エッセイ「孫娘」:生涯学習ノート
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エッセイ「孫娘」
札幌に居る孫娘がバレンタインディーに手作りチョコレートを送ってきた
昨年も手作りチョコレートだった
父の日に手作りケーキを作った孫娘に冗談のつもりでつい「安く上げたね・・」と電話で話してしまった
乙女心を傷つけてしまったのである
今回は慎重に発言。「うまかったよー、上手に作ったねー、」のセリフに終始するように心がけ電話を短めに切った
同じ団体に所属しているH氏は「リレーエッセイ」というエッセイを結び目とした絆つくりのアクションを起こし、先日河北新報の夕刊の一面に取り上げられた
投稿したエッセイは一冊の本になり、参加者の集いも行われる
前回は100名の参加者であったが今回は200名になっている
その「リレーエッセイ」に「年だからでなく年がいもなく」に3回に分けて投稿した孫娘に関する文章をまとめて「孫娘」と題して送ってみた
以下その「孫娘」である
「孫娘」
5月の父の日に、札幌にいる娘夫婦から私宛に贈り物が届いた。お礼の電話をした。急に孫娘と話をしてみたくなり孫娘に替わってもらった。久しぶりの会話で年がいもなく緊張しあがってしまった。そのせいだろうか、思ってもいなかったことを口にしてしまった。「○○ちゃん、お父さんに父の日で何をプレゼントしたの?」「ケーキを作ってやったよ!」と孫娘は弾んだ声で答えた。「ふーん、安くあげたね」。「・・・・」ここで会話はプッツン。とんでもないことを口にしてしまった。孫娘の乙女心を完全に傷つけてしまった。
翌日娘・母親から、「じいちゃん!なんと言うことを子どもに言うの!○○はがっくり来ていたよ!難しい年頃だから気をつけて物言って!だいたい昔からそうなんだから、私も子供のころ傷つくようなことを随分といわれたものね!覚えていないっしょ!(札幌弁)」。孫娘はいかにじいちゃんの言葉で傷ついたかを母親に綿々と訴えたそうだ。弁解無用、早速孫娘に謝ることにした。「○○ちゃん、きのうはごめんね、じいちゃんが悪かったよ!」孫娘は「ウフフフフフ」だけ。じいちゃんはただただ謝るだけ。これから孫娘との関係はどうなるのだろうか。
6月に札幌へ遊びに行った。娘の家族と車で移動中、ばあちゃんの水泳の話になった。娘に話した。「お母さんもクロールのスピードがあがってきて、まるで白熊が泳いでいるようだよ」と。それを聞いていた孫娘がすかさず「じいちゃん、それってほめ言葉?!」と突っ込んできた。娘もすかさず「じいちゃん、この前も仙台の家でそんなこと話したでしょう。○○は帰ってきて、じいちゃんがばあちゃんを白熊といってセクハラしていたと憤慨していたんだけど」「え!え!そうだったの、その話聞いてなかったなー・・・」。孫娘が昨年の3月に仙台に遊びに来て一緒にプールへ行ったとき、確かに白熊という言葉を使っていたのである。
「○○ちゃんよ!白熊といったのはばあちゃんに対するほめ言葉だよ。ばあちゃん体が大きくて色が白いだろう、そのばあちゃんがすいすい泳ぐもんだから白熊が泳いでいるように見えちゃうんだよ。じいちゃんは、ばあちゃんが60歳過ぎから泳げるようになったことをすごいなーと思っているんだけど・・・」しどろもどろで多弁になった。孫娘の反応は何もなし。じいちゃんも疲れてしまって黙ってしまった。
札幌から仙台の自宅に帰ってこの話を女房にした。女房は、そういえば孫娘が仙台から札幌の自宅へ帰ったとき、娘から「じいちゃん又やったね。娘は帰ってくるなり、じいちゃん、ばあちゃんを白熊呼ばわりしてセクハラしていたよと憤慨して話していたけど」と言う電話があったそうである。その電話を聞いたとき女房は「豚と言われるよりは、まー良かったんじゃない」と答えておいたそうである。
孫娘には疲れる。孫転がしはいつの間にか終わってしまって、こちらが転がされてしまっている。
札幌から帰って数日後、娘に聞いてみた。「ところで○○は元気でやっているかい?」「それがねーおっかしいの、じいちゃんが帰ったあとの布団を片付けさせないのよ」「うーん、どうして?」「じいちゃんの匂いが好きだから、と○○がいうのよ。毎日学校から帰ってくるとその布団にもぐりこんで本を読んだりしているのよ」「え!それって何さ」とじいちゃんびっくり。「おっかしいでしょう、普通は嫌がる年頃なのにね」と娘。「ご当人がマジでそう言って、やっていることだから好きなようにさせているんだけど・・・あ!ハハハハハ・・」
実はこれと同じようなことは七年前にもあった。孫娘が幼稚園児のとき、仕事で毎月一回札幌へ行って娘の家に泊った。その都度孫娘が布団のなかに潜り込んできて、本読みをせがんだ。寝る時間になって、娘が連れ出す時、未練たらしい目をしながら自分のベッドへ移っていったものである。私が外出した後、孫娘が私の布団のなかでもぞもぞしていたので「何しているの」と娘が聞いたら、「じいちゃんの匂いを嗅いでいる」と答えたそうである。その時も、おかしい孫娘だねと娘と一緒に笑ったが、そのときはまだ幼稚園児だった。そういうこともありかなーと、嬉しさと可愛さの入り混じった気持ちで受け止めていた。でも今度は小学校6年生である。じいちゃんに対しても時折厳しい言動を示し、以前のように寄ってこなくなってしまっているというのに・・・・じいちゃんの匂いが好きといってくれることに戸惑を感じている。
2009.02.17:Copyright (C)
年だからでなく年がいもなく
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昨年も手作りチョコレートだった
父の日に手作りケーキを作った孫娘に冗談のつもりでつい「安く上げたね・・」と電話で話してしまった
乙女心を傷つけてしまったのである
今回は慎重に発言。「うまかったよー、上手に作ったねー、」のセリフに終始するように心がけ電話を短めに切った
同じ団体に所属しているH氏は「リレーエッセイ」というエッセイを結び目とした絆つくりのアクションを起こし、先日河北新報の夕刊の一面に取り上げられた
投稿したエッセイは一冊の本になり、参加者の集いも行われる
前回は100名の参加者であったが今回は200名になっている
その「リレーエッセイ」に「年だからでなく年がいもなく」に3回に分けて投稿した孫娘に関する文章をまとめて「孫娘」と題して送ってみた
以下その「孫娘」である
「孫娘」
5月の父の日に、札幌にいる娘夫婦から私宛に贈り物が届いた。お礼の電話をした。急に孫娘と話をしてみたくなり孫娘に替わってもらった。久しぶりの会話で年がいもなく緊張しあがってしまった。そのせいだろうか、思ってもいなかったことを口にしてしまった。「○○ちゃん、お父さんに父の日で何をプレゼントしたの?」「ケーキを作ってやったよ!」と孫娘は弾んだ声で答えた。「ふーん、安くあげたね」。「・・・・」ここで会話はプッツン。とんでもないことを口にしてしまった。孫娘の乙女心を完全に傷つけてしまった。
翌日娘・母親から、「じいちゃん!なんと言うことを子どもに言うの!○○はがっくり来ていたよ!難しい年頃だから気をつけて物言って!だいたい昔からそうなんだから、私も子供のころ傷つくようなことを随分といわれたものね!覚えていないっしょ!(札幌弁)」。孫娘はいかにじいちゃんの言葉で傷ついたかを母親に綿々と訴えたそうだ。弁解無用、早速孫娘に謝ることにした。「○○ちゃん、きのうはごめんね、じいちゃんが悪かったよ!」孫娘は「ウフフフフフ」だけ。じいちゃんはただただ謝るだけ。これから孫娘との関係はどうなるのだろうか。
6月に札幌へ遊びに行った。娘の家族と車で移動中、ばあちゃんの水泳の話になった。娘に話した。「お母さんもクロールのスピードがあがってきて、まるで白熊が泳いでいるようだよ」と。それを聞いていた孫娘がすかさず「じいちゃん、それってほめ言葉?!」と突っ込んできた。娘もすかさず「じいちゃん、この前も仙台の家でそんなこと話したでしょう。○○は帰ってきて、じいちゃんがばあちゃんを白熊といってセクハラしていたと憤慨していたんだけど」「え!え!そうだったの、その話聞いてなかったなー・・・」。孫娘が昨年の3月に仙台に遊びに来て一緒にプールへ行ったとき、確かに白熊という言葉を使っていたのである。
「○○ちゃんよ!白熊といったのはばあちゃんに対するほめ言葉だよ。ばあちゃん体が大きくて色が白いだろう、そのばあちゃんがすいすい泳ぐもんだから白熊が泳いでいるように見えちゃうんだよ。じいちゃんは、ばあちゃんが60歳過ぎから泳げるようになったことをすごいなーと思っているんだけど・・・」しどろもどろで多弁になった。孫娘の反応は何もなし。じいちゃんも疲れてしまって黙ってしまった。
札幌から仙台の自宅に帰ってこの話を女房にした。女房は、そういえば孫娘が仙台から札幌の自宅へ帰ったとき、娘から「じいちゃん又やったね。娘は帰ってくるなり、じいちゃん、ばあちゃんを白熊呼ばわりしてセクハラしていたよと憤慨して話していたけど」と言う電話があったそうである。その電話を聞いたとき女房は「豚と言われるよりは、まー良かったんじゃない」と答えておいたそうである。
孫娘には疲れる。孫転がしはいつの間にか終わってしまって、こちらが転がされてしまっている。
札幌から帰って数日後、娘に聞いてみた。「ところで○○は元気でやっているかい?」「それがねーおっかしいの、じいちゃんが帰ったあとの布団を片付けさせないのよ」「うーん、どうして?」「じいちゃんの匂いが好きだから、と○○がいうのよ。毎日学校から帰ってくるとその布団にもぐりこんで本を読んだりしているのよ」「え!それって何さ」とじいちゃんびっくり。「おっかしいでしょう、普通は嫌がる年頃なのにね」と娘。「ご当人がマジでそう言って、やっていることだから好きなようにさせているんだけど・・・あ!ハハハハハ・・」
実はこれと同じようなことは七年前にもあった。孫娘が幼稚園児のとき、仕事で毎月一回札幌へ行って娘の家に泊った。その都度孫娘が布団のなかに潜り込んできて、本読みをせがんだ。寝る時間になって、娘が連れ出す時、未練たらしい目をしながら自分のベッドへ移っていったものである。私が外出した後、孫娘が私の布団のなかでもぞもぞしていたので「何しているの」と娘が聞いたら、「じいちゃんの匂いを嗅いでいる」と答えたそうである。その時も、おかしい孫娘だねと娘と一緒に笑ったが、そのときはまだ幼稚園児だった。そういうこともありかなーと、嬉しさと可愛さの入り混じった気持ちで受け止めていた。でも今度は小学校6年生である。じいちゃんに対しても時折厳しい言動を示し、以前のように寄ってこなくなってしまっているというのに・・・・じいちゃんの匂いが好きといってくれることに戸惑を感じている。