォーラム
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