映画「画家と庭師とカンパーニュ」:生涯学習ノート
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フランスを代表する2大俳優が出演している映画なので、まーはずれはないだろうと、たいした期待を持たずに観たのですが、これが大当たり
フランス映画らしい上品さと機知に富んだ映画で芳醇な香りのするワインを飲んだような気分にさせてもらえる映画でした
パリを逃れて生まれ故郷に帰ってきた画家と、その故郷で庭師をしている熟年男の友情の物語といえるかもしれません
画家の庭で顔をあわせた2人は小学校時代の「悪がき友達」だったことを思い出します
私も63歳になって小学校時代の同級会で50年余ぶりに6年間一緒に学んだ友達と会うことができました
同級会後も秋田で男友達5人だけで時々会ってはおしゃべり会を開いています
同級生との付き合いは無防備な子供時代の気持ちに帰ってしまい、子供帰りしたようなお付き合いが続いております
ですからこの映画に描かれている画家と庭師の不思議な男の友情というのが分かるような気がします
庭師は旧国鉄マンで家族の愛に恵まれ、今の仕事に生きがいを見出しています
画家はそれなりの成功を収めていますがモデルとの浮気などで奥さんや娘さんとはうまくいってないようです
そんな2入が、身の回りに起きる出来事に対して、それぞれの持ち味を発揮しながら、つかず離れずに、お互い絡み合いながら生活していきます
カンパーニュ(田舎)の美しい自然と庭、畑を舞台して、日常的な生活が淡々と描かれていきますが不思議な感動を呼びさまします
そんななかでの2人の会話がすばらしい
特に庭師のセリフが機知に富んでいて哲学的でもあります
知識や教養もない旧国鉄マンの言葉なのですが、「人生にはナイフと紐があればいい」とか「庭師は添い寝すれば野菜も・・」というような独特の言葉を口にして印象に残ります
女性に関しても触れていて、画家と愛人、画家とその妻、画家と娘、庭師と奥さんの関係が描かれます
庭師は奥さんとしっかりと結ばれていますが画家のほうは離婚に向かっています。画家と娘もうまくいっていません
でも最後は和解というところに落ち着かせました
最後は庭師ががんになって亡くなります
淡々とした日常生活のなかに突如として出現する友人の病と死ですが、その描き方も独特の演出で不思議な思いに駆られてしまいます。死が淡々として描かれていくのです
がんになったら淡々と生きることを目標としている身としては、身近に感じらる映像でした
勇気づけられました
手術して退院後に2人は湖に釣りに行って大きなコイを釣る場面があります
そのときの庭師の言葉「死神は巨大なコイと同じだよ、どこにいるか姿は見えなくても、いると分かる」
日常の生活を淡々とこなしているようでありながら、死を意識している庭師の生き方を示した言葉です
無学でありながら、旧国鉄マンの庭師の生き方に共感と感動を覚えました
最後の字幕に流れるクラッシク(作曲者?)の効果が素晴らしくて、誰も席を立とうとしませんでした
高齢者の男性諸氏には是非観ていただきたい映画です