命の恩人、O先生:生涯学習ノート
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命の恩人、O先生
2009.10.04:Copyright (C) 年だからでなく年がいもなく
いい先生ですね!
人生の運
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先月採血して検査したヘモグロビンA1Cという血糖値が予想以上にあがっていた
「これではまずいよ」と先生は言う
「がんも怖いけど、糖尿病も怖いんだ。少し食べすぎていないか?」と聞くので「いえいえ、先生ご存知の通り玄米菜食ですから」とあわてて弁解する
「じゃ、体重計にあがってごらん」というので上がってみる
「それ見ろ!体重2キロ増えているじゃないか、これでは血糖値もあがるよ」とお叱りのコメント
「おかしいな・・・・、そんなに食べていないのに」とぶつぶつ言っていると、先生はすかさず「このかばんを持ってみろ」と言って往診かばんを手に持たせる
「このかばんは3キロあるんだよ。この余分な重さをあんたは身につけながら生活しているんだよ」と言う
体重が上がるたびに先生からこのかばんを持たせられる
今まで何回持たされたことだろうか
「わかりました。減量します」といってまずは終わる
私のすい臓がんの早期発見はこの先生のおかげである
2年以上前になるが、2ヶ月連続して急上昇した血糖の検査値に敏感に反応してくれて診察室から直接大学病院に電話して検査入院の段取りをつけてくれた
検査希望患者が多くて検査がいつになるか分からないような状況だったが、先生が無理やり頼んで早朝の検査のなかに組み込ませてくれたのである
その結果やはりすい臓がんということが判明し、早期に手術ができたのである
すい臓がんは発見が遅れて、自覚症状がでたときには手遅れになっていることが多いがんである
命の恩人といってもいい
先生は術後もわざわざ大学病院まで見舞いに来てくれ、医局の先生たちにも挨拶してくれた
毎月診察に行くたびに「よくがんばっているね、ご立派!」と私の無事を喜んでお祝と励ましの言葉を投げかけてくれる
そして必ず付け加える
「東北大学で手術できないといわれた○○先生が自分で手術をしてくれるところを探してK大学に行って手術してもらった。その先生が4年も元気で生きているぞ」と
私を励ます意味での話であるが、もう同じ話を何回聞かされたことだろう
そして帰り際に「こんど元気でいることを祝っていっぱい飲もう!金は俺が出すから!」と声をかけてくれる
この掛け声も何度聞いたことだろうか
そんなに急いで実現しなくていいと思っている
本来は患者の自分のほうから「先生、一杯飲みましょう!」と声をかけるべきなのかもしれない
先生から同じ言葉で声をかけてもらっているほうが嬉しさが長続きするような気がするのである
来月もまた同じような話を聞かされることだろうが「ちょっとかばんを持ってみろ」という話は無しにしよう
先生は71歳である
「今度一杯飲みに行こう」という話はあと3年後くらいには実現させたいと思う