「おくりびと」・インド旅行ーその1:生涯学習ノート
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「おくりびと」・インド旅行ーその1
2009.02.25:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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すみません
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主演の本木雅弘氏はインドを旅行した際、『死者を見送る儀式を目にして生と死が隣り合う死生観を体感。その後、遺体をひつぎに納める「納棺」の世界を知り、映画化の構想を長く温めていた』、と語っている
私も今から13年前になるが平成8年にインドを旅してきた。本木雅弘氏と同じ時期ではないかと思う
映画「深い河」の舞台を訪ねるという「聖地ベナレスと北インド旅行」という7日間の旅であった
遠藤周作の「深い河」がベストセラーになり、熊井 啓の映画「深い河」もヒットした
映画「深い河」で秋吉久美子が沐浴したベナレスへ行ってみたいと思ったのだ
ツアーであったが成田で1人搭乗し、ニューデリーで集まってみたら同伴者は若い独身女性2人であった。3人の旅となった
ベナレスは「深い河」のスクリーン上だけでなく、テレビなどでもたびたび放映されていたので映像としての馴染はあった
しかし現地に行ってみるとその映像上のイメージは木っ端微塵に砕かれた
ガイドに頼んで死を迎えるにあたり死者とその家族の最後の庵となる建物を特別に案内してもらった
建物に通ずる道は牛の糞で一杯、臭いも思わず鼻を抑えなければ耐えられないような臭気
40度を越す熱気の中、女の子はサンダル履きであったが牛の糞を踏みつけながら、必死になって歩く
建物の中は暗くてよく見えないが、テレビで見た死を迎える人と死者を送ろうとする家族の情景を思い起こす
朝5時ガンジス川に船を出して、船から日の出を拝み、河の中央から沐浴する姿を眺め、そして火葬場を見る
火葬場に近づける限界線が決められている
写真は火葬場までぎりぎり近づいて撮った火葬場(右手の方)の写真である
(文中に添付した写真はクリックすると拡大)
ここで焼いて、その灰をガンジスに撒くことによって輪廻転生がもたらされるというのである
テレビで観た映像では丸太を組み合わせた櫓のうえに死体をのせて焼いていた
写真が張ってあったアルバムにコメントをつけていた
「火葬する人はカースト制度の最下層の人と決まっている。ひとりを焼くのに50ルピーかかる(当時1ルピーは3円50銭)
最近は電機で焼く。子供はそのまま流す。
河を牛が流れいくのが見える。その水のなかでものすごい人たちが朝の沐浴をしている」
死を迎えた人たちがインドの全国各地域からベナレスを目指して集まってくる
レンガつくりの建物、土むき出しの道路、悠々と歩く牛の群れ、牛の糞とその匂い、騒音と雑踏の波
混沌のなかに人の生死が息づいている
人は生まれて死んでいく
人はどこへ行こうとしているのだろうか
まだ会社人間であった私の頭は次元を超えた難題にぶつかり戸惑うばかりであった
定年まじかの55歳の特別休暇(リフレッシュ休暇)には絶好の旅先となった
同じ時期、本木雅弘氏がインドで感じた「死生観」というものはどのようなものであったのだろうか