映画「ヴィヨンの妻」:生涯学習ノート
生涯学習ノート |
映画「ヴィヨンの妻」
2009.11.14:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
余韻ちがい
真逆もまたいい
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新聞を見ると13日で終了とあるではないか
13日は4日間連続の仕事の最終日であったので疲れてはいたが、仕事を終えて19時15分の最終上映を観にいった
疲れを押して行っただけの映画であった
太宰を思わせるだめ夫と、それを支える健気な妻の物語であるが、日本人的な情緒にぴったりくる中身の濃い映画となっている
だめ夫に貞淑に仕える妻の姿は、昔は珍しくなかったしよくある話として見聞きしていた
外からだけみると、女性の忍従の姿だけが見えるようであるが、夫婦の間には外からは窺えない夫婦の機微のようなものがあったのかもしれない
この映画の夫婦も、始めは貞淑に仕える妻という姿であった
それが生活に追い詰められて居酒屋で働くということから次第に自立していき、夫への愛情も昇華していくような内容になっていく
妻独自のおおらかな性格や素直さも加味されて、一人の女として生きようとする妻の健気さや強さがよく描かれている
女性の強さを感じ癒される思いもする
その妻役を松たかこが好演している
終戦直後のアーケード街の情景や当時の風俗なども物語に日本独自の味付けをしてくれている
そんな舞台で繰り広げられる人間模様は日本人独自の情緒の濃さを感じるが普遍的な力を秘めているようにも思われる
観終わったあとの印象がよく、もう一回観てみたいと思った
居酒屋夫婦の描き方も印象に残る
伊藤雅刀と室井滋画好演
監督は根岸吉太郎
この映画でモントリオール映画祭で監督賞を受賞した
終了時間は21時10分であった
遅い夜道を夫婦で語りながら帰るにはぴったりの内容であった