「ガンを超える生き方」- (1):生涯学習ノート
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著者 土橋重隆 (徳間書店)
著者は外科医として2000例以上の食道静脈瘤症例に対しての内視鏡的治療を施行するという実績を持っている高名な医者です
また20年間がん治療の最前線で、素晴らしい活躍をしてきたキャリアを持っています
その著者が西洋医学では、ガンを作る決定的な原因についてほとんど分かっていないことに気づきました
そして、人間はなぜ、「病気になるのか」その原因を知りたいと思ったのだそうです
患者さんの「病歴」でなく、「生活暦」、すなわちどのような「生き方」、「心の使い方」をしてきたのかを調べました
このようなことは、西洋医学を学んだほとんどの医者がやってこなかったことです
その結果、ガン患者の「心のあり方」や「生活態度」が、ガンの発症に大きな影響があることに気づきました。
著者は端的にガンとは何か、と聞かれたら「ガンはそれまでの自分の生活や人生を見つめ直すことを促している病気」と答える、ともいっています
そして、ガン治療における西洋医学的診断、治療と代替療法の限界を示し、ガンの本質に迫り、心と体の関係について言及し、いかに生きるかについて提案しました
以上の内容を『出来事=抽象+捨象』と言う表現で説明しています
現代医学におけるガンの診断(科学的分析=抽象の産物)だけではその本質を捉えることはできない
本質を理解しないまま、治療を行っても治療は望めない
“捨象”(診断)されるということは“捨象”されたもの(生活史、心の問題など)があることに気づくことが治療への第一歩となる、というのです
ガンは、心のあり方が作り出すため、心を変えればガンが治る可能性があることを事例で示しています
大変興味深いことは、乳ガン、胃ガン、卵巣ガン、など臓器の違いにより「心のあり方」も違うということ
右の乳ガンには家庭問題を抱えている人が多かった
左の乳ガンには体を酷使した人が多かった
大腸ガンでは発生部位でストレスが違う
膵頭部ガンと胆管ガンに見る患者の性格の分け方
など事例として詳しく述べています
また代替医療についても言及しています
著者は帯津三敬病院という代替医療を取り入れている病院で治療をしてきました
ガン細胞を直接、消滅させる代替医療を、今のところ知らない
その一方で西洋医学的治療を受けないで進行ガンが治った人がいるのも事実として認める
著者も何人かそうした人に会っており、そのことは疑うことなく認める
代替医療でガンが治ったのではなく、患者さんの内側(心という内面)に何か大きな変化が起こり、そのことがガンを治療したことと深く関係しているのではないかと考えている
さらに自然治癒力にも言及しております
生物が生まれながらに持っている病気を治す力および機能を指す表現
何もしなくても治るというより、病気を治すように体が反応するのが自然治癒力の中身生命力と言い換えてもいい
自然治癒力は患者一人ひとりに備わった能力
自然治癒力の乱れがガンを招く原因であり、またガンを治すのも自然治癒力と考える
ポイントは何が自然治癒力のバランスを乱すのか、どうしたら自然治癒力を取り戻し、ガン治療へつながるか
自然治癒力を取り戻すには「簡単にはいかない。でもできないことはない」
○私はNPO法人患者学研究所発行の「いのちの田園」という月刊小冊子に川竹代表初め多くの方々が述べられている内容に共鳴しています。私の自己管理の指針とさせてもらっております
○その主張と同じようなことが西洋医学でキャリアを積まれた現役の外科医の立場から述べられているので心強く思いました
○最私の希望的見方かもしれませんが、最近ガンの臨床医の先生方の間でこのような考え方が少しずつ広まっていくような気がします