映画「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」:生涯学習ノート
生涯学習ノート |
映画「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」
2008.07.31:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
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前回、渡辺淳一の「夫婦恋愛」について紹介しました
この映画はまさしく夫婦恋愛といえるかもしれません
アルツハイマーの患者の病状がテーマでなく、晩年を迎えた老夫婦のたどる切ない愛の物語です
結婚生活44年目でもまだラブラブの夫婦です(私が43年目です)
私と同じくらいの年齢ですが、ベッドインのシーンがありました
アルツハイマーの兆候が出たというので、妻は夫の止めるのを振り切って自ら施設に入ります
施設の規則で、最初の1ヶ月は家族の面会が禁じられています
1ヶ月後、夫が面会に行った時見た光景は、妻が別の男と親しくなっている情景でした
何回訪ねていっても妻の記憶はもどらず、別の男と親しくなっていくばかりです
それでも夫はあきらめないで足を運び昔の共有している思い出などを語りかけます
でも妻は記憶が戻らず、他人として冷たく向き合います
夫は旧大学教授で教え子と随分浮気をしました
妻はそれを知っています
夫はそのことに対するリベンジではないかと疑ったりもします
夫が自分だったら・・・と何度も思いました
愛する妻のために、孤独に必死に耐える夫の表情、姿をカメラは執拗に追っていきます
妻は愛する別の男が退所したために孤独に陥り、症状を悪化させます
夫は妻のために退所した男を施設に連れもどすために奔走します
別の男の妻と関係を持つというドラマッチックな行動にでるのです
そしてようやくその男を妻のところへ連れ戻すもどすことができたとき・・・・
これがラストシーンとなります
素晴らしい脚本です
熟年夫婦の愛情は記憶の積み重ねで持ちこたえているはずです
その記憶がなくなったら、夫婦の絆はどうなっていくのでしょう
画面は施設の中ですが、ラブストーリーを観るような切なさを感じる映画でした
帰りの車中では女房との会話は途切れ勝ちになってしまいました
熟年夫婦の愛情問題よりも、アルツハイマーの恐怖を身近に感じたせいでしょうか