映画「生きる」:生涯学習ノート

生涯学習ノート
映画「生きる」
昭和27年に製作された黒澤 明の傑作中の傑作といわれる映画である
今回NHKで放映したものをダビングして観てみた

ある市役所の老いたる一課長(渡辺という市民課長)が胃がんになった
その課長が自分の死を悟り、今までのお役所的な仕事の仕方をやめて、市民のため
の公園作りに奔走し、完成させるという物語

きっかけは女子職員から言われた「課長さんも何か作ってみたら」と言う言葉
その言葉に、お役所的に生きてきた渡辺課長は気がついた
自分にもやるべき事が残されていたことを
それこそ死を賭してさまざまな困難な問題に粘りと勇気を持って立ち向かった
そしてようやくのことで住民が待ち望んでいた小さな公園を完成させた

老課長はその公園のブランコに乗りながら亡くなった
雪の降るなか、「命短し・・・」というゴンドラの歌を口ずさみながら

何回見ても感動する。加齢とともに新たな気づき、新たな感動を発見できる

時代の状況は、当時と現代で大きく違うが、その訴えるものは極めて現代的な意味
を持っていると思う

この映画を観て、ふと、先日聴講した「市町村職員(公務員)の研修」の教材とし
て活用できるのではないかと思った

映画に展開される役所の縄張り意識や、お役人の根性は今でもあるのではないか
その意識を改革しようという動きがあるが、ヘドロのように底流に流れているお役
所的なものを変えていくことは難しい

この映画を若い職員達に観てもらい、自分の生き方と同時に、公務員の役割意識、
使命感などについて考えてもらったらいかがなものか

志村 喬という俳優の素晴らしさを再認識させられた
ガンになっての志村喬の演技には、絶望感と孤独感が過剰なくらいに表現されてい
て凄みを感じる

役者のまえに人間としての力、魅力を感じる。凛として、日本人らしい気骨を秘め
た俳優である

時代が生んだともいえる、千秋実、金子信夫、藤原鎌足などの俳優の個性的な面構
えと味のある演技にも感動する。懐かしい

昭和27年といえば私が12歳、その2年後に母親が胃がんで亡くなった
すでに手遅れになっていた母親と病院へ一緒にいったこと
手の施しようがなく自宅療養しながら死期を待つのみであったこと
襲ってくる痛みに耐えかねて、近所にすむ勤務医にモルヘネを打ってもらっていた
ことなどが思いだされた

自分も膵臓ガンになってこの映画を観ると、渡辺市民課長の死に対する恐怖感、生
きようとする思いなどは遠慮なく私の心の中に入り込んでくる

そんな思いを抱きながら、自分はこれから何を作っていったらいいのか・・・


2008.10.02:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
いつも参考に!
はじめまして!

旦那さんと映画を見る時に、いつもこのブログを参考にさせていただいています!

この映画もとても興味をもちました。
2008.10.02:mame [修正 | 削除]
コメントありがとうございます
ご主人と映画を観れるということはお幸せなことですね
私達夫婦はともに60歳を過ぎていますからひとり1000円で観れます
2000円で夫婦が仲良くなれるなら、こんなに安いものはないと思い
暇を作っては映画へ走ります
今日も朝から「アキレスと亀」を観て来ました
2008.10.03:長朗 [修正 | 削除]
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