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映画「愛を読む人」
私好みの映画ということもあるが心が揺さぶられるような感動を味わうことができた映画だった
ストーリーが素晴らしい
後でわかったことであるが世界的ベストセラーになった小説の映画化である
1958年のドイツが舞台で15歳の少年マイケルは21歳年上のハンナと知り合になり、ベッドを共にするようになる
ベッドのなかで彼女に頼まれて本を朗読してやるようになるが、ある日突然彼女は姿を消してしまう
数年後マイケルがハンナを見たのは法廷の場
マイケルは大学の法科の学生、ハンナは戦時中の収容所に関する罪で裁判にかけられていたのである
その法廷の場でマイケルはハンナが秘密にしていたあることに気がつく
その秘密を公にすればハンナの罪は軽くなると知りつつも、マイケルはできなかった、というよりもしなかったというべきか
その秘密とはハンナは字が読めなかった、ということ
この秘密はこの映画のミステリアスな部分とストーリー性の豊かさの大きな鍵となっていく
十数年後に終身刑で服役しているハンナに、判事になっていたマイケルはその昔、ベッドで読んで聞かせた本を自らの声で録音して刑務所へ送る
その二人にドラマチックな最後が待ち受けている
パンフやHPに「少年時代のひと夏の初恋」だの、「生涯の愛へと変わる至福のラブストーリー」などと書かれているが、そうなのだろうか
映画をみればわかるが、少年と36歳の女性は出会ってすぐに激しいセックス場面を演ずる
年上の女性が少年を誘って肉欲の海へと引きずりこんだ格好である
少年にとっては、初めてといっていい女性との恋がカルピスの味ではなくて、芳醇な香りを放つワインの味を与えてくれる恋となってしまったのだ
少年はおそらくは、天にも昇る気持ちですべてを投げ打って、その恋の味を貪り飲んだことだろう
2人にとっては濃密な男と女の関係の一夏だったのだ
字を読めない女性、過去の罪の意識を背負っていると思われる女性にとっても無垢な少年の存在は救いであったのではないか
純粋な少年との関係の中に生きる希望を見出そうとしたのではないか
それは年上の女性からの少年の誘惑というよりも、字を読めないというコンプレックスを気にせずに対等に向き合える相手としての少年との真剣な愛であったかもしれない
だからベッドシーンは2人の魂がぶつかりあうような激しさと厳粛さと、そして切なさを醸し出してくれている
このような役をこなせるのはケイト以外には居ないということで監督はハンナの役を最初からはケイトと決めて製作に入ったそうである
2人が出会ってベッドを共にする場面のケイトの演技は素晴らしい
字が読めない40歳近い女性が、男性にとってどれほどの魅力を発揮できるのだろうか
一般的に考えれば、肉体的な魅力を別にすれば、男心を掴むためには態度や言葉遣いなどではハンディを負うのではないか
そんなハンディを負った女性像を全身でうまく表現し、かつ全裸に近い肉体をさらしながらケイトは演ずる
いつもケイトの華やかさはなく、ふつうのおばさんのような顔と振る舞いが続く
何かを背負っているような硬い表情、短めな台詞とそっけない言い方、そのなかに少年との愛を必死に追い求める姿を演じている
年上の女性が少年を手玉にとっていいように扱うというような印象は残らない
むしろいじらしさが伴って場面がよみがえってくる
ケイトならではの演技である
HPにある「生涯を通じての至福のラブストーリ」というコメントもしっくりこない
少年にとっては一夏とはいえ、セックスを伴ったハンナとの関係は彼のその後の人生に大きな痕跡を残したのではないか
結婚して娘が一人居るが、離婚している 幸せな家族ではないようだ
男として、一夏の重い体験を引きずりながら生きているのではないだろうか
なぜ録音テープを送るようになったのだろうか
愛情というよりも、もっと複雑な思いがあるような気がしてならない
影の世界での恋だったということやハンナが囚人虐待という罪を犯した人間で服役中であるということ、そして自分が法曹の世界に身を置いていることなどが複雑に絡み合って、立派に成人したマイケルをそのような行動に駆り立てたのではないか
贖罪意識といったら大げさになるだろうか
ハンナの気持ちはどうだったのだろう
字が読めなかったことが彼女にとっては他人に知られたくない秘密となり、人生にとって大きな障害にはなった
しかしそのことによって濃密なひと夏の体験をし、その体験がその後の彼女の生き方のなかで豊かなものへと転換していったという風に思うのは表面的過ぎるのだろうか
この映画は観ていて切なくなる
涙腺から涙がでるというよりも腹の底から涙が送りこまれてくるような感じである
虐殺裁判や生き残った者の証言や収容所の景色なども出てきて重たい映画である
そんな映画でも終了間際になって希望を抱かせてくれるような救いの場面がでてくる
最後はマイケルが娘を伴ってハンナのお墓まで出かけ、自らの体験を報告しようとするところで終わる
この映画はラブストーリー映画といえばそういえなくもない
でもその範疇には収まりきれない大きなものを抱え込んだ映画のような気がする
観たあとも感動が波のように押し寄せてくる映画である
女性が圧倒的に多く、涙、涙の館内であったが、この映画は男性に観てもらいたい映画のような気がする
2009.07.10:Copyright (C)
年だからでなく年がいもなく
納得の最優秀受賞
デリケートな背景とそれぞれが抱えてる葛藤…観てる側としては、あまりに切ないストーリーでした。
正直なところ、今までケイト・ウィンスレットは特に好きな女優というわけではなかったけど、常識外れに歳がはなれた青年との純愛を見事に演じきっていて素晴らしい。
この作品でアカデミー主演女優賞の演技を存分に見せつけてくれた。
2009.07.13:ひだまり [
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修正しました
ケイトでなくてマイケルでしたね
ありがとうございました
めり込んでしまったために長文になって、書いている途中で疲れてきてしまいました
そうですか、ケイトは好きでないのですか・・・・
私はスクリーンでであったときからのフアンなのです
「それでも恋するバルセロナ」をご覧になられたそうですね
ウディの作品であることをすっかり忘れていました
ウディの作品は大部分好んで見てきました
「ハンナとその姉妹」なんかはウディ調に魅了されて見ました
が最近は・・・です
近々テレビを買い換えないとならなくなりました
溜め込んでいるビデオは画質が悪くて薄型テレビでは見れないぞ
!と息子に脅かされ、今あわてて見だめをしております
2009.07.13:長朗 [
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深いところに届く映画でしたね
長朗の感動溢れる感想を読まないようにして、
映画館で見てきました
(福島フォーラムが自宅から徒歩10分弱なんですよ)
私にとっては、深いところに届くというか、、、
登場人物それぞれの目に映っている情景が織り成す
ストーリーは、切ない中にも深い納得があって、
普遍的なものを感じた作品でした。
ラストで今を生きはじめようとしているマイケルに
希望を感じ、それを見届けられてほっとしました。
愛って深いなあ、、、
「無償」だからいいとかそういうものでなく
「愛を読む人」の愛は、言葉では言い尽くせない感じがしました。
人を動かしている思いそのもののように感じます。
2009.07.19:まめこ [
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愛って深いですよねー
フォーラムがそんな近くにあるのですか
でも1800円というのはちと高いですね(長朗は1000円)
「愛を読む人』の愛は言葉では言い尽くせない感じですね
長朗もブログにはもっと書きたいことがあったのですが、うまく表現できませんでした
今度お会いしたときに話題にしましょうね
夏休みは実家へ帰るのですか
2009.07.19:長朗 [
修正
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]
学割バンザイ!
私の映画代は学割1400円でした。レディースデイ(1000円)を狙いたかったのですが、日程が合わず、出費を覚悟で観てきたんですよ。劇場で観たい作品だったので。
1000円になる割引券とスタンプ3個で1回無料になるカードを
頂いたので、次は1000円で見れます(^^)/
夏休みは、8月下旬に1週間と9月末に稲刈り手伝いで帰省の予定です。集中講義や卒論のテーマ決めなどで、夏休みもいろいろあるんですね。昔は遊びほうけていたものでした。
夏休みこそ、前期講義で学んだことを元に、自分の学びを深められる時かなと思います。2ヶ月は、あっという間に過ぎそうです。
Cnetには、イスキア、そして8月の勉強会にも参加したいなあと思っていました。よろしくお願いしま〜す。
2009.07.22:まめこ [
修正
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]
心頭を滅却すれば・・・がんばって!
スタンプ3個で1回無料というのは割がいいですね
チネとフォーラムは10回観てで1回の無料券
MOVIXは60ポイントで無料券1枚です
集中講義や卒論などいう言葉の響きはいいですね
学生時代を思い出させてくれます
楽しい思い出でもありませんが
しっかり勉強して実力をつけてくださいね
Cnetの皆さんがお待ちかねですから
イスキアへ行けるのですか? 是非とも
夏ばてしないように
2009.07.22:長朗 [
修正
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後でわかったことであるが世界的ベストセラーになった小説の映画化である
1958年のドイツが舞台で15歳の少年マイケルは21歳年上のハンナと知り合になり、ベッドを共にするようになる
ベッドのなかで彼女に頼まれて本を朗読してやるようになるが、ある日突然彼女は姿を消してしまう
数年後マイケルがハンナを見たのは法廷の場
マイケルは大学の法科の学生、ハンナは戦時中の収容所に関する罪で裁判にかけられていたのである
その法廷の場でマイケルはハンナが秘密にしていたあることに気がつく
その秘密を公にすればハンナの罪は軽くなると知りつつも、マイケルはできなかった、というよりもしなかったというべきか
その秘密とはハンナは字が読めなかった、ということ
この秘密はこの映画のミステリアスな部分とストーリー性の豊かさの大きな鍵となっていく
十数年後に終身刑で服役しているハンナに、判事になっていたマイケルはその昔、ベッドで読んで聞かせた本を自らの声で録音して刑務所へ送る
その二人にドラマチックな最後が待ち受けている
パンフやHPに「少年時代のひと夏の初恋」だの、「生涯の愛へと変わる至福のラブストーリー」などと書かれているが、そうなのだろうか
映画をみればわかるが、少年と36歳の女性は出会ってすぐに激しいセックス場面を演ずる
年上の女性が少年を誘って肉欲の海へと引きずりこんだ格好である
少年にとっては、初めてといっていい女性との恋がカルピスの味ではなくて、芳醇な香りを放つワインの味を与えてくれる恋となってしまったのだ
少年はおそらくは、天にも昇る気持ちですべてを投げ打って、その恋の味を貪り飲んだことだろう
2人にとっては濃密な男と女の関係の一夏だったのだ
字を読めない女性、過去の罪の意識を背負っていると思われる女性にとっても無垢な少年の存在は救いであったのではないか
純粋な少年との関係の中に生きる希望を見出そうとしたのではないか
それは年上の女性からの少年の誘惑というよりも、字を読めないというコンプレックスを気にせずに対等に向き合える相手としての少年との真剣な愛であったかもしれない
だからベッドシーンは2人の魂がぶつかりあうような激しさと厳粛さと、そして切なさを醸し出してくれている
このような役をこなせるのはケイト以外には居ないということで監督はハンナの役を最初からはケイトと決めて製作に入ったそうである
2人が出会ってベッドを共にする場面のケイトの演技は素晴らしい
字が読めない40歳近い女性が、男性にとってどれほどの魅力を発揮できるのだろうか
一般的に考えれば、肉体的な魅力を別にすれば、男心を掴むためには態度や言葉遣いなどではハンディを負うのではないか
そんなハンディを負った女性像を全身でうまく表現し、かつ全裸に近い肉体をさらしながらケイトは演ずる
いつもケイトの華やかさはなく、ふつうのおばさんのような顔と振る舞いが続く
何かを背負っているような硬い表情、短めな台詞とそっけない言い方、そのなかに少年との愛を必死に追い求める姿を演じている
年上の女性が少年を手玉にとっていいように扱うというような印象は残らない
むしろいじらしさが伴って場面がよみがえってくる
ケイトならではの演技である
HPにある「生涯を通じての至福のラブストーリ」というコメントもしっくりこない
少年にとっては一夏とはいえ、セックスを伴ったハンナとの関係は彼のその後の人生に大きな痕跡を残したのではないか
結婚して娘が一人居るが、離婚している 幸せな家族ではないようだ
男として、一夏の重い体験を引きずりながら生きているのではないだろうか
なぜ録音テープを送るようになったのだろうか
愛情というよりも、もっと複雑な思いがあるような気がしてならない
影の世界での恋だったということやハンナが囚人虐待という罪を犯した人間で服役中であるということ、そして自分が法曹の世界に身を置いていることなどが複雑に絡み合って、立派に成人したマイケルをそのような行動に駆り立てたのではないか
贖罪意識といったら大げさになるだろうか
ハンナの気持ちはどうだったのだろう
字が読めなかったことが彼女にとっては他人に知られたくない秘密となり、人生にとって大きな障害にはなった
しかしそのことによって濃密なひと夏の体験をし、その体験がその後の彼女の生き方のなかで豊かなものへと転換していったという風に思うのは表面的過ぎるのだろうか
この映画は観ていて切なくなる
涙腺から涙がでるというよりも腹の底から涙が送りこまれてくるような感じである
虐殺裁判や生き残った者の証言や収容所の景色なども出てきて重たい映画である
そんな映画でも終了間際になって希望を抱かせてくれるような救いの場面がでてくる
最後はマイケルが娘を伴ってハンナのお墓まで出かけ、自らの体験を報告しようとするところで終わる
この映画はラブストーリー映画といえばそういえなくもない
でもその範疇には収まりきれない大きなものを抱え込んだ映画のような気がする
観たあとも感動が波のように押し寄せてくる映画である
女性が圧倒的に多く、涙、涙の館内であったが、この映画は男性に観てもらいたい映画のような気がする